【管理栄養士監修】ヴィーガンの方が不足しやすいミネラルを詳しく解説!
ヴィーガンで不足しやすいミネラルとは?ヴィーガン生活で、健康的な毎日を送るために欠かせない三つの栄養素。その働き、摂取方法について管理栄養士が解説しています。すぐに使える実践方法が満載です。
一般的に、野菜をたくさん食べればビタミンやミネラルを補うことができると考えられています。
しかしながら、実は動物性食材に豊富に含まれるビタミンやミネラルもあり、ヴィーガンの方は意識して摂らないと不足してしまう栄養素もあります。
そこで今回は、ヴィーガンやベジタリアンなど植物性食材を中心に食べている人たちが不足しやすいミネラルについて解説していきます。
参考:【管理栄養士監修】ヴィーガンの方が不足しやすいビタミンを詳しく解説!
ヴィーガンで不足しやすいミネラル
カルシウム
骨や歯の構成成分、そして脳の正常な神経伝達システムに必須な栄養素であるカルシウム。
一般的には牛乳や小魚などの動物性食材で補うように小さな頃から育てられますが、ヴィーガンの場合は植物性食材で補う必要があります。
■1日の摂取推奨量
成人男性…750〜800mg
成人女性…650mg
■主な働き
・骨や歯の構成成分
食事から吸収されたカルシウムは、私たちの骨や歯に沈着し、骨格を保つのを助けます。
・神経伝達
私たちの体は脳からの信号によって動いており、その際に神経伝達が行われます。カルシウムはその神経伝達が正常に行われるために必須の栄養素です。
・出血予防
カルシウムは、体内でイオンで存在し、血液の凝固によって出血を止める働きもあります。
■おすすめのカルシウム摂取法
・豆類(大豆、ひよこ豆など)、葉物野菜(ほうれん草、小松菜など)を摂る
大豆製や葉物野菜は、スーパーで手に入りやすく、かつ調理も簡単なので積極的に取り入れるようにしましょう。
参考:ヴィーガン必見!カルシウムが多く含まれる植物性食品【保存版】
鉄
鉄は、動物性食品、特に赤身肉に多く含まれているため、ヴィーガン食では不足しやすいと言われる栄養素です。
■1日の推奨量
成人男性…7.0〜7.5g
成人女性…6.0〜6.5g(月経なし)
10.5〜11.0g(月経あり)
■鉄の主な働き
・血液の材料
鉄は、血液の材料である赤血球の構成成分です。不足すると十分な量の赤血球を作ることができず、貧血になる可能性があります。
赤血球は栄養と酸素を全身に運ぶ働きを担っているので、貧血になると立ちくらみや食欲不振などの体調不良を招きます。
■おすすめの鉄の摂取法
・葉物野菜(ほうれん草、小松菜)、ナッツ類、豆類を食べる
・食物繊維を過剰に食べすぎない
食物繊維は、鉄などの微量栄養素を体外に排泄する作用を持ちます。したがって、貧血を感じる際(生理前など)は玄米を控えて白米にするなどの工夫が必要です。
参考:ヴィーガン食でも鉄不足を解消する方法【貧血にならない身体作り】
亜鉛
亜鉛も、鉄やカルシウム同様に動物性食材に豊富に含まれている栄養素です。
ヴィーガンの方も、ノンヴィーガンの方と同様に亜鉛を毎日継続的に摂取する必要があります。
■1日の推奨量
成人男性…10〜11mg
成人女性…8mg
■亜鉛の主な働き
・栄養素を代謝する酵素の働きを助ける
亜鉛は体内に存在する100種類以上の酵素の働きを助ける、補酵素として活躍しています。
・細胞の生成、成長促進
亜鉛はDNAなどの核酸合成や、たんぱく質の合成などの働きに関わっています。
■おすすめの亜鉛摂取法
・豆類、ナッツ類、オートミールなど亜鉛を豊富に含む食材を摂る
・食物繊維を控えめにする
鉄と同様に、亜鉛も食物繊維で吸収阻害を受ける栄養素です。食物繊維は1日あたり男性であれば21g、女性であれば18gを目標にし、摂りすぎに注意しましょう。
まとめ
今回は、ヴィーガンで不足しやすいミネラルについて解説しました。
ミネラルやビタミンなどの微量栄養素は、三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)と比べて不足しても気付きにくい栄養素です。
そのため、体内で枯渇して不調をきたす前にしっかりと毎日栄養素を補う必要があります。
今回ご紹介した3種類の栄養素は、植物性食材で補うことは可能ですので、毎日の献立に組み込んで、健康的な体づくりをしていきましょう。