ヴィーガン食でも鉄不足を解消する方法【貧血にならない身体作り】
ヴィーガン・ベジタリアン生活をしていると栄養の不足に注意する必要があります。中でも鉄は血液中の赤血球の構成成分であるヘモグロビンの材料になるミネラルであり、不足すると貧血を招きます。そこで、鉄の概要や植物性食材のみを食べるヴィーガンでも鉄不足にならないための方法についてお話しています。
そのため、ヴィーガン食生活によって動物性食材に豊富に含まれる栄養素が不足してしまう可能性があります。
その栄養不足が懸念されているもののひとつに「鉄」があります。
ヴィーガン・ベジタリアン生活を行っている人で、鉄不足に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
鉄は体内の血液作りに必須の成分で、不足してしまうと貧血を引き起こす可能性もあります。
そこで今回は、鉄の働きや1日の必要量、ヴィーガン生活でも貧血を防ぐための鉄の摂取方法についてお話します。
はじめに:鉄について
鉄の働き
鉄は主に体内で赤血球に含まれるヘモグロビンの構成成分として働いています。
このヘモグロビンはポケットのようなものを持っており、呼吸によって取り入れた酸素をポケットに入れて全身へと運んでいます。
血液の流れをよくすることで全身に酸素が行き届き、生活のパフォーマンスも向上すると言えます。
鉄の種類
食品中に含まれる鉄は大きく2種類(ヘム鉄、非ヘム鉄)に分けられます。
動物性食材に含まれる鉄はヘム鉄(三価鉄)と呼ばれ、体内への吸収率は20〜30%と言われています。
一方で、植物性食材に含まれる鉄は非ヘム鉄(二価鉄)と呼ばれ、体内への吸収率は5〜7%と、ヘム鉄と比べて低い値となっています。
鉄の推奨量
厚生労働省の2020年版食事摂取基準によると、1日あたりの鉄の推奨量は
成人男性で7.0〜7.5mg
成人女性で6.0〜6.5mg(月経ありの場合10.5〜11mg)
となっています。
特に月経期間は鉄の消費量が増えてしまうので、鉄の豊富な食事を食べる、もしくは鉄のサプリメントを摂るなど体調不良にならないように気をつけましょう。
また、男女関係なくスポーツ(特にマラソンなど)をする場合、体に与える衝撃などで血液を消費している場合があります。
ヴィーガン・ベジタリアンを実践している方、アスリートの方は食事摂取基準よりも多い量の鉄を摂取するように心がけましょう。
鉄の不足で起こる「鉄欠乏性貧血」
食事中の鉄分量が減ってしまうと、体内に貯蔵してある鉄が減少してしまい、「鉄欠乏性貧血」を招きます。
この鉄欠乏性貧血は貧血の中でも最もよく見られる症状であり、特に月経中の女性や妊娠されている方は注意が必要です。
鉄欠乏性貧血の症状としては、めまい、だるさ、冷え、耳鳴り、動機、さじ状爪、顔面蒼白などが挙げられます。
いずれも日常生活に支障をきたすものであり、特にヴィーガンやベジタリアンの方は意識的に鉄欠乏性貧血を回避する食事方法が求められます。