一家に一台の3Dプリンターが一般的に?ヴィーガン料理と食卓に革命を起こす「近未来的デジタル調理」を徹底解説
さまざまな食べ物を一つの機械で作り出すことのできる、3Ⅾフードプリンターの研究開発が進められています。NASAも注目する、最先端の技術を駆使したデジタル調理とは?その詳細を解説させていただきます。
食品もそのうちの一つであり、さまざまな食べ物をプリントアウトすることのできる装置「3Ⅾフードプリンター」の開発が今、世界中で進んでいます。
近い将来、未来の食卓を変えるといわれる、3Ⅾフードプリンターを使った「近未来的デジタル調理」とは、一体どのようなものなのでしょうか。
その詳細について、解説します。
3Dフードプリンターとは
従来から、調理にはキッチンやグリル、コンロやレンジなどが使われるのが一般的でした。
しかし、近年のデジタル技術の急速な進化により「3Ⅾフードプリンター」によって、さまざまな食べ物を作り出すことができるようになりました。
3Ⅾフードプリンターには、ペースト状にした数種類の食品を複数のノズルから抽出し、機械であらかじめ取り込んだデータをもとに、食品を立体的に造形するという仕組みが搭載されています。
人の手では難しい複雑な形状なども、機械のデジタル技術で容易に造形することができますし、食材の固さや味付けなども、そのつど好みに合わせて調整できるのが3Ⅾフードプリンターのメリットです。
現在、3Ⅾフードプリンターは、介護食や菓子作り、培養肉や代替肉の製造現場など、幅広く使用されています。
3Ⅾフードプリンターで作り出されるサステナブルなメニューをご紹介
固さや形を自由に調整できる3Ⅾフードプリンターを使って作られた、持続可能な未来へつながるサステナブルなメニューをご紹介させていただきます。
バイオプリンティング チキンナゲット
3Ⅾフードプリンターを活用すれば、SDGsにも貢献する「環境や動物にやさしい肉」を作りだすことができます。
2020年、ロシアの企業「3Ⅾバイオプリンティングソリューションズ」が、ケンタッキーフライドチキンと共同開発した3Ⅾプリントチキンナゲットが、ロシア国内で販売されました。
3Ⅾプリンターに搭載された、最先端のデジタル技術を用いて鶏肉の細胞パターンを記憶させ、バイオプリンティングによって作り出されたチキンナゲットは、従来の畜産で作られたものよりも、添加物が少なく安全・安心な成分からできています。
畜産とは違い、ⅭO2の発生や土壌汚染などの環境破壊を引き起こす心配もありませんし、何よりも食肉処理される鶏の命を救うことができるのがメリットといえるのではないでしょうか。
従来の食肉よりも、安全で地球環境にやさしい食肉が、3Ⅾプリンターによって作り出すことができるようになったのです。
プラントベースのステーキ肉
イスラエルの企業「Redefine Meat」では、3Ⅾプリンターを使った植物由来のステーキ肉の製造が行われています。
プラントベースステーキの材料には、食肉の代わりに大豆やえんどう豆やひまわり油など、植物由来のものが使用されています。
さらに、タンパク質などの栄養成分の含有量や見た目、味や食感に至るまで、まさに本物の食肉とそっくりにできています。
見た目を本物の食材に近づけることで、食欲が増進されます。
植物由来のステーキ肉が市場に流通することになれば、食肉のために犠牲になる牛の数を減らすことができるようになるでしょう。
環境や動物にやさしい植物由来のステーキ肉は、現在、ヨーロッパの一部のレストランにて提供されています。