【環境保全】ギネスビールが手掛ける土壌回復計画?詳細を徹底解説
世界的に有名なビールメーカーのギネスが、新しい農業の生産方法を通じて土壌回復に乗り出しました。ギネスが取り組むリジェネラティブ農業とはどのようなものなのか、世界と日本それぞれの動向と合わせて、詳しく解説します。
ビールの生産過程で発生する二酸化炭素削減のために、ギネスはリジェネラティブ農業への取り組みを発表しました。
脱炭素社会に向けて、土壌改善にも効果的な農業とはどのようなものなのか、詳しくみていきましょう。
ギネスビールの”土壌回復計画”とは
世界中で愛飲されているギネスの黒ビールは、大麦を主な原料としています。
実は、大麦を栽培するプロセスにおいて、二酸化炭素が排出されてしまうという問題がありました。
そこでギネスは、アイルランドの大麦農場と提携し、リジェネラティブ農業のプログラムを計画。
2022年の大麦の種まきシーズンに合わせ、3年かけて実施される予定です。
二酸化炭素を削減することで、農場の土壌回復や水質改善に繋がるといいます。
農場の環境が整えば、生物の多様性が保護されるだけでなく、経営農家の利益向上も期待できるでしょう。
リジェネラティブ農業のプログラムは、ギネスの親会社であるディアジオが行う環境保全活動の一環です。
ディアジオは、2030年までに自社事業での二酸化炭素排出量をゼロにする、という目標を掲げています。
この目標を達成するカギとして、ギネスの土壌回復計画は大きな役割を果たすといえるでしょう。
(参照:Guinness Is Brewing a Plan to Restore the Soil)
リジェネラティブ農業に世界が注目!
リジェネラティブ農業ってどんなもの?
リジェネラティブ農業は再生型農業とも呼ばれ、サステナブルな食糧生産方法として注目を集めています。
従来の農業とは異なり、畑を耕さずに作物を育てるところが大きな特徴。
耕作によって空気中の酸素と土壌の炭素が結びつき、二酸化炭素が排出されることを防ぎます。
また、合成肥料の使用量を減らすため、健やかな土壌づくりにも有効です。
リジェネラティブ農業を通して、地球温暖化や土壌汚染といった環境問題にアプローチできます。
生産者の立場では、リジェネラティブ農業によってコスト削減や収益アップが見込めるでしょう。
さらに、消費者にとってもより安全性の高い食品が手に入るのであれば、魅力的な農法といえます。
世界と日本におけるリジェネラティブ農業
ギネスのように、リジェネラティブ農業の取り組みを実践している海外企業として、パタゴニアやスターバックスが挙げられます。
2社のサステナブルな企業活動について詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひご覧ください。
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今や、世界各国で広がりを見せつつあるリジェネラティブ農業。
企業はリジェネラティブ農業の生産物を採用することで、SDGsに対する意識の高さを表明できます。
持続可能な社会への関心が高まる中、効果的な企業PRとなるでしょう。
このような海外の動向に対し、日本ではリジェネラティブ農業の知名度が低い、というのが現状です。
今後、日本企業がリジェネラティブ農業を導入するようになれば、持続可能な経済成長が促進されるかもしれません。
まとめ
ビールメーカーのギネスは、リジェネラティブ農業に取り組むことで土壌を回復させ、環境保全に貢献しています。
脱炭素社会とSDGsの目標達成に向けて、ひとつの指標となる計画だといえるでしょう。
ギネスの例にならい、日本でもリジェネラティブ農業による企業活動が浸透してほしいところです。
また、ギネスビールには動物由来の清澄剤「アイシングラス」が使用されていません。
ヴィーガンの方でも安心して、サステナブルなビールを楽しめますよ。
ヴィーガンとアルコール飲料の関係について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。