CO2からできたウォッカとは?お酒にまつわる驚きのサステナブル技術をご紹介
酒造の分野にエコな製品が登場しています。 CO2を吸収する「ウォッカ」が注目を集めているのです。
中でも温室効果ガスである二酸化炭素の排出を抑えることは、一番の課題と言えるでしょう。
あらゆる企業がサステナブルな社会を作るための取り組みを始める中で、酒造の分野にエコな製品が登場しています。
通常製造プロセスでCO2が発生するお酒ですが、逆にCO2をを吸収する「ウォッカ」が注目を集めているのです。
CO2からできるエアーウォッカとは?
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エアーウォッカは、アメリカのスタートアップである「AirCo.」 が製造している「CO2と水のみで製造されるウォッカ」です。
前述の通り、これまでお酒を造る過程にはその化学反応によりCO2の発生が避けられないことでした。
原料の糖を微生物が分解・代謝する際の化学反応として、アルコールとCO2が発生するためです。
そのため、これまでのウォッカは、製造時に約5.9㎏のCO2を排出していました。
農林水産省の外局である「林野庁」によると、スギの木1本あたりの年間二酸化炭素吸収量は14kgですので、ウォッカ3本程度でスギの木一本を満たしてしまうことになります。
一方でエアーウォッカは水と二酸化炭素を原料に作られるため、むしろ空気中から二酸化炭素を減らします。
同社のエアーウォッカ1本に対して450gの二酸化炭素が含まれているので、その同量が空気から吸収されるということになります。
仮に1本のウォッカがエアーウォッカに置き換わるとするのであれば、合計6kg強の二酸化炭素が削減される計算に。
世界のウォッカが一部でもエアーウォッカに置き換われば、相当な効果を生むことでしょう。
カーボンネガティブなお酒
エアーウォッカは、カーボンネガティブなお酒です。
カーボンネガティブとは、二酸化炭素の排出よりも、二酸化炭素の吸収量が多い状態のことを指します。
二酸化炭素の排出と吸収量をプラスマイナスゼロを目指す「カーボンニュートラル」から一歩進んだ概念です。
二酸化炭素をマイナスにすることで、地球温暖化を防ぐ以上に逆転させる可能性もあり、自然や気候の回復も見込まれています。
カーボンネガティブな企業が増えれば、他の業種でプラスになってしまう二酸化炭素を埋め合わせることも可能です。
もちろん、エアーウォッカのみで国や地球全体のカーボンネガティブは難しいですが、後続の企業の指針になっていくことは間違いないでしょう。