カナダグースもアニマルファー使用停止に!ファーを取り巻く世界情勢をご紹介
世界的に有名な高級ダウンジャケット「カナダグース」が、コヨーテの毛皮の使用を停止するの発表しました。近年、アニマルファーを取り巻く世界情勢とともに、ご紹介。
カナダグースといえば、世界中に広く知られている防寒用衣類のラグジュアリーブランドです。
日本でも、ビームスやユナイテッドアローズなどから日本人の体型に合わせたコラボアイテムが展開されるなど、幅広い世代に人気があります。
なぜ「カナダグース」は、毛皮の使用を停止することにしたのでしょうか?
現在のアニマルファーを取り巻く世界各国、ファッションブランドの情勢と併せて、みなさんに解説させていただきます。
カナダグースと毛皮
カナダグースのダウンジャケットは、実際にエベレストへの登山家や南極観測隊にも提供されており、さらに、一緒に商品の開発を行うことで、本格派のダウンジャケットとして優れた防寒性とクオリティを備えているとして、世界中で愛用されています。
ただ、ダウンジャケットのフード部分のふちには、極寒の地で人間の顔を凍傷から守るために「コヨーテの毛皮」が使われており、このリアルファーが動物愛護の観点から問題になっていました。
今回の発表では、ブランドのシグネチャーアイテムともいえる「コヨーテの毛皮」の使用を停止することが決定されたのです。
リアルファーの使用停止を決めた背景
コヨーテの毛皮の使用を停止する理由について、カナダグース側は「二酸化炭素の排出量や、水の使用量を減らし、より持続可能な企業になる」という取り組みの一環だとしています。
しかし、長年にわたり動物権利保護団体PETAなどがカナダグースに対し、罠としてトラバサミを使うなど、残虐な方法で捕獲されたコヨーテの毛皮の使用をやめるように呼びかけていたことも事実です。
また、カナダグースが株式市場に上場した際には、経営方針に影響を与えることを目的として、株式を取得していました。
PETAは、今回のカナダグースの毛皮使用停止の決定を称賛し、デモや抗議活動を一時停止するとしたものの、引き続きダウンの使用停止を求めて交渉を持続するとしています。
動物権利保護団体PETAについては、こちらのハピキヌの記事もご参考になさってください。
リアルファー禁止へ向けての世界の動向
2000年に、世界に先駆けてイギリスが「毛皮用動物の飼育禁止」法案を可決し、2003年から禁止しました。
近年では、とくに欧州(ヨーロッパ)で、ファッションに本物の毛皮を使用することへの反対の動きが強まっており、以下の国々では、すでに毛皮製品の製造が禁止されています。
- イギリス、オーストリア、クロアチア、チェコ・スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、ドイツ、ノルウェー、ベルギー、ボスニア・フェルツェコビナ、マケドニア、ルクセンブルク
さらに、2021年6月4日には、エストニアの議会でも毛皮用動物の飼育禁止が可決されるなど、欧州を中心に、アニマルファーフリーな世の中に向けて動き出しています。
ちなみに、日本国内では、2016年に最後に残った毛皮用ミンク養殖農場が閉鎖され、現在は毛皮用動物の養殖は行われていません。