ブラッド・ダイヤモンドとは?私たちの生活に深く関わる「紛争鉱物問題」を徹底解説
鉱物採掘の強制労働、性被害、内戦などを引き起こす、紛争鉱物問題は遠い国の問題ではなく、私たちの生活にも深く関わりを持っています。止まるところを知らない、鉱物紛争について解説します。
鉱物紛争に対する取り組み
紛争鉱物問題に対処しようと、世界では紛争鉱物に対する規制を進めています。
まず最初にこの問題に取り組んだのはアメリカです。
2010年、アメリカ議会は一般にドッド フランク法第1502条として知られる紛争鉱物を法律を可決。
この条項により、米国の上場企業に、3TGの供給元等の情報を開示することを義務付けることを明確にしました。
企業は、資源を提供するサプライチェーンを含め、武装グループや人権侵害に資金を提供していないことを、米国証券取引委員会(SEC)に報告する必要があります。
しかし、企業は、これらの鉱物紛争地域からの調達を、やめるよう奨励されているわけではありません。
EUは、アメリカよりも10年ほど遅れて、紛争鉱物規制を始めました。
3TGをEUに輸入したり、使用する企業に、鉱物紛争地域から調達しているか否かの、適当な調査の実施を求めています。
残念ながら、日本ではまだ紛争鉱物に対する規制はありません。
しかし、アメリカとEUが規制しているため、3TGを利用し取引のある日本企業は、自ら紛争鉱物規制をする必要があります。
私たちにできることはあるのか
今、私たちが使用している携帯電話やコンピュータ機器。もちろんこれらにも3TGは使用されています。
広い意味で捉えると、これらの機器を使用している私たちも、結果的に、鉱物紛争に加担していると言えます。
しかし、スマホやパソコンのない生活は考えられなくなった今、私たちにできることはあるのでしょうか。
私たちにできることは、スマホやパソコン、家電製品を買い換えるときに再利用、リサイクル、そしてリサイクル資源を使用している機種に、買い換えることです。
不必要であったり、古くなったスマホやパソコン、家電製品には、3TGが含まれています。
これらは都市鉱山と呼ばれており、鉱物資源を再生し再活用することで、環境負荷を低減しています。
他にも、循環型経済を取り組んでいる、エシカルスマホやエシカルぱパソコンを選ぶことも選択肢として考慮する。
エシカルスマホやエシカルパソコンは、鉱物紛争に加担しないだけではなく、環境負荷を低減し、人そして地球に優しく作られています。
まとめ
永遠の愛を象徴し結婚指輪として人気のダイヤモンド、そして日常で使用しているスマホ、パソコン、家電製品に必要な、4つの鉱物3TG、金、錫、タルタンそしてタングステン。
これらの鉱物はアフリカ諸国で採掘され、とても高い価値があり、外貨獲得のためには必要な鉱物資源です。
しかし、残念なことにこれらの鉱物資源は、人権侵害し、環境破壊そして、内戦を続ける武装集団のための資金源となっています。
今回の記事が、鉱物紛争について自分にできることは何かと考えるきっかけとなれば幸いです。
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