中国のヴィーガン事情を徹底解説!日本より早くヴィーガニズムが浸透中
これから爆発的に伸びるとされている中国のヴィーガン市場は、どのように変化していくのでしょうか。少しずつヴィーガニズムが浸透しつつある中国の最新情報をお伝えします。
どのメニューも肉や魚介類がたっぷりと使われているイメージがあり、実際に肉の消費量も多い中国。
そんな国においても、じわじわとベジタリアン・ヴィーガンのトレンドの波が押し寄せてきていて、さらには政府主体のキャンペーンも食生活改革を後押ししています。
この記事では、少しずつヴィーガニズムが浸透しつつある中国の最新情報をお伝えします。これから爆発的に伸びるとされている中国のヴィーガン市場は、どのように変化していくのでしょうか。
目次
肉食文化が根強く残る中国における文化的背景とは?
定番の中国料理を見ても分かるように、中国の食卓には肉料理が並ぶことが多いです。
これはどのような背景からきているのでしょうか。
もともとは菜食スタイルだった!?
実は少し前までは中国では菜食主義は当たり前の食事方法でした。
各家庭のお財布事情もあり、肉を消費することは滅多になく、お米を主食としながら、野菜や豆類をメインとするおかずを合わせて食事を摂るというのが一般家庭のよくある光景でした。
これに関しては、私たちの住む日本でも同じと言えるのではないでしょうか。
祖父母世代では、「一汁三菜」と表されるような、ごはん・味噌汁・複数のおかずが定番でした。今では「定食屋さん」のメニューと言ったところでしょうか。
肉を食べることは経済成長の証!
基本的には豆腐やみそなどをうまく活用したの食卓ですが、トレンドが変わってきたのは1960年代以降、そして加速し始めたのが1980年代と言われています。
少しずつ経済成長が進んだことで、まずは都市部に暮らす裕福層が肉を食べられるようになりました。追って、農村部に暮らすいわゆる一般家庭においても、少しずつ肉が手に届くようになり、中国全土において肉食文化が広がっていきます。
それを受けて「肉を食べること=経済成長をしている証」と考えられるようになり、急速に人々の食生活に肉が組み込まれるようになりました。
中国における肉の消費量は右肩上がり
1960年代において、一人当たり年間平均5キロほどしかなかった肉の消費量が、1970年時には20キロに増え、そして2015年の時点では48キロレベルにまで増えているという衝撃の数字も出ています。
50年間の間で肉の消費量が10倍近くまで膨れ上がったという計算になります。
世界一の人口を誇る中国ということもあり、この国における肉の消費量は全世界の消費量のうち28%も占めるそうです。
また、特に使われることの多い豚肉に関して言うと、世界の消費量の半分以上を中国が占めています。
人口の多さに加えて、文化的背景から、肉の消費量がぐんぐんと伸びているという状況が広がっていました。
中国の若い世代を軸に進むヴィーガニズムのトレンド
「肉を食べること」がステータスである世代に対して、現在の若者層を筆頭に中国においてもヴィーガニズムのトレンドは押し寄せてきています。
中国のヴィーガン牽引層は18-35歳
2018年に実施された中国におけるプラントベースミートの消費者アンケートによると、植物性素材から作られる代替肉を購入している人の46.8%が18-35歳の年齢層とあります。
また、18歳以下が25.7%を占めており、この二つの層だけで約2/3を占めています。
興味深いのが、経済発展とともに肉の消費を増やしていった世代である50代以上のプラントベース消費者はたった10.1%と、世代間における考え方の違いが浮き彫りになりました。
参考:Plant-based meat consumption in China in 2018, by age group
若者層のプラントベース化は「健康意識」の高まりから
ヴィーガニズムを生活に取り入れる人たちの理由は様々です。中国においては「健康」が理由としてあげられることが多いというトレンドがあります。
- プラントベースの方が低脂質
- コレステロールが低い
- 味が美味しい
- 口の中がべたべたしない
- より栄養価が高い
このような点が評価されて、中国の若者層は少しずつプラントベース商品に手を出し始めています。
同じく、東南アジアにおいてもヴィーガンブームは広がっています。
タイ・ベトナム・シンガポールにおける現地事情については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。