ヴィーガンミートの最先端科学、魔法の成分「ヘム」とは？
ヴィーガンの食事がもっとおいしく、楽しくなる！科学技術が生み出した他とは違う100%のヴィーガンミートをご紹介します。
気になる安全性は？
インポッシブル・フーズの公式顧問であり、カリフォルニア大学バークレー校の分子細胞生物学教授マイケル・アイゼン博士は、この遺伝子組み換えにより作られたヴィーガンミートは安全に食べることができると述べています。
また、米国栄養士協会では、2型糖尿病やがん、高血圧、心臓病などの病気を引き起こす可能性のある牛肉のバーガーよりもはるかに安全であると言います。
インポッシブル・バーガーに使われている遺伝子組み換えされた大豆レグヘモグロビンは、アメリカ食品医薬品局（FDA）が色素添加物として認可しています。
そのため、安全性が高いという見方が多いと言えるでしょう。
しかし一方で、アメリカの食品安全センター（CFS）はその判断に異議を唱えており、安全性については今後も議論されるかもしれません。
栄養成分は？
栄養面についてはどうでしょうか。まず、インポッシブル・バーガーの主な成分は次の通りです。
［水、大豆たんぱく質濃縮物、ココナッツオイル、ヒマワリ油、天然香料、2％以下：ジャガイモたんぱく質、メチルセルロース、酵母エキス、培養デキストロース、食品デンプン変性、大豆レグヘモグロビンほか］
大豆たんぱく質濃縮物をはじめ、ココナッツオイルやジャガイモたんぱく質など、原材料はすべてヴィーガンです。
大豆レグヘモグロビンは、鉄を含むヘムから分離された成分であるため、鉄分を栄養成分として摂ることができます。
インポッシブル・バーガーの1個あたりの鉄分は約4.2ミリグラム。これは日本人成人（20～49歳）が1日に摂取するのに推奨されている量のおよそ半分です。※
また、鉄には肉や魚に多く含まれる「ヘム鉄」と、豆乳やホウレン草、ひじきの「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が良いのが特徴です。
インポッシブル・バーガーは吸収の良いヘム鉄なので、ヴィーガンの方にとって心強い栄養源になるでしょう。
さらに、コレステロールやホルモンは含まれていません。たんぱく質は19グラム、ビタミンB12は3マイクログラム、カリウムは610マイクログラムなどの栄養もあります。
※厚生労働省「e-ヘルスネット」
進化するヴィーガンミート
植物に存在するヘムは鉄含む分子で、プラントベースの肉に加えることにより、動物性の肉独特の風味を生み出す成分です。
インポッシブル・バーガーには、遺伝子組み換えされた酵母や、発酵の最先端の科学を使って大豆からつくり出されたヘムが使われています。
現在、ヘムを使ったインポッシブル・バーガーは、アメリカやカナダなどのレストランや食料品店で購入できます。日本ではまだ発売されていません。
ヴィーガンの方がおいしく食べられて、安全で栄養のあるヴィーガンミートの開発競争は、今後も熱く繰り広げられるのではないでしょうか。
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