ウォルマート、猿の虐待疑惑で人気ココナッツミルクブランドとの取引を中止
小売業界最大手のウォルマートが、PETAの調査により、猿の虐待疑惑があるココナッツミルクブランド「Chaokoh(チャオコー)」との取引をを中止することを発表しました。その背景についてご紹介します。
チャオコーは、タイで最も人気のあるココナッツミルクブランドの一つです。
米国では、大手スーパーに卸していますが、同社との関係を断つところが増えています。
PETAによれば、同社はココナッツの収穫に鎖でつながれ檻に入れられたサルを使っていると調査結果を出しています。
チャオコーのココナッツミルクの撤去を求める8万6千通の電子メールを受け取ったのは、ウォルマートだけではありません。
クローガー、ターゲット、ウェグマンズ、アルバートソンも、このブランドとの提携を解消したチェーン店です。
2019年、PETAアジアの調査員は8つのココナッツ農場を訪れ、それぞれでサルが虐待され、搾取されているのを発見したとしています。
また、サルのココナッツ狩り大会やサルの訓練施設も訪れ、そこでも同様の動物福祉違反があったことを記録しています。
2020年の調査では、この状況はほとんど変わっておらず、依然としてサルが虐待されていることがわかりました。
しかし、同じく2020年、ココナッツミルクのサプライヤーであるTheppadungporn Coconut Coは、プランテーションを監査した結果、サルは見つからなかったと発表しています。
猿とココナッツミルク
PETAの調査は、タイの地元プランテーションにとって悪影響を及ぼしています。
Theppadungporn Coconut Co(テッパドュンポーンココナッツコー )のエイフィサック・テッパドュンポーン専務は2020年、動物愛護団体の疑惑を受けて業界の売り上げが20~30%減少したと述べました。
しかし、PETAのトレイシー・レイマン副会長は、「PETAの暴露記事が次々と発表され、タイのココナッツ農場に残酷な行為が存在することが確認された」と主張しています。
さらに、「小売業者は次々とチャオコーの取り扱いを中止しています。ウォルマートの動物に優しい決断を賞賛します。」と付け加えました。
ワイルドライフ・フレンズ財団を設立し、タイで動物福祉アドバイザーとして活動しているエドウィン・ウィーク氏は、ナショナルジオグラフィックに対し、タイでは約3000匹のサルがココナッツ農園で働いていると考えていると語りました。
しかし、彼はまた、この慣習は滅び始めていると考えていると述べています。
ほんの10年半前には、おそらく1万5千匹ほどのサルが農園で働いていただろうと、彼は指摘し、ここ数年で急激に減少したことも強調しました。
まとめ
タイカレーやアイスクリーム、スイーツなどに使われるココナッツミルク。
よく購入される方も多いのではないでしょうか。
ココナッツミルクに限らず、私たちの身の回りにある食品や製品がどのような経緯を辿ってきているのか、店頭で知ることは難しいです。
ですが、商品を買うことは「買い物という名の企業への投票」です。
私たちは消費者としてどのような企業が販売しているのか、どのような製造、生産方法で作られているのか知る必要があります。
今回のチャオコーのココナッツミルクの販売停止を求めて、8万通を超えるメールが企業に届けられたことから、それが環境破壊や動物への虐待につながっている場合には、製品を買わない、声を上げていくことが、消費者としての責任であると感じている方が近年増えていることが読み取れます。
知らず知らずのうちに環境や動物に悪影響のある製品を購入していたということを避けるためにも、企業に関する情報やPETAの調査などはこまめにチェックしていきたいですよね。
ハッピーキヌアでは、今後もヴィーガニズムに関する様々な情報をお伝えしていきますので、ぜひご活用ください。