オランダの町「アルテナ」がプラントベースプロジェクトに挑戦!
ヴィーガンのトレンドは、ニューヨークやロンドンを始めとする大きな都市だけに限りません。オランダでは町をあげてプラントベースに乗り出すプロジェクトまで始まりました。小さな町だからこそ、学校やお店が協力しあって企画を盛り上げています。このような形の「プラントベースな町おこし・村おこし」はこれからトレンドになるかもしれません。どんな様子なのか、ご紹介していきます。
なんとオランダでは町をあげてプラントベースに乗り出すプロジェクトまで始まりました。小さな町だからこそ、学校やお店が協力しあって企画を盛り上げています。
このような形の「プラントベースな町おこし・村おこし」はこれからトレンドになるかもしれません。どんな様子なのか、ご紹介していきます。
目次
オランダで始まったプラントベースプロジェクト
オランダの北部にあるアルテナという町にて、プラントベースプロジェクトが始まりました。
このようなトレンドは大きな都市から始まるイメージが多いですが、人口が56,000人ほどのこぢんまりとした場所が選ばれました。どのようなプロジェクトなのでしょうか。
町をあげてプラントベースキャンペーンに乗り出した
アルテナという北部の町は、プラントベースキャンペーンである「Plant-based together(プラントベース・トゥゲザー)」に乗り出したばかりです。
Green Protein Alliance(グリーン・プロテイン・アライアンス)という団体のサポートを受けながら、町が主導でプラントベース化を進めています。
学校の給食にプラントベースが増やせないか検討してもらったり、食料品店やレストランでもヴィーガン・ベジタリアンアイテムを増やしていこうとしています。
オランダの大学であるWageningen大学もこのイベントに乗っかり、キャンペーンを通じて人々の食生活や購買にどのような変化が出たのかを調査しています。
なお、オランダはプラントベース食材への切り替えを着々と進んでいることで有名です。2022年には「プラントベースだから高い」というイメージを払拭することにも成功しています。こちらの記事で詳しく説明しています。
町のイベントに地元のスポーツ選手も参戦!
アルテナで始まった「プラントベース・トゥゲザー」キャンペーンには、力強いサポーターがついています。
この町出身であり、オリンピック出場経験のあるビーチバレーボール選手のRaïsa Schoonさんが、インフルエンサーとなって盛り上げています。
地元アルテナの人に向けた「もっとプラントベース食を食べよう」というメッセージビデオも作り、多くの人の注目を集めています。
運動をする人こそ、体に気を使っているといイメージがありますが、今でもまだ「肉を食べて体を作る」という考え方は広がっています。
だからこそ、オリンピックに出るようなプロ選手がプラントベース食を楽しんでいるというのは、多くの人の意識改革に繋がっているのではないでしょうか。
「プラントベース・トゥゲザー」とは?
今回オランダで展開されているキャンペーンは「プラントベース・トゥゲザー」というスローガンが掲げられています。
日本語に訳すると「一緒にプラントベースしよう!」といったところでしょうか。
このキャンペーンを通じてメディアやSNSから聞いたことのある「プラントベース」「植物性食品」を、実際に町に取り揃えてもらう。そして、実際に食べてもらうことで、生活に取り入れてほしいというのが狙いです。
だからこそ、給食やレストランでのメニュー開発に力を入れたり、スーパーマーケットでは特設試食会場を設けるなどの「実際に食べられる場」を作っています。
「アルテナ」が最初の町に選ばれたワケ
このような大きなキャンペーンとなると、大きな都市で実施する方が、良いのでは?と感じる人もいるかもしれません。なぜ、小さな北部の町アルテナが選ばれたのでしょうか。
「プラントベース・トゥゲザー」は、このアルテナをスタート地点として、ほかの町にも広がっていく予定です。
このアルテナが最初のパイロットケースに選ばれた理由は「現時点でまだあまりプラントベースが広まっていない」という点が大きかったそうです。
だからこそ、町をあげてイベント化することで、どれだけ浸透率を上げられるのかが注目されています。
オランダにおけるプラントベース事情
ヨーロッパのプラントベース浸透率は高いイメージがありますが、オランダは一体どうなのでしょうか。具体的な数値をご紹介しながら、ますます加速しそうなオランダのプラントベース事情をご紹介します。
オランダ政府はプラントベース化に積極的
オランダはプラントベーストレンドが着々と進んでいます。
それもそのはず、国が積極的にいろいろなキャンペーンを仕掛けるなどして、国民の意識改革に乗り出しているからです。
「National Week without Meat」という、一週間お肉を食べないキャンペーンが開催されていたり、代替肉への投資額も増え続けています。
今回このアルテナでの「プラントベース・トゥゲザー」を企画している団体も政府によるバックアップが入り広がっていますし、オランダに沢山あるラボでは常に新しいプラントベースアイテムが開発されています。
少し前ですが、オランダのハーレム市では、世界で初めて動物性肉類の広告を禁止したことでも話題になりました。その時のことは、こちらの記事でご紹介しています。併せてごらんください。
2025年までに50:50を目指す
今回のイベントを企画するグリーン・プロテイン・アライアンスは、オランダ政府ともタグを組みながら、国民の食生活の見直しに働きかけている団体です。
この団体の掲げている目標は、2025年までにオランダ国民の消費するたんぱく質の半分をプラントベースにすること。
2022年時点では、37:63と、まだ4割弱がプラントベースという数値が出ています。
残り数年の間に、目標である「半分」に引き上げる必要があります。だからこそ、今回のアルテナでのキャンペーンは成功させて、ほかの町にも広げていこうとしています。
まとめ:アルテナで始まったプラントベースキャンペーンはどこまで広がるか!?
オランダの北部にある比較的小さな町であるアルテナで、新しい取り組みが始まりました。
「プラントベース・トゥゲザー」というスローガンのもと、町や学校、お店やインフルエンサーが一緒になり、プラントベーストレンドを作り上げています。
「プラントベース」「ヴィーガン」という言葉を耳にする機会は増えてきたけれど、実際に手に取ることは少ない…。
そんな方をターゲットにし、ぜひ食べてもらって、良さを知ってほしいというキャンペーン。
他の町と比べるとプラントベース普及率が低いというアルテナだからこそ、パイロットケースとして選ばれました。アルテナにおけるキャンペーンは、これから先、別の町へと展開されていく予定です。
じわじわと、でも着実にオランダ全土にプラントベースの波が押し寄せていくことは間違いありません。
このような町をあげた取り組みと、そこからの学びは、これから先オランダ国内だけでなく、全世界に広がっていくのではないでしょうか。