【東京】公立小学校で初となる食の選択肢と多様性を尊重した取り組み「エブリワン・ヴィーガン給食」をご紹介
子どもたちに多様な価値観を知ってほしいとの思いから始まったエブリワン・ヴィーガン給食。公立小学校で日本初のヴィーガン給食はどのように始まったのでしょうか。
外食をしても、以前ならヴィーガン、ベジタリアンオプションはほとんどなかったのが、今では、たくさんのレストランで提供し始めてきています。
そんな中、日本で初めて、都内公立小学校がヴィーガン食を体験できる、ヴィーガン給食を導入し始めました。
2021年5月、東京都八王子市立浅川小学校、公立学校として日本初のヴィーガン給食を導入しました。
その名もエブリワン・ヴィーガン。
エブリワン・ヴィーガンの発案者は同校の清水弘美校長です。
清水校長は特別教育の権威として知られており、全国道徳・特別活動研究会副会長、日本シティズンシップ教育学会理事等の肩書きを持ち、環境省アンバサダーとしても活動しています。
教育者として、持続可能な開発のための教育(ESD)の研究をし、日本ユネスコスクールESD大賞で最優秀賞を受賞した経歴があります。
児童全員が食べられる給食
同校では、アレルゲン除去された給食を、アレルギーのある児童のために日々提供しています。
そして、特別教育の一つとして、全校生徒が同じ給食を食べられるようにと、月に一回、幅広いアレルゲンに対応した給食を提供し始めました。
その名もエブリワン給食。
清水弘美校長は、食べものに対しても色々な価値観がある。多様性を知ってほしい、との思いから食育の一環として、全校生徒が全員同じものを食べられる、エブリワン給食が始まったのです。
給食は食育を学べる良い機会
エブリワン・ヴィーガン給食は、以前からあった、アレルゲン対応のエブリワン給食に環境問題を取り入れ、食の多様性と環境について考えるきっかけになればと、導入されました。
食育とは食に関する知識を教え、育むことです。
しかし、ほとんどの学校で行われている食育は、食の多様性に関しては追及していないのではないのでしょうか。
環境省の取り組み
清水弘美校長が、環境省アンバサダーである環境省もSDGsの一つ、食の持続可能性の取り組みのとして、サステナブルで健康な食生活の提案があります。
その提案の一つとして、それぞれのスタイルで生活の中に菜食 を取り入れるという選択肢があります。
この選択肢は、ヴィーガンになることを奨励しているのではなく、菜食は食生活においての一つに選択肢であることを提言しています。
その理由として、野菜や果物などは相対的にカーボンフットプリントが低いためと、もう一つ、日本人の野菜の平均摂取量の低さによるものです。
サステナブルで健康な食生活の提案は、7つの提案があり、私たちが食生活を通じて取り組むことのできる、サステナブルライフスタイルへ導いてくれます。
エブリワン・ヴィーガン給食の意義
最も大切なことは児童全員が同じものを食べ、一緒に美味しいと感じ楽しめるという、食育にとても大切な、時間の共有ができることなのではないのでしょうか。
メニュー
清水校長がエブリワン・ヴィーガン給食を導入するにあたり、頭を悩ましたのが、いかに美味しく、そして成長期の児童達を満足させることができるかでした。
公立小学校では、標準となる献立が用意されています。
その中で、ヴィーガン食に置き換えやすい献立があるときに、同校ではエブリワン・ヴィーガン給食を取り入れているようです。
例えば、鶏肉の代わりに大豆ミートを入れた松風焼き、牛肉の代わりに豆腐で作るハンバーグキノコソース、そして大豆の揚げ煮など、動物性タンパク質の代わりに、大豆製品を使った料理をメインに、野菜やキノコでできたお味噌汁や副菜を添えた献立となっています。
初めてヴィーガン食を食べた児童は、教えられるまで普段食べている動物性タンパク質の給食とは気がつかず、美味しく食べたそうです。
まとめ
子どもたちに多様な価値観を知ってほしい、との思いから始まったエブリワン・ヴィーガン給食。
初めてヴィーガン食を食べた児童も、動物性食品を使っていないことに驚き、気づかなかったようです。
清水校長は児童たちにヴィーガンになってほしいとは思っていません。
アレルギーを始め、宗教の食事制限や価値観による食の選択など、たくさんの食の選択が、今では世界中にあふれています。
そのため、児童に食習慣が違っても、個人の価値観を尊重できる心を育てたいという気持ちから、食育の一環として導入された、エブリワン・ヴィーガン給食です。
参考サイト
東京の公立小学校で実現した“月1回ヴィーガン給食”取材レポート
八王子市立浅川小学校で「ヴィーガン給食」がスタート! ~ 公立学校としては日本初
「ヴィーガン給食」採り入れた公立小学校 みんなで食べられ、みんながおいしい
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