ヴィーガンクロマグロがもたらす海のサステイナビリティ
カリフォルニアの若者3人が、ヴィーガンクロマグロを開発。いったいどんなマグロなのでしょうか?そして、そこから考える、海のサステナビリティとは?
目次
ヴィーガンクロマグロを開発した会社、Impact Foodとは?
漁獲量の制限、養殖業の発展だけでは、マグロはあっという間に、絶滅の一途をたどってしまいます。
そこで、カリフォルニアのスタートアップ「Impact Food」によって開発されたのが、「ヴィーガンクロマグロ」です。
この会社はどんな企業で、また、ヴィーガンクロマグロとは、いったいどういうものでしょうか?
Impact Foodとはどんな会社?
カリフォルニアで創立された、Impact Food(インパクトフード)。
2020年に、カリフォルニア大学バークレー校で開かれたラボで出会い、2021年にスタートアップしました。
当時まだ、写真に写る、創業者である3人のうち2人は、学校に通っていました。
パンデミックのなか、試行錯誤を重ね、100%植物性の、ヴィーガンクロマグロを開発しました。
そして、ここをスタートに、さらなるサステナブルな製品開発に取り組むため、エンジェル投資家および、ベンチャーキャピタルから、50万ドルを確保することに成功しました。
参考:Veg News
ヴィーガンクロマグロとはどんなマグロ?
ヴィーガンクロマグロは、何からできているのでしょうか。
ソイミートや、培養肉からインスパイアされたという、ヴィーガンクロマグロ。
食品科学と、栄養学など、最先端の知識と技術を駆使して考案されています。
Impact Foodは、作り方に関しての詳細を、公表していません。
しかし、培養肉などの科学的な技術を応用していることは、間違いないと言えます。
ヴィーガンクロマグロは、何からできている?
製造方法は企業秘密としても、主となる原材料は、ホームページに記載されています。
ヴィーガンクロマグロは、エンドウ豆のたんぱく質、海藻で、そのテクスチャーや形を作り、ビーツの赤い色素で赤身を再現しています。
エンドウ豆のたんぱく質は、植物性のプロテインサプリメントにもなるほど、高栄養で知られています。
ヴィーガンクロマグロの栄養価は、本物とどう違う?
クロマグロと、エンドウ豆、ビーツの栄養成分をそれぞれに見てみます。
含有量は、多少の差異はありますが、クロマグロに含まれる栄養素のほとんどを、エンドウ豆とビーツで補えることがわかります。
成分表を見て、最も顕著なのが、クロマグロは、高たんぱく、低脂質、低炭水化物であるということです。
また、DHAが非常に豊富に含まれています。
BCAAと呼ばれる、バリン、ロイシン、イソロイシンというアミノ酸が豊富です。
これは、マグロが回遊魚であり、筋肉を常に使い続けているためです。
もちろん、BCAAは、人間の体が、筋肉を使って動いている限り、必要な栄養素です。
しかし、体の中で合成することができないため、食べ物から摂取しなくてはなりません。
これらの栄養素を、エンドウ豆、ビーツにどのくらい含まれているか、見てください。
たんぱく質や、BCAAは、マグロとエンドウ豆は、非常に近い量が含まれていますね。
代謝に関わるビタミンである、ビタミンB群も、よく似ています。