カインズ初の生体展示販売をしない新店舗がオープン、Do One Good監修の「未来のペットショップ」とは
カインズの新店舗では、ペットの販売を行わない代わりにカインズ初となるペット専用コーナを設置。ペットとのコミュニケーションを取り方を学んだり、譲渡会を開催するためのコミュニケーションルームが開設されるなど、新たなホームセンターの姿を実現した「未来のペットショップ」を、国内外の動物愛護法に触れながらご紹介します。
この新しい店舗は、従来のカインズのイメージとは異なり、コンパクトな敷地でデジタルと融合した新しいサービスなどを通し、社会の変化や顧客の新しいニーズに対応しています。
そして、最大の変化はペットコーナーにあります。
ホームセンターといえば、家具や工具だけでなく、メダカや金魚などの熱帯魚、ハムスターやインコ、そしてイヌ、ネコなどの小動物の販売なども行なっている店舗が一般的です。
カインズでも、ペットコーナーで動物の生体販売が行われています。
しかし、カインズ西友福生店では、このペットの販売コーナーをなくし、その代わりにカインズ初となるペット専用のフォトスタジオを完備させました。
また、ペットとのコミュニケーションを取り方を学んだり、譲渡会を開催するためのコミュニケーションルームが開設されるなど、新たなホームセンターの姿を実現した、カインズ初となる「未来のペットショップ」をご紹介します。
目次
カインズ初、未来のペットショップ
生体販売をしないカインズ西友福生店のペットコーナーでは、ペット専用コーナーとして「エステカーサ」がオープン。
エステカーサ西友福生店では、フォトスタジオ、トリミングサロン、コミュニケーションルームと3つの施設でそれぞれサービスが提供されていますので、それぞれご紹介します。
ペット専門コーナー「エステカーサ」公式HPはこちら
ペット専用のフォトスタジオ
カインズでは初となるペットと『ペットを愛するすべての人』のためのファミリーフォトスタジオを完備。
撮影料1500円〜と気軽に通えるリーズナブルな価格で、ペットとの思い出や、記念日の写真を残すことができます。
ペットに合わせたケアを提供するトリミングサロン
刺激の少ないシャンプーや被毛のダメージを改善するトリートメントなど、愛犬・愛猫の皮膚・被毛の状態に合わせたケアを提供します。
また、自宅ではケアし切れない部分までお手入れしてくれるため、ペットの健康のためにも定期的に通いたくなりますね。
コミュニケーションルーム
そして、犬・猫の譲渡会やしつけ教室などが開催できる、ペットとのコミュニケーションルームも併せて開設されました。
人と同じように、ペットにも個性や感情があるので、ペットとのコミュニケーションは非常に重要です。
コミュニケーションルームでは、ほとんど毎日イベントが行われており、フォトコンテストやワンちゃんのお手入れ体験に参加することができます。
また、フードに関するセミナーやしつけ教室の開催が行われたり、小型犬用の室内ドックランとして開放されたりすることも。
愛するペットとの幸せなくらしづくりを総合的に提案してくれるコミュニケーションスペースとしてだけでなく、飼い主同士、ペット同士の出会いやコミュニケーションに繋がる場にもなるでしょう。
エステカーサ西友福生店 コミュニケーションルームイベントカレンダーはこちら
常時開催、パネル譲渡会「ADOPTION PARK」
ペットを迎えたい方と、新しい家族を探している保護犬・保護猫の出会いを、パネルを通して繋ぐ「ADOPTION PARK」。
ペットコーナーがなくなったからといって、ペットを迎える機会がなくなったわけではありません。
捨てられて傷ついていたり、様々な事情で家族を失ったりした犬や猫を「保護」するという選択肢が、ペットを迎えたい方への新たな選択肢として提案されています。
一般社団法人 Do One Good
ADOPTION PARKを手掛けたのは、一般社団法人Do One Goodです。
この団体では、「未来のペットショップ」という新しいペットショップの概念を創造し、これからを担う子供たちへと繋いでいくことで、人とペットが健康で、笑顔があふれる社会の実現を目指しています。
カインズ西友福生店では、近隣の保護団体で保護されている犬猫の情報を中心に掲示し、もし気になるワンちゃんやネコちゃんがいれば、パネルのQRコードを読み込み、譲渡団体へ連絡し、面会することができます。
保護犬や保護猫を飼うことが初めてだったり、少しでも不安がある方は、譲渡団体に連絡してまずは気軽に相談してみても良いかもしれません。
同会場にて、実際に保護犬保護猫がいる譲渡会も、月に一度のペースで開催予定が組まれています。
現在のスケジュールはこちら:カインズ西友福生店 パネル×リアル譲渡会
ペットの展示生体販売を行っている店舗でも、定期的に譲渡会を行っている店舗があるので、お近くのカインズの譲渡会情報もぜひチェックしてみてください。
「保護」という、新たな選択肢
生体の展示販売がなくなり、パネル譲渡会の選択肢に絞られたことで、「購入」ではなく「保護」という選択肢がこれからのスタンダードとして提示されることの意味は非常に大きいです。
今まではペットショップがあるから、「保護」という選択肢が思い浮かばなかった方も多いのではないでしょうか。
けれど、「保護」という選択肢だけに絞られたら、より保護犬や保護猫の問題に関心が集まるきっかけになり得るでしょう。
生体販売に向けられる厳しい目
近年、ペットショップでの生体販売に関して、厳しい目が向けられるようになっています。
生体販売の利益はコストを踏まえても単価が高く儲かるため、需要を考えずに子犬・子猫を仕入れる業者もあります。
また、ブリーダーが繁殖犬を適切に管理・飼育せず、体がボロボロになって産めなくなるまで産ませたり、劣悪な飼育環境で心身共に病に侵され、最悪の場合命を落としてしまいます。
また、ペットショップやホームセンターで手軽に入手できるようになった結果、迎えたペットに問題行動が多いと飼育放棄されるケースなど、さまざまな問題が散見されるようになっています。
フランスの動物愛護新法
フランスでは、2024年から犬猫の店頭販売の禁止を決定するなど、欧米では生体の販売にさまざまな規制がかけられるようになっています。
2021年11月18日、フランスの上院では、賛成332票、反対1票、棄権10票のほぼ満場一致で、動物愛護新法が可決されました。
新たにペットを飼う人の責任理解を徹底する証明書の義務化や、遺棄や残虐行為の厳罰化など、犬・猫の生体販売の禁止に留まらず多くの内容が含まれています。
フランスにおける動物愛護新法は、段階的な動物の権利(アニマル・ライツ)の保護の実現を目指した、世界においても先駆的な法律として評価され、施行に向けて注目されています。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
参考:【フランス】動物虐待・遺棄を厳罰化、先駆的な動物愛護新法の詳細を解説
また、アメリカでも州ごとにペットショップでの生体販売が禁止される法律が制定されるなど、法的な動物の権利の保護が着実に進められています。
【アメリカ】ニューヨーク州でペットショップでの犬、猫、ウサギの販売が禁止する法律が制定
日本の動物愛護法
国内では、2019年に公布された改正動物愛護管理法により、2021年6月からは生後56日を経過しない犬及び猫の販売、販売の ための引渡し・展示が禁止されています。
参考:環境省自然環境局総務課 動物愛護管理室「改正動物愛護管理法の概要」
ペットの販売、購入、飼育はペット業界だけでなく、消費者にも投げかけられている問題です。
SDGsを皮切りにエシカル消費に注目集まる今、よりエシカルな消費のためにも、ペット生体の販売に関して企業や小売業者も取り組むことが求められいます。
既に生体展示販売の中止を発表した「ミスターマックス」
全国15都県に57店舗展開するショッピングセンター、ミスターマックスでは、2022年に同社が運営するペットショップでの生体の展示販売を、2025年12月を目処に中止すると発表しました。
これは2021年12月に策定した、サステナビリティ基本方針に伴う決定です。
同社はサステナビリティ基本方針の中で、「商品提供を通じたエシカル消費の推進」、「社会課題解決への参画機会創出」を目標に掲げています。
社会的な認知度が高まるSDGsやサステナブルというワードですが、これからは「エシカル消費」も新たなキーワードとして、企業の方針において注目されていくでしょう。
早急な改善が必要とされる、日本の動物愛護法
国内では、生後56日以下の子犬や子猫の販売を原則禁止する動物愛護法が21年6月に施行されていますが、取り組みは欧米の水準にまで至っていないと言われています。
ペットの販売、購入、飼育はペット業界だけでなく消費者にも投げかけられている問題ですが、今後はよりエシカルな消費のためにも、ペット生体の販売に関して小売業も含めて取り組んでいくことが求められています。
参考:サステナブルな世界のために重要な、エシカル消費とは?人生を変える考え方
まとめ
ホームセンターのCAINZ(カインズ)が東京都福生市にオープンした新店舗「カインズ西友福生店」のペットの展示と生体販売を行わない、未来のペットショップをご紹介しました。
世界中で生体販売に対する厳しい目が向けられ、アニマルライツを重視した法律が制定される中、取り組みに遅れが見られる日本。
ですが、この新しい形態のペットショップは「保護」の選択肢を提案し、企業の立場からペットの権利と幸せな暮らしを重視する動きに寄与しています。
他の店舗でも同様に、「購入」ではなく譲渡による「保護」の選択肢を、ぜひ新しいスタンダードとして提案してくれること、そして他の企業の追随にも期待が高まります。