豆から海藻へ?プラントベースミートをよりサステナブルにする「海藻由来タンパク質」を徹底解説
従来使用されてきた豆類よりもプラントベースミートをよりサステナブルにする可能性を秘めた「海藻由来タンパク質」についてご紹介。
海藻を用いて地球上で最も持続可能なタンパク質を開発するUmaro Foods
海藻由来タンパク質市場でも特にシェアを伸ばしているのが、紅藻と呼ばれる赤い海藻類です。
他の海藻と比較してタンパク質の含有量が高いことから、プラントベースのタンパク質代替品の材料として注目されています。
そんな紅藻を使用して最も持続可能なプラントベースミート(代替肉)の開発に取り組んでいる企業がUmaro Foodsです。
以下、Umaro Foodsの取り組みについてご紹介していきます。
Umaro Foodsとその取り組み
Umaro Foods(旧Trophic)は2018年にBeth ZotterとAmanda Stiles によって設立された、アメリカ・カリフォルニアに本拠を置くスタートアップ企業です。
海藻の可能性に着目し、地球上で最も持続可能なタンパク質源と海洋養殖海藻を開発を行っています。
Umaro Foodsによると、マサチューセッツ州ほどの大きさの海藻養殖場があれば、世界中で消費されるすべての牛肉を置き換えるのに十分なタンパク質を生産することが可能だそう。
同社では豊かな栄養素を含み、味や見た目がプラントベースミートの材料として最適な「ダルス」と呼ばれる紅藻類に注目。
ダルスはタンパク質だけではなくうま味成分も豊富なため、調理するとベーコンのような味がすることで知名度を上げている食材です。
同社はそんなダルスを使用したプラントベースベーコンを開発し、アメリカ国内のレストランに提供しています。
植物由来の食品は調理すると多くの油分と水分を失いますが、同社の成分は保水力に優れているので、肉特有のジューシーな食感も再現できるそう。
しかも、調理すると焼いた肉のようなきれいな茶色になります。
Umaro Foodsは地球上で最も持続可能なタンパク質のサプライ チェーンを構築していくことを目標にしています。
ブラントベースミートに使用する海藻由来タンパク質の開発だけではなく、オフショア農業技術にも取り組んでおり、今後さらなる事業の展開が期待できます。
まとめ
世界で最も持続可能タンパク質源になる可能性を持つ、海藻由来のタンパク質について解説してきました。
日本人にとって身近な海藻類が、従来主流であった大豆やエンドウ豆よりもサステナブルなタンパク質源になりうるのは意外だったのではないでしょうか。
今回ご紹介したUmaro Foodsのプラントベースベーコンは2023年1月時点で小売販売はしていませんが、今後店頭に並ぶ日もそう遠くないでしょう。
また、古くから海藻類を食べる文化が定着している日本で海藻由来のタンパク質を使用したプラントベースミートが新たに開発されることもあるかもしれません。
参考:Trophic Is Using Seaweed To Develop The Planet’s Most Sustainable Protein