欧米で流行!サステナブルなモノづくり、Cradle to Cradleとは?
Cradle to Cradleという考え方をご存知でしょうか。「消費が済んだら、ゴミ箱に入れるのではなく、次のモノづくりに活かそう」という発想です。新しい品質基準であり、世界をより良い場所にしていくには不可欠のCradle to Cradleという考え方について、この記事では出来るだけ分かりやすくご紹介していきます。
今までの大量生産・大量消費という考え方は、世界のあちこちに大きなゆがみを生み出しています。
そこで取り入れていきたいのは、Cradle to Cradleという考え方。一言でいうと「消費が済んだら、ゴミ箱に入れるのではなく、次のモノづくりに活かそう」という発想です。
新しい品質基準であり、世界をより良い場所にしていくには不可欠のCradle to Cradleという考え方について、この記事では出来るだけ分かりやすくご紹介していきます。
加えて、既に取り組みを始めている企業も具体例として見ていきましょう。
Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごまで)とは?
この聞きなれないフレーズはどこから来ているのでしょうか。ユニークな文字遊びと、その背景を読み解いていきましょう。
「ゆりかごから墓場まで」ではなく「ゆりかごまで」とは?
「ゆりかごから墓場まで」というフレーズは、聞いたことがある方も多いかもしれません。
第二次世界大戦後、イギリスが福祉国家として社会保障制度を強化していた時に掲げていたスローガンです。「生まれたときから、亡くなるまでをしっかりサポートします」という意味です。
このスローガンを文字って「ゆりかごからゆりかごまで」としたのが、この「ゆりかごからゆりかごまで」という新しい概念です。
もともとはスイスの建築家が提唱した考え方ですが、1980年代後半にアメリカの建築家のウィリアム・マグダナ氏とドイツの科学者のマイケル・ブラウンガート氏によって、国際的に広められることとなりました。
「ゆりかごからゆりかごまで」ってどういうこと?
「ゆりかごから墓場まで」をモノのライフサイクルに当てはめると、工場で作られてから、墓場=つまりゴミ箱までという意味になります。
従来のモノづくりはまさにこの考え方で、生産者は「作る」ことだけ考えていました。そして消費者はそれを「消費」して、使い終わったら「ゴミ箱に廃棄する」というのが普通のプロセス。
いわゆる大量生産・大量消費社会では、当たり前の考え方です。
それをひっくり返すのが、この「ゆりかごからゆりかごまで」という考え方。つまり、工場で作られてから、消費者が使った後、また「ゆりかごに戻す」ということです。
使い終わったもの、消耗したものを、ゴミ箱に廃棄するのではなく、もう一度原料として使ったり、別の形にして使いなおすという循環型サイクルを意味します。