ハワイを含む各地でバルーンリリース禁止|その理由と環境にやさしいエコバルーンをご紹介
結婚式などで人気の演出バルーンリリースは、華やかな裏側で地球や生き物を苦しめています。そんな現状を受けて、ハワイを始め欧米各地で禁止条例まで出されました。この記事では、バルーンリリースが良くない理由に合わせて、バルーンリリースの代わりに活用したいエコな方法をご紹介します。
目次
バルーンリリースが禁止される理由とは?
アメリカやヨーロッパ、オーストラリアにて着々と禁止条例が出されているバルーンリリース。
カラフルでかわいいイベントとして人気ですが、なぜ辞めた方が良いのでしょうか。
放たれたバルーンは地球に戻ってくるため
考えてみれば当たり前の話ですが、ヘリウムガスによって空に押し上げられた風船は、何らかの形で地球に戻ってきます。
せっかくきれいなハワイのビーチを歩いているときに、風船の残骸があちこちに落ちていたら興ざめしますよね。
落ちてきた風船が電線に引っ掛かり停電を起こしたケースは、あちこちで散見されています。
今回禁止条例がでたハワイでは、施行前年度に約2000世帯が電気が使えなくなる、バルーンが理由の大規模な停電を経験しています。
問題となるのは風船だけではありません。
風船に繋がれた糸が、森に引っ掛かったり、海に落ちたりすることで、二次災害にも繋がっています。
海の汚染に繋がってしまうため
バルーンリリースで使われる風船の多くは、プラスチックでできています。
楽しい演出として放たれた風船の多くは、最終的に海のプラスチック汚染に加担していることが多いのです。
海で暮らす生態系が崩れてしまうだけでなく、湾岸地域の環境が悪くなるなどの影響が、すでに世界のあちこちで出ています。
海に流れ着いていくプラスチックごみの量は止まることをしらず、2050年には魚の量を超えてしまうのではないかというリサーチもされています。
マイクロプラスチックの問題については、こちらの記事でご紹介しています。海を汚染することで、自分たちの健康被害にも繋がっているという恐ろしい問題です。
生き物の誤飲に繋がるため
落ちてきたバルーンの切れ端を、海の生き物が食べてしまう事故が絶えません。
ハワイ州で活動している同NGO団体によると「ウミガメやアホウドリなどの海辺の生き物が、バルーンやリボンなどをクラゲと間違って食べてしまっている」と報告しています。
それならゴム風船を使ったら、ゴムは分解されるのでは?という意見もあります。
しかし、ゴム風船といえでも劣化するには半年以上の時間がかかり、海水で分解するには1年以上かかるとのレポートも。
原型をとどめたまま浮遊するゴムを、海の生き物が食べてしまうと、消化機能が詰まってしまい、最悪の場合死に至ります。
海辺に打ち上げあられた死骸を解剖すると、中からプラスチックやゴムが出てくることは多いそうです。
バルーンリリースの代わりに取り入れたいエコな演出
お祝いの場面が地球を苦しめていると知ってしまった以上、続けていくのは心苦しい。
でも、何か華やかなことはしたい!という方に向けて、バルーンリリースの代替案をご紹介していきます。
シャボン玉
風船ではなくシャボン玉を一斉に吹くのはいかがでしょうか。
お天気の良い日であれば、キラキラとしたシャボン玉が青い空に向かって上がっていくのはインスタ映え間違いなしです。
ゴミが出ないことに加えて、シャボン玉液は手に入れやすいというのもポイントです。
コンフェッティ
最近話題のコンフェッティをご存じですか?
紐を引っ張るとパン!と音のするクラッカーがありますが、音と同時に様々な形をしたカラフルな紙吹雪が飛び出てくる仕掛けです。
空や天井めがけて打ち上げると迫力がありますよ。
バルーンドロップ
バルーンを使いたいという場合は、バルーンドロップという演出があります。
空に放ってしまうのではなく、室内で天井から一斉にバルーンを落とすという方法です。
上に登ってしまうヘリウムガスを使わないので、たくさんの風船がふわふわと下に落ちてくる様子は幻想的です。
自然に返る和紙風船
どうしてもバルーンリリースがしたい!という場合には、「エコ風船」とも呼ばれる和紙でできた風船があります。
いわゆる紙風船とは異なり、見た目もゴム風船と変わらないのが特徴です。
100%自然繊維でできているので、海や森に落ちた後は自然分解してくれます。
エコな風船についてはこちらの公式ホームページをご確認ください。
ただし、紐をつけてしまうと紐そのものが森に絡まったり、海の生き物に引っ掛かるリスクがあるので、放つときは紐をつけないように注意しましょう。
まとめ:お祝いを地球環境にもやさしく楽しもう
カラフルな風船が青空に向かって登っていくのは、見ているととても気持ちがい良いものです。
だからこそ、ハレの日である結婚式や卒業式などで使われることの多いバルーンリリース。
しかしそんな嬉しいイベントが、実は地球や生き物を苦しめているという現状がありました。
実際に停電などの二次災害を起こしていたり、死んでしまったウミガメのおなかからバルーンの切れ端がでてきた状況を目の当たりにしたハワイ州。
見て見ぬふりはできないと多くの人が署名運動に参加した結果、2023年からバルーンリリースは禁止との条約ができたばかりです。
プラスチックごみを増やしてしまうこの演出は、これからますます風当たりが強くなりそうです。