フェアトレードって何?いまさら聞けないエシカルな取り組みを徹底解説
フェアトレードとは何かを説明できますか?ヴィーガンは絶対知っておきたいエシカルアクションを解説。メリット・気になる点や、商品、見分け方などをご紹介します
目次
フェアトレードのメリット
フェアトレードが行われると、生産者にとって、以下のようなメリットがあります。
生産者の生活安定を促進できる
フェアトレードが行われると、生活に必要なお金が安定して、十分に収入を得られることになります。収入の安定は、すなわち生活の安定に直結しますから、生産者は貧困から抜け出すことができます。
貧富格差は世界で大きな問題となっています。その国の中でも、ということもありますが、先進国と発展途上国では、大きな差があります。
フェアトレードは、その差を埋めるためのひとつの手段となり得ます。
労働者の健康を守れる
危険な農薬の使用や、防護服を着られないという劣悪な環境での労働を余儀なくされてしまいます。
当然、人体に影響のある農薬を使っている場合、それを皮膚や呼吸器をつたって体内に入ってしまうこともあり、それが原因で、体調を崩す労働者も、中にはいます。
フェアトレード商品は、そういった危険な農薬の使用を禁止しているので、労働者の健康を守ることができるのです。
危険な農薬を使わないことは、自然環境の破壊による動物たちへの影響を懸念する、ヴィーガンの方たちの考えや在り方にもよい影響が期待できます。
子どもたちの学習時間を確保できる
途上国の労働力の中には、子どもたちが含まれている事例もあります。
貧困からくる労働力不足で、子どもも働かなければはならないことを、児童労働といいます。
この問題は、フェアトレードによって作物に公平かつ正当な値段をつけて取引することで、子どもが生活費用を稼ぐ必要がなくなり労働から解放されることで、解決につながるのです。
子どもたちは勉強に時間を当てることができ、未来を切り開くきっかけを作ることができます。
フェアトレードの気になる点
フェアトレードというエシカルな取り組みは素晴らしいことです。
しかし、その一方で、気になる点もあります。それらをご紹介します。
法的な力が無い
フェアトレードは、支援や運動のことを指します。国際基準はありますが、実は法的な力がありません。そのため「基準を守らなくても罰せられることは無い」というジレンマがあります。
フェアトレードは、平等を目指し、倫理的かつ道徳的な取引を目指す、素晴らしい動きです。しかし、それが隅々まで行き届いているかと言われると、疑問が残る部分もあるのが現状です。
フェアトレードラベルの認証に時間がかかる
フェアトレードを認証してもらい、ラベルを付けてもらうためには、フェアトレードラベルを発行している機関に認めてもらう必要があります。
定期的に監査を行い、品質の安定化を図っているので信頼性は上がります。ところが、その監査に時間がかかってしまう、という点が気になる部分です。
この手続きはスムーズに行えるようにし、より多くの方の協力が得られるようにしてもらいたいところですね。
販売側のコストと負担の増大
フェアトレード商品は、生産者と正当な価格で取引するが故、相対的に他の商品よりも、高い価格で売られることがほとんどです。
そのため、フェアトレード商品の魅力を、いかにして消費者に伝えるかという、企業側の負担が増えてしまいます。
最近では、「フェアトレード」ということが付加価値の高いものであるという認識が、社会に広がりつつあります。
こんな商品もフェアトレード
フェアトレードが行われている代表的な商品は、以下のものです。
- コーヒー
- カカオ
- 紅茶
- スパイス・ハーブ
- サッカーボール
- はちみつ
- 切り花
コーヒーやカカオ、バナナは聞いたことがある方も、多いのではないでしょうか?上に挙げた例以外にも、コットン製品やワイン、油などもフェアトレード商品として扱われています。
また、フェアトレードされたものの中から、あらゆる動物への配慮を考えている、ヴィーガンの方のために作られた商品もあります。
チョコレートを例に挙げますが、フェアトレードが行われているカカオで作ったチョコレートは、製造の過程で添加物や動物性材料が使われていないものが多いです。
動物性のものを摂らないヴィーガンの方でも、手軽に美味しく甘いものが食べられるのは嬉しいですよね。