大豆タンパク質がコレステロールを下げ、心臓病のリスクを低減することが研究で明らかに

大豆タンパク質がコレステロールを下げ、心臓病のリスクを低減することが研究で明らかに

アメリカのイリノイ大学で最近行われた研究で、大豆に含まれるタンパク質には、心臓病の予防や、血中の悪玉コレステロールを低下させるはたらきがあることがわかりました。スーパーフードとよばれる大豆のもつパワーとは?詳細を解説させていただきます。

ハッピーキヌア編集部
2023年02月27日
大豆タンパク質がコレステロールを下げ、心臓病のリスクを低減することが研究で明らかに
「畑の肉」といわれるほどに栄養豊富な大豆は、動物由来の成分を一切摂取しないヴィーガンの方たちにとって、貴重なタンパク源でもあります。

 

米イリノイ大学の最近の研究で、大豆に含まれるタンパク質には、血中コレステロールを低下させ、心臓病を予防する効果があることが明らかになりました。

 

コレステロールを低下させる健康食品とも言われている大豆の、タンパク質成分について、詳細を解説させていただきます。

 

コレステロールについて

コレステロールは、血中に含まれている脂の一種で、主に肝臓でつくられています。

細胞膜や胆汁酸を形成するなど、体内で重要な役割を果たすため、なくてはならない成分ですが、コレステロール値が高くなりすぎると、身体に悪影響を及ぼすことがあります。

 

また、コレステロールにはいくつかの種類があり、一般的に知られているのは「HⅮⅬ(善玉)コレステロール」と「ⅬⅮⅬ(悪玉)コレステロール」の2種類です。

 

このうち、悪玉とよばれているⅬⅮⅬコレステロールが血中に増えすぎると、血栓ができやすくなり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を誘発する原因になるとされています。

 

LDLコレステロール値の上昇を防ぐためには、動物性脂肪の含まれる高コレステロール食品の摂取を控え、青魚や食物繊維を多く含む食品を積極的に摂る必要があります。

 

大豆タンパク質が血中コレステロールを下げる

アメリカのイリノイ大学の研究で、大豆に含まれるタンパク質が、悪玉(LDL)コレステロールの生産を抑制し、代謝性疾患のリスクを低減する効果があることが分かりました。

 

人間栄養学のエルビラ教授を中心に行われ、Antixidants誌にも掲載された、大豆タンパク質とコレステロール研究の詳細について、解説させていただきます。

 

研究に際し、人工的に構成された模擬胃腸と19種類の大豆粉が用意され、肝コレステロール代謝およびLDL酸化に影響を及ぼすかどうかを調べるため、以下の実験がなされました。

 

1.  19のタンパク質を含む22種類の大豆を挽いて、粉末状にし「グリシニン」と「β-コングリシニン」という2つのタンパク質をそれぞれ異なる割合になるよう配合します。

2. 人間の消化プロセスを模倣した胃腸シュミレーターを使用し、22種類の大豆粉末を、酵素や水分と順番に混合させていきます。

3. 大豆に含まれているコレステロールの発生を制御するタンパク質「HⅯGⅭR」の活性を阻害する消化材料の能力について調査します。

 

この研究の結果、β-コングリシニンの含有率が高い大豆粉を摂取した場合、LDL(悪玉)コレステロールの値が低下し、動脈硬化や脂肪肝、アテローム性動脈硬化症性心血管疾患の発症リスクが低減される可能性があることが分かったのです。

 

大豆タンパク質、β-コングリシニンの作用

大豆に含まれる主要なタンパク質には「グリシニン」「β−コングリシニン」「脂質親和性タンパク質 」の3種類があります。

このうち「グリシニン」と「β-コングリシニン」が、コレステロールの合成速度を制御する力を持つことが臨床研究で検証されたのです。

 

中でも、β-コングリシニンの濃度が高い大豆粉を摂取するほど、血液中の酸化LDLコレステロールやHⅯGⅭRの活性を制御することが報告されました。

 

さらに、大豆タンパクの20%を占めるβ-コングリシニンは、コレステロールのほかにも、体脂肪や内臓脂肪の改善、さらに血中中性脂肪を減少させる作用があることが臨床実験で確認されています。

β-コングリシニンは、生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む、特定保健用食品にも認証されている成分です。

 

大豆のもつパワー

肉や魚に含まれる動物性タンパク質とは違い、大豆に含まれる植物性タンパク質は、質が高いのが特徴です。

 

大豆に含まれるタンパク質は、他の植物性タンパク質よりもさらに高く、大豆を摂取することで体内の筋肉量の増加や身体能力の維持など、さまざまなメリットが享受できます。

 

また、大豆には、多価不飽和脂肪酸という脂質も含まれています。

多価不飽和脂肪酸を継続的に摂取することで、糖尿病や心臓病のリスクを低減させる効果があるということも報告されています。

 

このように、非常に優れた栄養価をもつ大豆は、アメリカ合衆国の政府が発表した、ガン予防に効果があるとされる「デザイナーフーズ」のうち、最も有効とされる野菜のうちの一つでもあります。

 

大豆タンパク質を効率的に摂りましょう

大豆は、毎日の食事メニューにも取り入れやすい食材です。

湯葉や豆腐、納豆、枝豆、もやし、みそ汁など、伝統的な日本の和食として親しまれている料理のほか、最近では大豆ミートなどの植物性の代替肉もスーパーで手に入るようになってきました。

 

豆腐でしたら、絹ごし豆腐よりも固い木綿や高野豆腐の方が、より多くのカルシウムやタンパク質が含まれています。

また、キノコなどのビタミンⅮを含む食材と大豆を一緒に摂取することで、さらに効果的に栄養を摂取することが可能です。

 

スーパーフードともいえる大豆タンパク質を効率的に摂取して、コレステロールを下げ、慢性疾患の予防につなげましょう。

 

まとめ

大豆に含まれるタンパク質であるグリシニンと、β-コングリシニンが、悪玉といわれるLDLコレステロール値を下げ、動脈硬化や心臓疾患のリスクを低下させることが、イリノイ大学の研究で明らかになりました。

 

とくに、β-コングリシニンの濃度が高いほど、LDL細胞への取り込みが増加されるため、LDLコレステロールの活性が抑えられることも確認されています。

 

長い間コレステロールが高い状態が続くと、血液がドロドロになり、心筋梗塞や動脈硬化、脳梗塞などを引き起こす原因になるとされています。

コレステロール値は高くても、身体症状が出にくいため、普段から適度な運動と菜食中心の食事を心掛けることが大切です。

 

1年の中でも、冬はコレステロール値が高くなりがちな季節です。

優れた大豆タンパク質を含む豆腐、納豆など、大豆食品を日常的に摂取して、健康的な毎日をお過ごしください。

 

参考文献:大豆タンパク質はLDLコレステロール産生をブロックし、代謝性疾患のリスクを軽減します|イリノイ州 (illinois.edu)

 

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