産前・産後のヴィーガンやベジタリアン生活のすすめ
妊婦さんになったタイミングでヴィーガン・ベジタリアンに切り替えるのは良いのでしょうか。妊婦さんの間や、産後の授乳期間中に食生活を見直して、ヴィーガン・ベジタリアン食を楽しみつつ、健康的に過ごすコツをご紹介します
では、妊婦さんになったタイミングでヴィーガン・ベジタリアンに切り替えるのは良いのでしょうか。
また、今までヴィーガン・ベジタリアン生活をしてきた人は、妊婦さんになったら何か気にしないといけないのでしょうか。
少し前までは「ヴィーガンだと赤ちゃんに栄養が足りるの?」「ちゃんと赤ちゃんが育つ?」なんて言われていましたが、最近では積極的におすすめされているんです。
妊婦さんの間や、産後の授乳期間中に食生活を見直して、ヴィーガン・ベジタリアン食を楽しみつつ、健康的に過ごすコツをご紹介します。
目次
妊娠中のヴィーガン食生活は赤ちゃんにも良いの?
何よりも気になるのが、赤ちゃんをおなかの中で育てているお母さんが、ヴィーガン食だけで暮らすのは良いのか?という点ではないでしょうか。
実際に、ヴィーガンなライフスタイルを楽しんでいた人でも、妊娠したのが分かると、少し心配になってお医者さんに確認を取る人も多いです。
でも、アメリカをベースとする食品や栄養の専門家によって構成されているThe Academy of Nutrition and Dietetics(アカデミー・オブ・ニュートリション・アンド・ダイエテティックス)によると、「バランスの取れたヴィーガン食は妊娠中を始め、どんなライフステージにおいても効果的」とあります。
食品群をバランス良くかけ合わせたり、場合によってはサプリなどで補強する必要はあるかもしれませんが、多くの人がヴィーガン妊婦さんとして赤ちゃんを育てています。
ちなみに、妊婦さんになる前の、妊活中でもヴィーガン・ベジタリアン食は効果的と言われています。こちらの記事で詳しくご紹介しています。
でも身近な医者が理解してくれるとは限らない
世界を見回すと多くのヴィーガン・ベジタリアンママはいるものですが、医者の中には従来の食生活が当たり前と考えている人も多くいます。
妊婦検診の際にヴィーガン食を楽しんでいるという話をした際に、怪訝な顔をされてしまったという方も少なくありません。
残念ですが、現時点ではまだ医師に対するヴィーガン・ベジタリアン食の研修などは限られていて、場合によっては「ヴィーガン食ではバランスが良くない」なんて偏った考えのままの人も…。
ヴィーガンはライフスタイル、という考え方に柔軟でない医師にあたってしまった場合には、自身の食生活がどれだけバランスよく、カロリーやたんぱく質などを摂れているのかを説明する必要があるかもしれません。
ヴィーガン先進国とは言えない日本において、プラントベースを推進している栄養管理士さんなどを見つけるのは難しいものです。
うまく見つかって色々と個別に相談できたら幸いですが、難しくてもオンラインでいろいろと情報は集められるので焦らないようにしましょう。
血液検査や尿検査で不足要素を確認しましょう
どのような食生活をしていようと、妊婦検診の際に行う血液検査や尿検査から、体の具合はチェックができるので問題ありません。
そもそもヴィーガン・ベジタリアン食でなくても、妊婦中にはビタミンDやヘモグロビンの数値が落ちてしまいがちです。
ヴィーガンなんて考えもせず、肉をたくさん食べている妊婦さんでも、鉄分不足で鉄材を処方されるというのはよくあることです。
もしも自分の食生活がバランスが取れているのか、赤ちゃんにとって必要な栄養素を取り切れているかなどが気になる場合には、血液検査や尿検査の際にしっかりと確認してもらいましょう。
また足りない分は、サプリなどで補えば大丈夫なので、ヴィーガン・ベジタリアン食だからと心配しすぎる必要はありません。
妊娠中はどれだけのたんぱく質が必要なのか?
プラントベースな食生活をしていると、やっぱり気になるのが「妊娠中に必要なたんぱく質がとれるのか?」という点。
なぜならたんぱく質は、まさに赤ちゃんの骨や内臓、筋肉などを作る重要な栄養素だからです。
妊婦さんになると、従来の人と比べると必要となるたんぱく質の量がグッとあがります。
でも、これも騒がれているほど心配しなくて大丈夫。
というのも、プラントベースな食生活を取り入れている人は、すでに豆などでたんぱく質を多めに取らなくちゃと意識をしているからです。
あまり食生活にこだわりなく肉食を続けている人よりも、豆腐やレンズ豆、ひよこ豆などの摂取量が維持できているケースがほとんどです。
分かりやすい例をあげると、毎食1カップ分の豆を摂ると覚えておきましょう。例えば、小豆や大豆、グリーンピース、レンズ豆などのバリエーションを、毎食何かしら取り入れるイメージです。
それに合わせて、ナッツやシードなどの体に良いたんぱく質を意識してプラスすれば、必要とされるたんぱく質の量を摂れてしまいます。
こちらの記事では「ヴィーガン生活に欠かせないたんぱく質15選」をご紹介しているので、合わせてご覧ください!
妊娠中に積極的に食べたいプラントベースな食材
たんぱく質のために豆を食べるのは分かったけれど、ほかにはどのようなものを取り入れたらいいの?と思う方に向けて、いくつかのアイディアをご紹介します。
プラントベース食の基本は、何事もバランス良く取り入れること。バリエーションを楽しみながら、妊娠中の食事を豊かにしていきましょう。
・ヘンプシード
・フラックスシード
・パンプキンシード
・ピーナッツバター
・マカダミアバター
・アーモンドバター
・豆腐
・豆乳ヨーグルト
・アーモンドミルク
・ソイミルク
・ひよこ豆のフムス
・オートミール
・キヌア
・全粒粉のパンやマフィン
何かと「制限」の方に目が行きがちなプラントベースな食生活ですが、蓋を開けてみると決してそんなことはありません。
手軽に買えるようになってきた「畑のお肉」なども取り入れながら、プラントベースな食生活を楽しんでいきましょう。
ちなみに妊娠中はカルシウムの摂取量も気になるところ。ヴィーガンアイテムでカルシウムが多く含まれている食材については、こちらの記事でご紹介しています。
授乳中のヴィーガン・ベジタリアンはどうなの?
授乳中はとにかくおなかがすくことで有名ですが、常に母乳を作り続けている状態で、ヴィーガン・ベジタリアン食を続けるのは良いのでしょうか。これもまた、心配はありません。
妊娠中に進められているようなたんぱく質の摂り方や、ナッツやシードを多く取り入れる食生活を続けていくのは、むしろ推奨されています。
ヘルシーな食生活を送ることで、サラサラな血液を生み出し、赤ちゃんへの母乳の質も上がります。
授乳中に忘れてはいけないのは、とにかく水分をしっかりととることです。
どうしても水を飲むのが進まないという場合には、ハーブティーにしてみたり、ソイミルクやアーモンドミルクなども取り入れてみると、一日の水分摂取量をあげることができますよ。
また授乳中は、マルチビタミンや葉酸などのサプリを取り続けることが推奨されています。
これはヴィーガン・ベジタリアン食でない方も同様で、赤ちゃんに必要な栄養素を母乳経由で届けるためです。
どのサプリが必要かは、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。
まとめ:ヴィーガン・ベジタリアン食を妊婦生活も続けよう
「妊娠中にヴィーガン・ベジタリアン食を続けるのは良いのかな?」と心配になる人は多いものです。
少し前までは「栄養が足りるのか心配」なんて言われていましたが、世界を見回すと、今はたくさんのヴィーガン・ベジタリアンママがいます。
しっかりと栄養バランスを意識して、必要なサプリも取っていれば問題ありません。
まだプラントベースが浸透しきっていない日本においては、理解してくれる医師に出会えるかは怪しいところですが、インターネットで調べるといろいろな情報が出てきます。
妊娠をキッカケに、より健康的なライフスタイルを、そしてより良い地球のためにとヴィーガンに切り替える人もいるほどです。
豆やナッツ、シードなど、健康的な食材をうまく取り入れながら、妊婦生活をヘルシーに過ごせたらいいですね。