廃水を菌糸体タンパク質にアップサイクル、Hyfé Foodsのビジネスモデルをご紹介
200万ドルもの投資を勝ち取った、フードテック企業、Hyfé Foods。なぜこの企業が、大きな資金調達を実現できたか?そこには、私たちの未来の食糧危機を救うカギがありました。
菌糸体タンパク質とは
みなさんは、「キノコ肉」を、ご存じですか?
菌糸体タンパク質は、海外では、「Myco Protein(マイコプロテイン)」と呼ばれています。
そして、この、キノコ肉のようなものに、応用されています。
菌糸の集合体=菌糸
菌糸とは、菌類の体を構成する、糸状の構造体です。
キノコは、真菌類が作る、この菌糸が集まって、できています。
菌糸体とは、菌糸の広がり全体、または、その集団のことを指します。
きのこは、その下に、菌糸の集合体である「菌糸体」があります。
菌糸は、一般的に、「キノコ」と呼ばれる個体の、表面や、その内部にあります。
ですから、外から見ただけでは、菌糸体そのものを見ることは、困難です。
言い換えれば、木にたとえた場合の、木に当たる部分がキノコです。
そして、根に当たる部分が、菌糸体となります。
菌糸体は、土や樹木、落ち葉の中に拡がり、栄養や水を得ながら生活しています。
菌糸体には、多くの栄養素が蓄えられ、それが十分になったときに、キノコが発生する仕組みです。
参考:エネフロ
菌糸体タンパク質の利点
前項で、キノコを構成する、菌糸の集合体が、菌糸体ということが、わかりました。
では、この、菌糸体を用いたタンパク質は、どういったもので、ほかのタンパク原となるものと、何が違うのでしょうか?
こちらの動画は、マイコプロテインの製造では、世界でも先駆け的な会社「Quorn(クオーン)」が発信しているものです。
この動画では、菌糸体タンパクについて、アニメーションでわかりやすく、解説しています。
菌糸体タンパクは、発酵技術を利用して、生産します。
メリットは、次のようなものが挙げられます。
つまり、菌糸体タンパク質は、ヴィーガンミートや、アレルゲンフリーの植物性タンパク源としても、環境に配慮した産業としても、次世代の栄養分としても、メリットが非常に大きなものです。
また、こちらの記事で、菌糸体タンパク質について、詳しく解説しています。
併せてお読みいただければ、より理解が深まることと思います。
参考:農林水産省
なぜ、Hyféは菌糸体タンパク質を作ろうと思ったのか?
菌糸体タンパク質には、いくつかの特徴があります。
そのうちのひとつに、アレルゲンや、グルテンなどが含まれないことがあります。
ルイスとシェーンには、それぞれ、慢性疾患を抱えて生活している家族がいます。
アレルギーなどの疾患では、疾患のもととなる物質を、避けた食事をとらなくてはなりません。
そして、そのような食品は、コストや味に、満足いくものばかりではありません。
Hyféは、風味と材料特性を、調整できるのが特徴です。
「これは炭水化物と動物を含まないタンパク質の代替品である」
「簡単に、誰かの食事の代替品として利用できる」
と、ルイスたちは、自信をもっています。
出典:THE ENGINE