【ロサンゼルス】プラントベース条約への加盟を満場一致で議決、米国最大の加盟都市に
C40世界市長サミット開催に先立ち、ロサンゼルス市議会はプラントベース条約への賛同を決議。気候変動の主要な原因に触れながら、プラントベース条約やC40世界市長サミットについて具体的に解説します。
開催に先立ち、ロサンゼルス市議会は、気候危機を緩和するためにプラントベースの食品システムへの世界的な移行を示した「プラントベース条約(Plant Based Treaty:PBT)」の採択を満場一致で議決しました。
ロサンゼルスはプラントベース条約に賛同する最大と都市となり、アメリカをはじめとする世界中の都市への影響力が期待されています。
本記事では、気候変動の原因に触れながら、ロサンゼルスが賛同を決めたプラントベース条約やC40世界市長サミットについて具体的に解説していきます。
畜産は気候変動の主要な原因
「サステイナブル」や「エコ」への世界的な関心は近年の気候変動の影響もあり、急速に高まりました。
SDGs(持続可能な開発目標)が設定されたり、さまざまな国でプラスチックバッグや使い捨てストローが有料または廃止になるなど、企業活動や消費者の経済活動にも目に見える変化が起きています。
しかし、世界中で気候変動の危機はすでに起きており、現状の対策のスピード感ではこの危機から抜け出すことは不可能といえる状態に陥っています。
地球温暖化の最大の原因となっている畜産業、化石燃料への迅速なアプローチが必要です。
化石燃料と畜産は、地球温暖化を加速させ、生物多様性の損失、大規模な森林破壊、種の絶滅、水の枯渇、土壌の劣化、海のデッドゾーン(無酸素、非酸素の水域)を引き起こす大きな負の原動力です。
しかし、化石燃料への対応だけでは不十分であり、食糧システムの転換が急務となっています。
つまり、メタンガスなどの温室効果ガスを多く排出する従来の畜産に依存した食糧システムから脱却し、プラントベースな食糧システムへの転換が急務となっています。
また、私たちの食事と深く関係している畜産は、地球温暖化に悪影響をもたらすだけではなく、動物福祉に対する脅威でもあります。
そのほかにも、アマゾンの先住民の土地を奪い、人種や民族的に疎外されたコミュニティを工場農場や食肉処理場から出る大量の有毒廃棄物による危険にさらし、労働者を有毒化学物質や危険な労働条件、トラウマに晒しています。
畜産が環境に与える影響の詳細については、下記の記事をご参考ください。