日本におけるヴィーガンとは?海外から見た日本のヴィーガニズムを徹底解説

日本におけるヴィーガンとは?海外から見た日本のヴィーガニズムを徹底解説

日本で浸透しつつあるヴィーガニズム。しかしその動きは世界に比べるとまだまだ遅れをとっています。海外から見た日本のヴィーガニズについて紹介します。

ハッピーキヌア編集部
2022年12月22日
日本におけるヴィーガンとは?海外から見た日本のヴィーガニズムを徹底解説
アクティビストや環境問題への危機意識の高まりから、ヴィーガニズムが世界中で盛り上がってきています。

 

欧米では、ヴィーガンのオプションを提供するレストランが増え、スーパーマーケットではより多くの植物由来の食品を販売するようになってきました。

ヴィーガンという言葉は、ジーンズから化粧品まで、あらゆる種類の商品に表示され始めています。

 

しかし、日本では、まだまだヴィーガニズムが浸透していないと、外国人の方達は感じているようです。

 

ヴィーガニズムとは?

ヴィーガンになる理由は、動物愛護、健康、または環境への懸念、そして人権、世界の飢餓の減少、および宗教的信念からであることが大きな理由です。

しかし、圧倒的多いのは、動物の権利、動物愛護がヴィーガニズムの最も一般的な動機です。

 

実際、ヴィーガニズムという用語は、1944年に、卵や乳業における動物の搾取に対して菜食主義は不適切な対応であると主張するヴィーガングループが、ヴィーガンソサエティを結成したときに生まれました。

 

今日、ヴィーガン協会は、最も広く使用されているヴィーガニズムの定義を、可能かつ実行可能な限り、食物、衣服のための動物のあらゆる形態の搾取、および動物への残虐行為を排除しようとする哲学および生き方としています。

 

ヴィーガニズムは環境保護主義にも影響

時が経つにつれて、ヴィーガニズムは欧米を中心に環境保護主義と一部絡み合うようになりました。

これは、畜産業が世界の温室効果ガスの14.5% を排出していることが判明しており、森林伐採、生物多様性の損失、水質汚染など、他のさまざまな環境問題と結びついているからです。

 

さらに、植物ベースの食事の健康上の利点と肉の消費の潜在的な健康リスクに関する科学文献 (特に加工された赤身肉))も、ヴィーガニズムにある程度の影響を与えています。

 

日本の菜食主義の歴史

日本は、政府による肉の禁止の長い歴史を持つ国。

西暦675年に天武天皇により制定された最初の食肉禁止令は、馬、犬、鶏、猿の消費を禁止し、稲作を促進しました。

 

W. Puck Brecher (パック・ブレチャー)は著書:Animal Care in Japanese Tradition(日本の伝統における動物の世話)の中で、批判的な動物理論家によって、抑圧的な動物の世話に貢献していると、長い間批判されてきたユダヤ・キリスト教の教えとは対照的に、日本の地方の宗教は動物の適切な扱いを奨励していると指摘しています。

 

しかし、肉と魚は禁止期間中にも継続的に消費され、ブレチャーの言葉を引用すると、人間にとっての動物の道具的価値は、認識された本質的価値を覆い隠し続けました。

日本の菜食主義の歴史は、肉食を非現実的にした経済的背景と、菜食主義を促進したが、人間の生活に不可欠であり続けた肉食を、完全に禁止することができなかった宗教的背景の中に位置しています。

 

日本のヴィーガンの実情

今日の日本は、観光客や外国人居住者の間で、ヴィーガンやベジタリアンとしているのが難しい国として知られています。

 

日本でヴィーガンになるのが難しい理由として、魚、動物由来のゼラチン、乳製品、動物抽出物があらゆる食品に含まれていること。

そして、ヴィーガンやベジタリアンのお客様向けの飲食店が少ないことが、海外のブログや YouTube 動画では、挙げられています。

 

ヴィーガニズムと菜食主義の概念に対する考え方の違いも挙げられるでしょう。

ヴィーガニズムの日本における社会的要素は、日本のヴィーガンとベジタリアンにとって最大の問題であると思われています。

 

ヴィーガンに対して負の感情を持つ日本人

2011年に行われた、日本人大学院生の日本国内での8人の菜食主義者の研究では、彼らのほぼ全員が、菜食主義の食事は本質的に不健康であると信じていた家族、友人、または同僚からの食事の干渉を経験したと報告しています。

一部の参加者は否定的なコメントだけを経験しましたが、他の参加者は、干渉は家族の集まりで肉を食べることを余儀なくされたと報告しました。

 

別の大学の論文では、ヴィーガンは同僚からの批判、孤立、非ヴィーガンとの関係における課題に苦しんでいると述べられています。

その結果、多くのヴィーガンは、人間関係を維持するために、他の人と食事をするときは、非ヴィーガン食をともに食することにしていることがわかりました。

 

非ヴィーガニズムは学校教育から?

2011年の記事で、ヴィーガンであるために否定的な経験を余儀なくされている問題は、日本の教育システムによって広められた、食に関する常識の問題である可能性があると示唆しています。

 

日本では、大多数の小中学校が標準化された学校給食、または給食を実施しています。

すべての生徒は同じ食事をする必要があり、ヴィーガンまたはベジタリアンのオプションが用意されていることはめったにありません。

 

学校給食は、子供たちにマナーと食べ物への感謝を教育する場として機能しています。

この教育により、私たちは個人の考えよりも、和を尊重することを学びました。

 

食に関して、すべての食べ物を尊重することを学び、食に携わる人々、そして命をいただくことへの感謝を学びます。

しかし、食の多様性については軽く触れられるだけです。

 

この食に関する教育は素晴らしいことですが、食の多様性が広まってきている今、食の多様性についての教育も必要なのではないのでしょうか。

 

東京の浅川小学校は、2021年にヴィーガン給食を定期的に提供する最初の学校になりました。

 

日本のヴィーガンにとってアクティビズムとは

ゆっくりとではありますが、ヴィーガニズムは日本で成長しています。

ヴィーガンオプションを提供する3千を超える店舗や飲食店に加えて、多数のヴィーガンおよびベジタリアンイベント、オンラインおよびオフラインのヴィーガンコミュニティ、そしていくつかのヴィーガン非営利団体があります。

 

たとえば、非営利団体 (NPO)ベジプロジェクトジャパンは、ヴィーガンの選択肢を広げ、日本のヴィーガニズムについての意識を高めることに重点を置いており、ヴィーガニズムは多様性、環境、動物の命、人々の生活を尊重する社会の重要な部分であると主張しています。

 

また、ヴィーガンのレシピとヴィーガンとしての、栄養要件を満たす方法に関する、情報を掲載するウェブサイトV Cookもあります。

 

まとめ

持続可能なフードシステムを実現するためには、裕福な国で肉の消費を75%削減する必要があると推定されています。

 

2019年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC) は、有望な効果をもたらす気候変動対策として食生活の変化を概説し、ヴィーガンの食事が排出削減の可能性が最も高いことを示しました。

 

日本のヴィーガン団体は、ヴィーガニズムに関心のある人々に、できる限りヴィーガンの選択をすることを奨励しています。

しかし、すべての団体は、ヴィーガニズムの選択肢を増やすことに重点を置いていますが、決してヴィーガンになることを強制せず、ヴィーガニズムを通して、私たちが直面している問題を考えるきっかけとなればと願っています。

 

日本では世界に比べてあまり浸透していないヴィーガニズムですが、ゆっくりと浸透してきていることはまぎれもない事実です。

 

参考記事

Veganism in Japan: How “soft” activism is changing minds in a meat-eating nation

 

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