ドイツ料理と言えば、ソーセージやポークなど、肉食のイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし、英国のニュースサイト「The Guardian」の記事によると、欧州の研究チームが行った質問調査において、ドイツ人調査対象者の42%が、何らかの形で肉の消費を意図的に減らしている事が明らかになりました。
そこで今回は、意外にもお肉を食べない人が増えているドイツに関して、その理由、そして、ヴィーガン商品やヴィーガンマーケットなどもご紹介します。
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ドイツ人の42%がもう肉を食べない!?その理由は?
冒頭でもお伝えした通り、ドイツ=「肉食文化の国」のイメージは強いと思われますが、そのドイツで何故お肉を食べない人やヴィーガンが増えているのか、その理由をみてみましょう。
ヴィーガンの増加に関しては、以下のような記事がありますので、ご紹介します。
「ドイツのヴィーガンスーパーマーケット「Veganz」が約2,600人の参加者を調査した結果、ドイツのヴィーガンの数は、わずか4年で2倍になりました。
調査結果によると、現在の人口8,310万人(2020年6月現在)を推定すると、260万人(人口の約3.2%)がヴィーガンであり、約360万人(4.4%)が菜食主義者です。
これは、2016年のSkopos調査を比較すると、わずか4年でヴィーガンの数が130万人(2016年)から260万人に倍増したことを意味します。」
(出典:plantbasednews「Number Of Vegans In Germany Doubles In 4 Years, Says Study」)
このように、ドイツで確実にヴィーガンが増えていることも分かりますね。
ドイツでヴィーガン、または、お肉を食べない人が増えている主な理由として、以下が考えられます。
- 動物福祉と環境問題への懸念からの論理的・道徳的配慮。
- 動物性食品を摂らないことは、肥満などの生活習慣病の予防につながるなど、健康のため。
- 肉などの代替品の品質が向上し、安く美味しい商品が増えている。
- オーガニック先進国でもあり、既に食に対する意識の高さがある。
- 宗教上肉類を禁止されている移民が増加しており、お互いの宗教や思想・信条の違いを認め合うことの必要性。
- フレキシタリアン(準菜食主義者)として、「動物性食品の摂取を減らすこと」が一般常識として浸透している。
実際、フレキシタリアン(準菜食主義者)のアプローチは、環境保護論者の間でかなりの支持を得ています。
英国気候市民会議による最近の報告では、肉と乳製品の消費を完全に排除するのではなく、20~40%削減するために食事を変えることが提唱されています。
(出典:The Guardian「The wurst is over: why Germany now loves to go vegetarian 」)
「フレキシタリアン」とは、柔軟を意味する「フレキシブル」(flexible)と「ベジタリアン」(vegetarian)を組み合わせた造語です。
また、「準菜食主義者」・「セミ・ベジタリアン」と呼ばれることもあります。
ヴィーガンとは、肉や魚、乳製品や卵などの動物性の食材を一切口にしない食生活のことです。
しかし、この「フレキシタリアン」は、野菜や穀物など植物性由来の食材を摂取することをベースとし、時々は動物性由来の食事もするという柔軟な食生活のこと指します。
詳しくは、「フレキシタリアン」に関する記事も参考にしてください。
【ヴィーガン】ローラが実践する肉と菜食を組み合わせた食生活とは【フレキシタリアン】
以上のように、ヴィーガン・お肉を食べない人が増えている理由をいくつか挙げましたが、ドイツは元々肉食文化の国であり、お肉なしの食事を摂るのは難しい気もします。
しかし、近年のお肉を食べない人々の増加に伴い、ドイツではヴィーガン・ベジタリアン食品が大変多く販売されているようです。
余談ですが、ドイツの一般的なレストランやカフェに入っても、ヴィーガン・ベジタリアンのメニューが用意されているお店も多いようです。
それでは、どのような商品が販売されているのか、ドイツでのヴィーガン・ベジタリアン食品について、次にご紹介します。
ドイツのヴィーガン食品7選!
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まず、ドイツのヴィーガン製品などの情報を、以下にご紹介します。
「ドイツの食文化はますますヴィーガンになりつつあります。
2017年~2018年にかけて、世界の新しいヴィーガン食品と飲料製品発売の15%がドイツで生まれました。
連邦食糧農業省の調査によると、人口の約35%が菜食主義者または完全菜食主義者の製品の入手可能性を「非常に重要」であると考えており、ドイツ人の63%が肉の消費量を削減しようとしています。」
(出典:USDA「Germany: Germany is Leading a Vegalution – Vegan Revolution – in Europe」)
このように、ヴィーガン食品と飲料製品発売にも積極的なドイツのヴィーガン商品をご紹介します。
1. Sonnenblumen Hack ヒマワリの種ひき肉(アルゴイ)
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ヴィーガンの食事において、「肉の代替品」といえば、大豆製品が主流ですが、だが、こちらの商品は100%ヒマワリの種で出来ています。
食欲を助長する香ばしさ、また、水に濡らすだけで簡単に使える手軽さが特徴です。
公式サイト:SunflowerFamily GmbH
2. KOFU ひよこ豆の豆腐(ベルリン)
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使用されている素材は、ひよこ豆・水・塩・スパイスのみ、素材を重視し、安心して頂けるお豆腐です。
シンプルだからこそ、色々なお料理に活かすことが出来、ヴィーガンの常備食品として人気もあるようです。
公式サイト:Zeevi Kichererbsen GmbH
3. Happy Cheeze カシューナッツのチーズ(クックスハーフェン)
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欧州で初めて生産された、カシューナッツを使用したヴィーガン用チーズです。また、ヴィーガン用乳製品の加工もしています。
材料となるカシューナッツはオーガニックであり、防腐剤や化学添加物も不使用の商品です。
公式サイト:Happy Cheeze GmbH
4.NEXT LEVEL MEAT ヴィーガンミート
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こちらの商品は、Lidlという欧州を中心に展開しているスーパーが販売している、ヴィーガンミートブランドです。
このLidlというスーパーは、一般庶民向けの低価格スーパーである事からも、ドイツでいかにヴィーガン食品の需要が増えているのかが分かりますね!
公式サイト:Lidl
5. Pläin 植物性ミルク(フライジング)
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こちらの商品は、牛乳の風味、そして舌ざわりなど、牛乳に近く作られている特徴があります。
牛乳に近い味わいを求めつつ、健康や環境・動物への配慮にも関心のある方におすすめです。
公式サイト:pläin GmbH
6. Nu+Cao チョコレートバー(ドレスデン)
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こちらの商品は、栄養価の高さに加え、環境負荷の少ない特徴があります。
砂糖はココナッツの花蜜で代用し、砂糖の使用料を65%減らしているのも大きな魅力です。
また、包装にはプラスチックは使用せず、1商品につき数セントを、NGO団体「エデン・森林再生プロジェクト」に寄付してもいるようです。
公式サイト:the nu company GmbH
7. Bio-Fruchtgummi フルーツグミ(ハンブルク)
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こちらの商品は、100%オーガニック素材を使用し、ゼラチンや甘味料、グルテン、砂糖など一切不使用です。
ナチュラルな甘み、そして、フルーティーな味わいが楽しめ、お子さんにも安心です。
また、商品の売り上げの一部は、障害障のお子さんのいる家庭を支援する団体に寄付しています。
公式サイト:Foodloose GmbH
ヒマワリの種やひよこ豆、カシュナッツなど、目新しい素材を使用したヴィーガン食品の開発に、今後もいろいろな植物性の素材から、魅力ある商品が生み出される可能性を感じます。
ドイツは、健康志向や環境問題に関心の高い人が多く、オーガニックの商品を扱うスーパーやマーケットも多いようです。
そこで、ドイツのヴィーガン事情を知るうえで気になる、スーパーマーケットを次にご紹介します。
ドイツのスーパーマーケット事情
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ベルリンには、ヴィーガンスーパーマーケット「Veganz」があります。
2,500以上の植物ベースの食品だけでなく、70以上の肉やソーセージの代替品、80の植物ベースのチーズの代替品、サーモンのヴィーガン代替品など、かなりの数のパッケージ化されていない革新的な製品を購入することが可能です。
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また、ドイツには、ビオ(Bio)スーパーマーケットという、オーガニック専門のスーパーも多くあります。
「Bio」とはドイツ語の「Biologisch(ビオロギッシ)」の略であり、英語の「organic(オーガニック)」と同じで、「有機」という意味です。
ヴィーガン・ベジタリアン食品専門店ではありませんが、地産地消費を重視し、生鮮食品は近郊の農家で採れたものを中心に販売しているようです。
野菜や果物、穀物、魚介類、乳製品、調味料、そして、コスメや日用品なども売られています。
また、最近では環境問題を意識し、パッケージを減らすため、量り売りされた、ナッツやドライフルーツ、雑穀類、シリアル、お菓子などを扱う店舗も増えているようです。
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このビオスーパーマーケットは、ドイツに多く展開しており、以下のチェーンが有名です。
- Bio Company (ビオ・カンパニー)
- Alnatura (アルナチュラ / アルナトゥーラ)
- Basic (ベーシック)
- denn’s Biomarkt (デンズ・ビオマルクト)
Bioスーパーに限らず、一般的なスーパーやマーケット、ドラッグストアでもBio商品が多く揃っており、ドイツでいかにオーガニック商品の需要があるのかが分かります。
参考までに、Bio製品にはBio認証マークがついています。
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認証されるには、以下の様な厳しい基準が定められています。
- 農薬や化学肥料を使っていない
- 環境ホルモンや遺伝子組み換えも除いた有機製法で製造された製品
- 家畜の飼育が適切な環境で飼料も有機のものを使用している
このような基準をクリアした商品を購入できるのは、エシカル消費を実践することにもなります。
「エシカル消費」に関する詳しい記事も参考にしてください。
ドイツと言えば、クリスマスマーケットですね。
クリスマスも近いですし、ヴィーガンの多い国ならではの「ヴィーガンクリスマスマーケット」に関して、次にご紹介します。
ドイツのヴィーガンクリスマスマーケット
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クリスマスマーケットで有名なドイツですが、「ドイツ連邦共和国大使館・総領事館」のサイトによれば、「ドイツ観光局によると、大きな都市だけでも、2500ものクリスマス・マーケットが開催されています。」
とあり、その数の多さに驚かされます。
これほど多くのクリスマスマーケットが開催されるため、膨大なゴミの排出、そして電力消費など、環境問題を懸念する声も高まっているのも事実です。
こういった環境問題への意識の高まりから、サステナブルなクリスマスマーケットも登場し、その中で「ヴィーガンクリスマスマーケット」も開催されるようになりましました。
ドイツで最初のヴィーガンクリスマスマーケットが開催されたのは、2010年であり、その数は毎年増えているようです。
ここでは、ドイツの中でも特にヴィーガンやベジタリアンが多いベルリンの「ヴィーガンクリスマスマーケット」を2つご紹介します。
Veganer Weihnachtsmarkt at Fehrbelliner Platz
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ベルリンのFehrbelliner Platzで開催されるヴィーガンクリスマスマーケット(Veganer Weihnachtsmarkt)。
今年は残念ながら中止の様ですが、例年どのような感じなのかをご紹介します。
「2018年に立ち上げられたヴィーガンクリスマスマーケットは、ベルリンのクリスマスシーンの不可欠な存在となりました。
地域の手工芸品やヴィーガンの自然化粧品に加え、プラスチックを含まないクリスマスデコレーションを購入することもできます。
また、ワッフルやブラートヴルスト(焼きソーセージ)、ローストアーモンドなどの伝統的なクリスマスマーケットの味をヴィーガンスタイルで試すことができます。
さらに、ゼラチンなしで清澄化(せいちょうか)されたヴィーガングリューワイン(ホットワイン)もお楽しみ頂けます!
有機ハンバーガーやボリュームたっぷりのランゴシュ(揚げパン)など、動物性食品を一切使用していない料理も提供しています。
もちろん、廃棄物の回避のため、使い捨ての食器は使用されていません。」
(出典:visitBerlin「Vegan Christmas Market at Fehrbelliner Platz」)
ヴィーガンとして納得のいくクリスマスプレゼントが見つかりそうですし、伝統的なクリスマスの味覚も安心して楽しめる魅力あるマーケットのようです。
Green Market Berlin
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こちらも、ベルリンのヴィーガンマーケットである「グリーンマーケットベルリン」は、2020年の11月21日と22日、11月28日と29日の週末にグライスドライエック公園で開催が予定されています。
このイベントの主な内容は、以下の通りです。
- ヴィーガン屋台の食べ物
- ヘルシーなローフード
- DIYワークショップ
- クリスマスプレゼント
- 温かいフェスティバルドリンク
- ゼロウェイスト(「ゴミをゼロにする」ことを目標に、可能な限り廃棄物を減らそうとする活動)
- ヴィーガンファッションと美容
- ライブ音楽など
(出典:vegansandfriends「Green Market Berlin – Winter 2020」)
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こちらも、クリスマスのお買い物はもちろん、環境問題に関するイベントなどもあり、1日いるだけでかなり充実した時間を過ごせそうです。
また、ドイツの一般的なクリスマスマーケットでも、ヴィーガンやベジタリアン向けの商品を見つけることはそう難しくないようで、それだけ、需要があるという事が分かりますね。
国は変わりますが、フランスのクリスマスプレゼントをまとめた記事もあります。
ご興味がありましたら、ぜひご覧ください。
最後に、ドイツの「ヴィーガンフェスティバル」についてもご紹介します。
ドイツ・ベルリンのヴィーガンフェスタ
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ヴィーガンフェスティバルとして、欧州で最大規模を誇る「ヴィーガンサマーフェスティバル ベルリン」。
この最大規模という点からも、ドイツでいかにヴィーガンが増えているかが分かりますね。
公式サイトには、以下のようなメッセージがあります。
「私たちは、すべての人を歓迎し、すべての人の参加を奨励するグループです。
私たちは、開放性、寛容性、平和共存を支持し、文明社会の表現と必要性として、動物の権利、自然の保護、ヴィーガンの生き方を明確に主張しています。
主催者として、私たちは種差別だけでなく、すべての人種差別、性差別、反ユダヤ主義、同性愛嫌悪、その他のあらゆる形態の差別から明確に距離を置いています。
差別的な形で自分を表現する人は、フェスティバルに歓迎されず、私たちは彼らを追放することができます。」
このメッセージから、自分たちのヴィーガンとしての生き方を明確に主張しながらも、個人を尊重し、平和を共存して行く姿勢を強く感じます。
今年は残念ながら中止となったようですが、2019年のフェスティバルは、以下の内容だったようです。
- ステージでのファッションショー
- テントでのレクチャー・ワークショッププログラム
- トンボラ(くじ引き)
- タトゥーテント
- ヴィーガンへの質問テント
- B12スタンドなど
(出典:veganes sommerfest berlin)
もちろん、ヴィーガンストリートフードも多く並び、その他、ファッションや化粧品、健康グッズなども多数出店されます。
まとめ
これからは、ドイツ=「ヴィーガンの国」とイメージが変わるほど、ドイツのヴィーガンが増えていることがお分かり頂けたと思います。
ドイツのように、ヴィーガンという生き方を選択しても、その基盤が出来ている国であれば、変わることも容易ですし、興味がなかった人にも関心を持ってもらえる可能性も広がると感じます。
今後ますます、ドイツのヴィーガンは増えるのではないでしょうか。
日本でも今後より浸透していけば嬉しいですね!
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