ヴィーガンの菌類由来タンパク質とは?植物由来タンパク質との違いも徹底解説
代替肉の市場が拡大する中、各社がしのぎを削って菌類由来の食品を開発しています。商品のラインアップや栄養面だけではないメリットをご紹介します。
菌を発酵させて動物の肉のような形や質感をつくられるこの食品は、ヨーロッパやアメリカでは代替肉として販売され、需要が伸びています。
菌由来の食品とはどのようなものなのか、植物由来のタンパク質との違いなどを解説します。
菌類由来のタンパク質とは
菌類由来のタンパク質とは、植物や土壌などに生息する菌を発酵させてつくる食品のことです。発酵により菌類がタンパク質を生成し、繊維質のような形状にしてつくられます。
特徴は、タンパク質や食物繊維が豊富であること。また、動物性の原料を使用しないため、ヴィーガンのタンパク質源として注目されています。
菌類由来の食品はヨーロッパやアメリカで人気が高まっている
菌類由来のタンパク質は、実は30年以上も前からヨーロッパで販売されている歴史の長い食品です。その市場規模はヨーロッパとアメリカで年々伸び続け、2027年には数十億ドルに上るとも予想されています。
それでは、現在どのような菌類由来の食品が販売されているのでしょうか。主な商品を見ていきましょう。
Quorn(クオーン)
イギリスで開発されたQuorn(クオーン)は、1985年から販売されている菌類食品です。
土壌中に存在するフザリウム・ベネナタムという糸状菌を数日間発酵させると、菌は炭水化物をタンパク質に変え、マイコプロテインをつくり出します。これが食品の原料になります。
マイコプロテインは繊維質が多く含まれるだけでなく、低脂肪であるのが特徴。タンパク質量は全卵と同じくらいです。
現在、このマイコプロテインに小麦粉や植物油などを入れた100%プラントベースのヴィーガン向け商品や、卵白などが入ったベジタリアン用などが展開されています。
ラインアップは「チキンピース」「ミンチ」「ハム風スライス」「ナゲット」など種類も豊富。ヨーロッパやアメリカのネット通販やスーパーで購入できます。
Meati™(ミーティ)
アメリカのMeati Foodsが開発したMeati™(ミーティ)は、キノコの根のタンパク質を圧搾して水分を取り除いて作られており、その過程では発酵技術も使われています。
商品の種類はクリスピーカツとステーキ。原材料はキノコの根、塩、パン粉などで、動物性の食材は使用していません。
クリスピーカツ1枚(135グラム)のタンパク質量は17グラムと、豚肉や牛肉に匹敵する栄養があります。
アメリカのコロラド州やアリゾナ州のレストランやケータリングで販売中です。