最近よく聞く、トランスパレンシー(透明性)とは?
近年、トランスパレンシー(透明性)という単語を耳にする機会が増えてきました。この記事では、昨今なぜトランスパレンシー(透明性)が話題になってきているのかをご紹介した上で、なぜ大切なのか、そしてどのような企業が既に取り組みを始めているのか探っていきます。
少し聞きなれない単語ですが、ご存知でしょうか。
英語ではTransparencyと書き、直訳すると「透明性」です。
一言でいうと、企業や自治体などの活動情報において、どれだけ情報開示をオープンにしているか、を指します。
誰が、どこで、どうやって、なぜその活動を行っているのか?をしっかりと説明すること、つまり透明性を持たせることが大切になってきています。
この記事では、昨今なぜトランスパレンシー(透明性)が話題になってきているのかをご紹介した上で、なぜ大切なのか、そしてどのような企業が既に取り組みを始めているのか探っていきます。
目次
トランスパレンシー(透明性)とは?なぜ大切なの?
トランスパレンシー(透明性)とは、企業活動においてどれだけ情報開示をしているかを指します。具体的には、川上から川下と呼ばれているサプライチェーンのすべてを把握し、開示することです。
すべてが隠されていた時代
一昔前までは、消費者は最終製品しか見ることが出来ませんでした。
どのような場所で原料が作られているのか、誰がどのような環境で商品が作っているのかは、闇に隠されていたと言っても過言ではありません。
その結果、利益を追求する余り、見えないところで劣悪なな活動をする企業が出てきました。
工場から排出される温室効果ガスや騒音、汚水などによる、環境汚染が問題視されています。
原料の産地では、労働力に見合わないほどの安値で原料が買い叩かれていたり、劣悪な労働環境下で工場勤務者が酷使されていたり。
さらには人員不足や安価なことを理由に、児童労働まで強いていたりと、非人道的な行為が行われているケースもあります。
トランスパレンシー(透明性)が叫ばれる時代の幕開け
2015年に国連サミットで「持続可能な開発目標」が採択されたこともあり、企業や自治体に対して企業活動のトランスパレンシー(透明性)が求められるようになりました。
具体的には、原産地での活動から、商品の生産、流通、販売現場に至るまでのサプライチェーンすべてを社内&社外に対して「見える化」するということです。
これによって、不正や汚職がないのはもちろんのこと、地域コミュニティとの関わりや環境問題への取り組み方なども可視化されるようになりつつあります。
なぜ、最近トランスパレンシー(透明性)が話題?
日本でもじわじわとトランスパレンシー(透明性)という単語を目にするようになってきましたが、なぜ最近話題になっているのでしょうか。
2015年のSDGs「持続可能な開発目標」採択を受けて
SDGs「持続可能な開発目標」をご存知でしょうか。
2015年の国連サミットにて、全加盟国が採択した、国際的な目標(Sustainable Development Goals)のことです。
これからの世界の発展に向けて、加盟国全体で各種問題に取り組んでいこうという目標ですが、そのSDGsの5つの特徴として「普遍性」「包摂性」「参画型」「統合性」「透明性」が掲げられています。
この5つの特徴は、政府や企業活動の目標指針のキーワードとして使われることが増えているため、近年「トランスパレンシー」や「透明性」という単語がメディアで取り上げられることが増えてきました。
トランスパレンシー(透明性)は複数のグローバル指数と密接しているから
SDGsグローバル指標という、カラフルなポスターを見たことがある方も多いかもしれません。
国際的なSDG目標を達成するに向けた活動は、全部で17個の目標にくくられていますが、トランスパレンシー(透明性)は多くの目標達成に繋がっています。
引用元:外務省ホームページ
例えば
SDG目標1「貧困をなくそう」…原産国での労働者に対する取り組み
SDG目標5「ジェンダー平等を実現しよう」…企業内でのジェンダーバランスへの取り組み
SDG目標8「働きがいも経済成長も」…原産国や生産国での労働者に対する取り組み
SDG目標13「気候変動に具体的な対策を」…企業の実施する環境問題対策
SDG目標16「平和と公平をすべての人に」…原産国や生産国での労働者に対する取り組み
企業がどれだけSDG関連の取り組みをし、サステナビリティに関与しているかを開示する取り組みが進む中で、このトランスパレンシー(透明性)という単語が、高頻度で使われるようになりました。