ヴィーガンとは、動物の命を搾取しない考え方のことです。
そのため、ヴィーガン食では動物性食材を摂らず、植物性食材のみを食べます。
自宅での調理の場合、自分で使用する食材や栄養バランスを考えた調理ができますが、外食となるとそうはいきません。
とはいえ、家で料理を作る時間がないので外食や中食(コンビニやウーバーイーツなど)に頼っているヴィーガン・ベジタリアンの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、外食時での栄養面の工夫について、管理栄養士が解説していきます。
外食で気をつけるべき栄養素
塩分と脂質
ヴィーガン・ノンヴィーガンに関係なく、外食時に多くとってしまいがちな栄養素は、塩分と脂質です。
その理由として、塩分、脂質はどちらとも味の「満足感」に関係している栄養素であるため。
外食では「満足感」を感じることが大事なため、必然的にこれら二つの栄養素が増える傾向にあります。
特にファストフードやレトルトでは、塩分と脂質が多くなりがちになります。
精製された炭水化物
白米や薄力粉で作られたパンや白砂糖と、塩分、脂質の組み合わせは血糖値を急上昇させる原因となります。
血糖値の急上昇・急低下は、強い睡眠欲や空腹、低血糖、そして体重増加の原因となるためできれば避けるのが好ましいです。
加えて、精製された穀類にはビタミン・ミネラルがほとんど含まれないため、副菜などの工夫で補う必要があります。
たんぱく質
ヴィーガンやベジタリアンの場合、お店によってはメインディッシュでヴィーガン対応のものがないことがあります。
その場合、サイドメニューや主食となるご飯類のみの食事になってしまい、たんぱく質が不足しやすくなります。
1日のうち一食のみたんぱく質の量が少ない、程度であればそこまで問題ではありません。
しかし、体のあらゆる部分を作るたんぱく質を毎日継続的に摂ることは必要不可欠であるため、できれば毎食一定量摂ることが好ましいです。
外食でのメニュー選びの工夫
大豆製品を最低一品選ぶ
メインディッシュにお肉か魚しかない場合、サイドメニューの冷奴など、たんぱく質源となる大豆製品を一緒に頼みましょう。
例えば居酒屋であれば、串物に厚揚げや、サイドメニューに冷奴や枝豆などがある確率が高いです。
お寿司やさんであれば、お豆腐のお味噌汁などがおすすめです。
日本には大豆製品が多く流通しているため、外食でも比較的選択肢のある食材です。
参考:【医師監修】大豆加工食品は毎日食べたい!健康にいい理由を徹底解析
副菜で野菜を摂取
ヴィーガンの場合、野菜の摂取不足の不安はそこまでありませんが、ファーストフード店などの主食中心(パンや麺、丼など)となるお店の場合は工夫が必要です。
ファーストフード店にも野菜系の副菜はあるので、一緒に食べるようにしましょう。
パンや麺類では補えない、ビタミンやミネラル(カリウムなど)を取り入れることをおすすめします。
麺類のスープは控えめに
最近では、ヴィーガン対応のラーメン屋さんが増えてきました。
そんなラーメンのスープは、やはり塩分が多く、全部飲み干すと1日の塩分摂取目標量(男性:7.5g、女性:6.5g)を超えてしまう可能性も否定できません。
塩分の摂りすぎは、むくみや血圧上昇を招き、体に負担をかけてしまいます。
毎回絶対に飲み干してはいけない、という訳ではありません。
しかしながら、元から高血圧気味である人は特に、1日の食事での塩分量などを加味して、控えめにするなどの工夫が必要です。
参考:手軽で美味しい!都内で食べられるおすすめヴィーガンラーメン10選
コンビニでは塩分に気をつける
コンビニで売られているものは、長期の保存性を求められるため塩分を多めに添加されている場合がほとんどです。
例えば、おにぎりはそのほとんどが塩分が約1.0gであり、おかず類でも塩分が4〜5gということも珍しくありません。
そんなコンビニで食事を選ぶ際は、塩分表示に着目して商品を選んでみましょう。
例えば、サラダのドレッシングの使用量を減らす、おにぎりではなくパックのご飯を買うなどでも塩分を減らすことはできます。
外食をする際はそれ以外の食事で工夫も必要
例えば、お昼に外食をするとわかっているときは、朝や夜にたんぱく質など不足しそうな栄養素を補いましょう。
日本ではヴィーガン対応を実装しているお店がまだまだ少ないのが現状で、特に地方にいくほどその割合は低くなります。
そのため、どうしてもノンヴィーガンな方と比べて選択肢が狭く、その分栄養面での心配は増えるのが現状です。
とはいえ、外食は心の健康のためにも、楽しむことが大事であります。
外食を我慢するのではなく、できる限りの配慮をしつつその他の食事で調整すれば問題ありません。
まとめ
東京を中心に、日本でもヴィーガンメニューを取り入れるお店は増えてきました。
そんな中で不安視されるのが栄養面でのバランスです。
基本的に外食は、「美味しいものを楽しむ」という経験的な側面が強いものです。
とはいえ、毎日外食をする方や、外食の機会が多い人は、今回あげたことを意識してみてください。