なんともビックリなニュースが飛び込んできました。2022年3月20日は、アメリカのニューヨークシティが「ミートアウト」を実践するというのです。
ニューヨーク市長であるエリック・アダムズ氏が、他の州や都市と一緒に、大きなイベントに乗り出すと発表しました。
なぜニューヨークという巨大シティが、このような企画に参加するのでしょうか。また、市長のアダムズ氏とはいったい何者なのでしょうか。徹底解析します。
3月20日はNYがミートアウトデーに!
ニューヨーク市長であるアダムズ氏が「3月20日はNYがミートアウトデー」と宣言しました。
NYではプラントベースのお祭りに!
この日には、街全体をあげてプラントベースな食生活の良さを伝えたり、ヴィーガン食の体や地球へのインパクトについての認知度を上げるようなイベントが、あちこちで開催される予定です。
すでに有名レストランの参加も決まっていて、市民もメディアも「プラントベース」への理解を深める一日となりそうです。
アメリカで広がるミートアウト
大きなシティであるニューヨークがミートアウトデーを実施するというニュースが目立ちますが、アメリカの他の40の都市や州でも実施予定となっています。
実は歴史のあるイベントで、毎年参加しているテキサス州や、カルフォルニア州、ケンタッキー州などはもちろん今回も参加予定です。
さらに、コロラド州も参加宣言がされ、アメリカの広範囲にわたる、巨大なプラントベースキャンペーンとなりそうです。
ここまでのイベントは、現時点の日本では開催されていないので、どのようなイベントになるのか気になりますよね。
なぜミートアウトデーを取り入れるのか?
州や都市をあげて「ミートアウトデー」を実施するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
市民のプラントベースへの理解を深めるため
「プラントベース」「サステナブル」な暮らしが、なんとなく良いということは分かっているかもしれません。
でも、具体的にどのようなメリットがあるのかをしっかりと理解している人はどれくらいいるでしょう。
街をあげて各種イベントを開催することで、「なんとなくよさそう」という曖昧な理解から、納得して受け入れることに繋がります。
- プラントベースな暮らしへの理解を深める
- プラントベース食が健康に良いことを広める
- プラントベース食が環境と動物に優しいことを広める
イベントを通じて、プラントベースな生活・食生活への理解が高まることで、一人、また一人と、生活に取り入れてみようかなと感じられる人が増えていくはずです。
プラントベースを試すキッカケを提供するため
スーパーなどで「プラントベースミート」などが並んでいても、なんとなく今まで通りの肉を買っているという人も多いかもしれません。
実際に食べてみないことには「プラントベースは味気ない」「プラントベースは栄養価が足りない」などの偏見も多いものです。
- プラントベース食を試してもらうキッカケができる
- プラントベース食は美味しいと感じてもらえる
- プラントベース食は難しくないと感じてもらえる
有名レストランなどとタイアップすることで、プラントベース食ってこんなにカラフルで美味しいんだ!と感じたり、調理が複雑でないと理解する大きなキッカケになります。
その後、家に帰ってから実際に食卓に取り入れてみようと思う人も増えていくはずです。
「ミートアウト」は歴史のあるプロジェクト
3月20日は「Meat Out Day(ミートアウトデー)」と名前が付きました。
意味としては「ミートフリー」と同じですが、この「ミートアウト」とは1985年から続くキャンペーンの名前からとったものです。
40年近く続くミートアウトキャンペーン
最近になって「ミートフリー」「プラントベース」という単語が飛び交うようになりましたが、このNGO団体は40年前から草の根活動を続けています。
今でこそ「肉を摂らない食生活は健康に良い」と知られるようになりましたが、当時は耳を傾ける人は限られていた時代です。
毎年日にちを決めて「ミートアウトデー」を主張し、多くの人を巻き込みながら「せめて1日だけでも体にも、地球にも、動物にも優しい日」を作ろうと呼び掛けてきました。
どんどん波及するミートアウトイベント
その活動はアメリカの各州だけにとどまらず、他の国にまで波及していきました。
今では「世界で一番大きく、歴史のある食に関するキャンペーン」と呼ばれるほどにまで成長しています。
じわじわと時間をかけて「ミートフリー」な食生活の良さを伝え続けてきたことで、やっと2020年代に花が開いたといえるのではないでしょうか。
加えて、今回のNYのミートアウト宣言を受けて、さらに多くの人に「ミートアウト」という単語が知れ渡ることになり、ここから急ピッチで活動が広まると予想されます。
急激にプラントベース化が進んでいるNY
アメリカのBIGシティであるニューヨークは、近年着々とプラントベース・ヴィーガンの波が押し寄せてきています。
特別なお店に行かないとヴィーガンメニューがなかった時代は終わったといえるでしょう。
手軽なファストフードから、ハイエンド向けの高級レストランまでがヴィーガンフレンドリーなメニューを提供するようになりました。
レストランや企業側の努力もあり、多くのニューヨーカーにとって「ヴィーガン食」は身近なアイテムになり、気軽に肉や乳製品を避けたライフスタイルを取り入れられるようになっています。
そんなニューヨークで訪れたい有名なヴィーガンカフェについては、こちらの記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。
NY市長のアダムズ氏はプラントベース推進派
2021年にニューヨーク市長になったアダムズ氏が、ここまで街をあげたプラントベースイベントに乗り出す理由とはなぜでしょうか。
プラントベースを実践するNY市長
ニューヨーク市長がプラントベースに力を入れる理由はとってもシンプルです。
彼自身がプラントベース食を取り入れた生活をしているからです。しかも、ただのトレンドではありません。
アダムズ氏は、過去に糖尿病を患っていると診断されたことがあります。
それを受けて、体に取り入れるものを入れ替え、プラントベースな食卓を囲むようになりました。その結果、糖尿病を克服したというのです。
実体験があるからこそ、より多くの市民にプラントベースの良さを知ってもらい、健康に気を使ってもらいたいという思いがあるのでしょう。
その思いの表れが、まさに今回の「NYのプラントアウト宣言」に現れています。
100%でなくてもプラントベースを推奨
彼は自分の言葉で「自分はヴィーガンではない」と宣言しています。自分の食生活は完璧なヴィーガンでないと告白しています。
「100%ではないけど、プラントベースな食生活を取り入れることで、がらっと体調が改善された」と声に出しています。
だからこそ、100%食生活を変えるという無理強いはしないけれど、少しずつでも、「ミートアウトデー」だけでも、プラントベースを推奨しているのです。
NYの給食で実践されるヴィーガンフライデー
アダムズ氏の取り入れた政策の中で、目立つものがあります。2022年に入ってから実際に始まった「ヴィーガンフライデー」というイベントです。
なんと、ニューヨーク市内の公立1,700校において、金曜日はヴィーガンメニューという給食改善に乗り出しました。
これはすごい取り組みではないでしょうか。
子どもの頃から週に1回は「プラントベース食」に触れていれば、ヴィーガンメニューが「当たり前」になります。
また、子どもがヴィーガンメニューを食べているということで、各保護者のヴィーガンメニューへの理解が深まることにも繋がります。
まだ始まって1か月の施策ですが、これからどのような反響が聞こえてくるのか楽しみです。
まとめ:3月20日はNYがプラントベースのお祭りに!
ニューヨーク市長であるアダムズ氏は「3月20日を、ミートアウトデー」にすると宣言しました。
ミートアウトデーは長い歴史のあるキャンペーンで、すでに多くの州が賛同して実施していました。
しかし、2022年アメリカ1の巨大シティが参加するというニュースは、アメリカだけでなく世界のプラントベースメディアが注目しています。
3月20日のある一週間がキャンペーン対象となっていて、有名レストランとのタイアップ企画や、街のあちこちでプラントベースへの理解を深められるようなイベントが開催される予定です。
シティをあげての巨大プラントベースイベントは、いったいどのようなものになるのでしょうか。