地球にとってサメは木よりも重要?サメについて知っておくべき正しい知識を詳しく解説

地球にとってサメは木よりも重要?サメについて知っておくべき正しい知識を詳しく解説

凶暴な魚のイメージが強いサメ。実は、地球環境を守るキーマンなのです。それはいったいなぜなのか?徹底解説します。

ハッピーキヌア編集部
2023年02月22日
地球にとってサメは木よりも重要?サメについて知っておくべき正しい知識を詳しく解説

なぜ、サメは減少しているのか?

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海洋生態系のなかで、最上位の一種であるサメが、どうして、こんなにも減少しているのでしょうか?

理由はいくつかあるようです。

 

1. フィンニングなど、サメの商業的価値目的で乱獲する

サメは、なぜ乱獲されるのでしょうか?

 

まず、サメは、食用としてのニーズがあります。

例えば、有名なものとしては、中華料理ではおなじみの、フカヒレなどの食用に珍重されます。

そして、現在では、グルコサミンや、肝油などの、サプリメントにも、多く使われています。

 

みなさんは、「フィンニング」という言葉を、ご存じですか?

 

フカヒレのために捕獲されたサメは、まず、必要とするフィンを、切り取ります。

その後、残りの胴体は、どうなると思いますか?

 

現実には、捨ててしまうのが、まかり通っています。

そのサメは、時にはまだ、生きている間に捨てられることもあったそうです。

 

この残虐な慣行は、現在、世界の多くの地域で、制限されているか、違法行為に当たります。

しかし、そのような禁止をしても、輸入制限までは及ばないルールによって、象牙や、毛皮と同様に、高い需要を促すことに繋がってしまうのです。

 

また、食用ではなく、人間のエゴと言わざるを得ない例もあります。

オーストラリアでは、海水浴客を保護するために、主にビーチに沿うエリアで、サメが殺されています。

 

これは、人を襲うサメがすべてではないことや、理由がない限り人を襲わないなど、正しい知識と情報が、人間側に欠けているからだと言えます。

 

出典:LIVEKINDLY

 

2. 海洋ごみ

 

次に問題とされているのが、海洋ごみです。

 

いま、特に問題とされているのが、プラスチックごみです。

 

海洋ごみのなかで、もっとも多いのが、プラスチックごみです。

プラスチックは、多くの場合、分解されずに、そのままの形状を保ち、海を漂い続けます。

それは、400年残り続けると言われるほどです。

 

そして、実際に、捕獲されたサメの胃の中に、プラスチックごみが入っていたという報告もあります。

サメだけではなく、ウミガメやペンギン、クジラなど、あらゆる海洋生物が、プラスチックごみをはじめとする、海洋ごみに苦しんでいます。

 

前述のとおり、サメは、海の生態系のなかでは、第四次消費者です。

マイクロプラスチックを食べた小魚を捕食した中型魚。そして、それを捕食する大型魚。

それらを食べるサメは、どれだけのプラスチックを、胃の中に収めることになるでしょうか。

 

それ以前に、魚を捕食する前に、プラスチックごみを、誤食してしまう可能性だってあります。

 

海洋ごみに関しては、こちらの記事で、詳しく解説しています。

ぜひ併せてご一読ください。

 

参考:環境省

日本財団ジャーナル

 

3. 気候変動

そして、3つめの理由として挙げられるのは、気候変動です。

 

陸上で、二酸化炭素の排出量が増えたことによる、海への影響が、深刻な問題となっています。

大気中の二酸化炭素が増えるとどうなるか、皆さんはすでに、多くの知識をお持ちのことと思います。

 

温暖化の影響

二酸化炭素は「温室効果ガス」とも呼ばれています。

気温が上昇するとともに、海水温も上昇します。

 

また、北極や南極の氷が解け、海水面も上昇します。

雪は、太陽光を10~20%ほどしか吸収しません。

 

しかし、水は、90%、つまり、ほとんどの太陽光を吸収します。

両極の氷や雪が解けると、さらに融解を加速させ、地球温暖化も進行してしまいます。

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海水温が上昇すると、食物連鎖の最も下層、第一次消費者にとっては、大変な問題です。

光合成が進み、第一次消費者が増えすぎると、海水中の酸素が不足してしまうことも考えられます。

 

そうすると、第二次消費者や、それ以上の消費者は、酸素不足で生息できなくなります。

第二次以上の消費者が、少なくなると、富栄養状態になります。

 

これが、赤潮です。

 

海洋酸性化

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海水の温度が上昇したり、水位が上昇する原因のひとつが、大気中の二酸化炭素だと申しました。

 

そして、近年、問題とされているのが、大気中に放出された二酸化炭素を、海水が吸収していることにより、引き起される「海洋酸性化」です。

海洋酸性化がすすむと、どうなるでしょうか。

 

まず、海水は、弱アルカリ性を示すのが一般的です。

この環境が、生態系を守っています。

 

しかし、酸性化が進むと、まず、サンゴのように、骨格を形成するようなプランクトンが、その骨格を形成できなくなります。

そして、海洋酸性化が進むことで、食物連鎖の下位である、プランクトンが、生息、繁殖しにくい環境になります。

 

すると、それを捕食する、食物連鎖上位に属する生物にも、影響が及ぶことは、プラスチックごみの項でもお話ししたとおりです。

 

食物連鎖の下位の生物が、最も繊細に、海水の変化に左右され、その均衡が崩れると、上位にいるサメにも、大きな影響が出るのです。

 

参考:COOL CHOICE

Wikipedia – 赤潮

環境省 – 海洋酸性化

環境省 – 海洋酸性化の影響

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