空気で作られたアイスクリーム「ソレイン」とは?世界一サステナブルな理由を徹底解説
シンガポールで承認された空気と水で作られるサステナブルな新しい成分。フィンランドのスタートアップが欧州宇宙機関と共同で開発した未来のタンパク質「ソレイン」は、日本の味の素との製品開発も発表されており、世界規模で食の未来を大きく変えようとしています。地球にも人にもやさしい空気由来のタンパク質「ソレイン」をご紹介します。
乳製品や従来の植物由来の代替品を一切使わずに作られた、新しいアイスクリームを開発したのは、フィンランドのスタートアップであり、注目のフードテック企業「Solar Foods(ソーラーフーズ)」です。
環境にやさしいアイスクリームというだけでなく、食品の未来を担う新しいタンパク質としても注目される「ソレイン」をご紹介します。
空気×水、世界で最も持続可能なタンパク質
ソレインは、空気と水から作られた微生物タンパク質であり、ソーラーフーズと欧州宇宙機関と共同で開発されました。
科学者たちは、微生物を培養することでソレインを作り出し、それに水素、二酸化炭素、栄養素を添加し、タンパク質が放出されるようにしました。
また、これらのタンパク質を捕捉し、脱水してパウダー状にすることで、食品への応用ができる形に変化させました。
製造元のソーラーフーズによれば、ソレインは世界で最も持続可能なタンパク質と断言しています。
なぜなら、その製造プロセスには一切の動物や光合成植物を使用していないから。
ソレインには、タンパク質が65-70%、食物繊維が10-15%、脂肪が5-8%、ミネラル栄養素が3-5%含まれているとされています。
理想のサステナブルフード
ソレインは、植物でも動物でもなく、自然の単細胞生物に由来する、空気中のタンパク質です。
そのため、伝統的な方法で栽培されていないにもかかわらず、完全に天然のタンパク質なのです。
無限の可能性
黄色いパウダー状のソレイユは、栄養価をそのままに、毎日のどんな食事にも溶け込むことができます。
そのため、あらゆる食品産業と相性が良いのも特徴です。
また、栄養価も高く、美味しく、サステナブルでヘルシーな私たちの食生活に無限の彩りをもたらす、大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。
シンガポールで承認、レストランでの提供がスタート
現在、ソレインに対して承認を与えた唯一の国が、シンガポール。
そして、ソレインを含んだチョコレートアイスクリームを世界で初めて提供したのは、シンガポールを拠点とする海辺のイタリアンレストラン「Fico(フィコ)」。
フィコのシェフ、ミルコ・フェブリーレは、「世界で初めて、この一風変わったアイスクリームを紹介できるというのは、とても素晴らしい機会です。」と喜びを語っています。
‘World’s Most Sustainable’ Ice Cream Made With Air Debuts In Singapore
食品の未来
ソレインはチョコレートアイスクリームだけでなく、今後数年間で世界中の新製品に使用される可能性が十分にあります。
また、肉の代替品としての使用や、飲み物に入れたり、他の甘いものやおかずを作ったりすることもできるため、発送次第でその応用方法は無限大に考えられるでしょう。
また、ソーラーフーズは今後、国際的な存在感を持つ日本のバイオテック企業・味の素と提携し、さらなる製品開発を計画していると発表しています。
従来の食事のスタイルを変えずに、その食品をよりサステナブルに作り出す。
私たちの健やかなライフスタイルと地球のサステナビリティを支える可能性を秘めたソレインに期待が寄せられています。
ソーラーフーズ公式サイトはこちら
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