アメリカで大人気のあのソースも品薄続き?気候変動が原因でなくなるかもしれない食品6選
気候変動の影響による異常気象が農業に影響を与えることにより、私たちが日常的に消費する数多くの食べ物が手に入らなくなるかもしれません。
気候変動によって引き起こされた気温の上昇は、コーヒー、チョコレート、バナナ、アボカド、ワインなど、私たちが普段口にする需要の高い食品の、農業と供給に影響を与えています。
気候変動がこのまま続けば、近い将来絶滅の危機に瀕してしまう食品を紹介します。
気候変動は、季節の乱れ、天候の変化、海面上昇、動植物の絶滅など、さまざまな形で地球に影響を与えています。
気候変動の増大する影響は、私たちが日常的に消費する、数多くの食品の農業に影響を与え、衰退させていることは驚くにはあたりません。
そのため、私たちの最も貴重な食物のいくつかは、環境への怠慢のためにゆっくりと絶滅しつつあります。
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気候変動による地球的規模での砂漠化が、深刻化していると報告しています。
この報告書は、これらの天然資源が前例のない速度で、乱用されていることを示しています。
気候変動が原因でなくなるかもしれない食品6選
気候変動が制御されない場合、絶滅する可能性が最も高いと言われている食品を紹介します。
コーヒー
コーヒーは、世界で最も消費量の多い飲料の1つ。
アメリカでは、コロナウイルスのパンデミックにより、コーヒーの消費量も増加しており、現在、家庭で消費される飲み物の第1位です。
イェール大学が発表した記事によると、おいしいコーヒー豆で知られるコロンビアの山岳地帯では、10年ごとに摂氏0.3の気温が上昇しています。
科学者チームが実施した調査によると、この地域の1日あたりの日照時間は、過去数十年で19%減少していることが分かりました。 日光の減少は、コーヒーの木の成長に影響を与えます。
このまま気温が上昇し続けると、コロンビアだけではなく、現在最も人気のコーヒー豆であるアラビカ種が栽培されている、ブラジルと中央アメリカの土地の80%が、2050年までに適さなくなるといわれています。
しかも、この期間中に、世界中のコーヒー豆生産地域で、生産量が50%の減少が予想されているのです。
ワイン
最高のワインは、荒れた土壌、限られた水の供給、および摂氏25度から32度の範囲の、暖かい温度で育つブドウの木から生まれると言われています。
USA Todayの記事によると、大気中の温度が2100年までに摂氏2度上昇すると、一部の有名ワイン生産地域では、生産量が56%減少すると報告。
摂氏2度の上昇は壊滅的な結果をもたらしますが、国連は今世紀末までに摂氏2.5度の上昇を予測しています。
ブドウは暑さだけで絶滅することはありませんが、気温や季節の変化に敏感であるため、ワインの味が変化する可能性があるのです。
ブドウは気温が高いほど効率的に熟し、糖度が増し、酸味が弱まる性質があります。
気候の変化により、ブドウ種の品質にも影響を与えルためだけではなく、農家は最高の品質の味を得る適切な時期に、ブドウを収穫することが難しくなるため、ワインの生産量が減少すると予測されています。
チョコレート
世界中の人々に愛されているチョコレートも、気候変動の影響を直接受けています。
アメリカ海洋大気庁 (NOAA)の報告よると、科学者たちは2050年までにカカオの木が絶滅する可能性があると考えています。
コーヒーとは異なり、気温の上昇だけでこの食品が絶滅危惧種リストに載るわけではありません。
カカオの木は高温多湿の環境で育ち、赤道から南北に約20度の土地でしか栽培できません。
しかし、問題は、気温が上昇しているのに、これらの地域の降水量が増加していないことです。
そのため、熱が植物や地面から水分を奪い、これらの地域の湿度を低下させています。
ガーナとコートジボワールは、全世界生産量の70% 以上を占める世界最大のチョコレートサプライヤーであるため、2030年までにカカオの生産量が大幅に減少すると考えられています。
すでに、サプライヤーが平均で25%も価格を上げているため、チョコレートの大幅な不足は始まっています。
バナナ
もう1つの美味しくて人気のある果物であるバナナは、世界中の120の熱帯の国で栽培されています。
気候危機が地球全体の気温を上昇させているため、エクアドルやホンジュラスなどの国では作物生産が増加しています。
しかし、インド、コートジボワール、ブラジルなどのバナナ農業の主要国では、すでに収穫量が減少しています。
理由は気候変動により、バナナの木を枯れさせてしまう、パナマ病やシガトカなどの作物病害のリスクを加速させているためです。
この病気がバナナの全人口を一掃することはないかもしれませんが、それと戦っている国に大きな影響を与え、バナナの世界的な供給に影響を与えます。
アボカド
ヴィーガンである私たちにとって、アボカドトーストの無い世界は想像できません。
実際に、過去10年間で、需要は増加していますが、気候変動によりアボカドの生産は達成が難しくなっています。
カリフォルニア大学による2017年の研究では、アボカドの個体数は、気候変動により2050年までに半分に減少すると予測されています。
アボカドの需要の増加は、果物ごとに約270リットルの水を必要とします。
アメリカのアボカド供給は、80%がメキシコ、10%がドミニカ共和国、チリ、ペルーなどの他の中南米諸国、10%がカリフォルニアで栽培されたものです。
メキシコのアボカド農家は、極端な気温上昇と干ばつが土壌に影響を与えているため、生産量が大幅に減少しています。
すでに、天候の変化により、アボカドの収穫量は他の果物に比べて急速に減少しています。
スリラチャソース
毎年2,000万本のシラチャを生産する、カリフォルニア州の会社であるHuy Fong Foods(フイフォンフーズ)は、赤ハラペーニョ唐辛子の供給が、気候の変化と異常気象の影響を受けたと発表しました。
原因はメキシコの悪天候と干ばつです。
フイフォンフーズが、2016年から赤ハラペーニョ唐辛子を調達しているメキシコ北部は、極度の暑さと干ばつに見舞われました。
昨年は、気温が定期的に摂氏40度に達するという特に極端な年。しかも2015年以降、過去の平均を下回る降雨量が続いています。
世界はシラチャ不足に直面しています。
まとめ
気候変動の現状は、私たちの食糧供給と生産に大きな影響を与えています。
上記の食品は、絶滅しつつある多くの食品のほんの一部であり、他にも、魚介類、はちみつ、ピーナッツ、メープルシロップ、小麦、米、大豆なども含まれます。
専門家は、気候変動に関連したメガ干ばつ状態が世界中で蔓延するにつれて、作物の不作がこれまで以上に一般的になるだろうと長い間警告しています。
二酸化炭素排出量を制限し、気候変動を緩和するための倫理的な決定を下さなければ、食糧供給と私たちの健康が損なわれてしまうでしょう。
参考記事
Chilli peppers, coffee, wine: how the climate crisis is causing food shortages
The Sriracha Shortage Is a Warning About the Climate Crisis
5 Of Our Favourite Foods That May Disappear Due To Climate Change
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