健康志向の高まりを受けて、低糖質・高たんぱくの「代替肉(だいたいにく)」が注目を浴びています。
2020年8月27日、大手ファストフードチェーンのケンタッキーフライドチキン(KFC)は、アメリカ・ジョージア州のアトランタのひとつの店舗にて、植物だけで作られた「フライドチキン」を1日限定で無料提供しました。
ここでは、ケンタッキーのヴィーガンチキンへの取り組みを中心に、気軽に食べられるヴィーガンミートを使ったファーストフードについてご紹介します。
ヴィーガンミートとは?
「ヴィーガンミート」とは、大豆やえんどう豆などを主な材料として作られる、植物性代替肉のことです。
健康志向の高まりから、ベジタリアンやヴィーガンのように、植物性のものだけを食べる方だけではなく、フレキシタリアンと呼ばれる、肉の摂取をできるだけ減らそうという方も増えています。
そんな方たちのために、本物の肉にそっくりの味や食感を持つ、さまざまな種類のヴィーガンミートが開発されています。
中でも、アメリカで最も注目を浴びているのは、2019年に世界で初めてNASDAQ上場を果たした代替肉企業ビヨンド・ミート(Beyond Meat)の商品です。
Mediterranean Beyond Burgers on a Monday… because summer grilling is for more than just the weekend.
Full recipe here: https://t.co/KvOUgC8Ezw pic.twitter.com/AnUv5LObWv
— Beyond Meat (@BeyondMeat) July 28, 2020
見た目のみならず、味や食感も本物の肉にたいへん似ているため、言われなければ代替肉とは気付かないほどです。
このビヨンド・ミート社が、今回ケンタッキーと提携して開発したヴィーガンチキンが「ビヨンド・フライドチキン」です。
ケンタッキーの「ヴィーガンチキン」への取り組み
2019年、ケンタッキーフライドチキン(KFC)は、現在のスタンダード商品に対してより健康志向の高い代替品として、ビヨンド・ミート社と提携して「ヴィーガンチキン」を開発すると発表していました。
その開発の結果、2020年8月27日に試験的に提供されたのが、「ビヨンド・フライドチキン」です。
It’s Kentucky Fried Chicken but it’s made with @BeyondMeat. It’s confusing, but it’s also delicious. Feast on these Kentucky Fried miracles tomorrow while they last at KFC in Atlanta, Georgia. pic.twitter.com/lC5oYM1cmk
— KFC (@kfc) August 26, 2019
写真で見る限り、本物のチキンそっくりでおいしそうに見えますね!
米KFCは、数多くのファストフードチェーンとの厳しい市場競争の下にあって、長らく成長が停滞していました。さらなるビジネス拡大のために、ヴィーガンやベジタリアン向きの代替肉を使ったメニューの開発と提供に乗り出しました。
健康や環境への意識の高まりを受けて、世界各国のスーパーマーケットや飲食店で植物性代替肉の人気が高まっていますが、全米展開するファストフードチェーンでビヨンド・ミートの代替肉を使ったメニューが提供されるのは初めてのことです。
SoCal, meet Beyond Fried Chicken. We teamed up with our friends at @kfc to bring a sneak peek of our delicious plant-based chicken to our hometown.
The Kentucky Fried Miracle will be available at 50+ select KFC SoCal locations starting Monday – while supplies last. pic.twitter.com/tJ0C2iLtjN
— Beyond Meat (@BeyondMeat) July 16, 2020
KFCによれば、今回の「ヴィーガンチキン」については、他の商品と同じフライヤーで調理されるため、厳格なヴィーガンには準拠せず、肉の摂取量を減らしたい「フレキシタリアン」の顧客をターゲットにしているとのことです。
また、KFCによれば、植物由来とはわかりにくく、通常のものと同様に「ケンタッキーフライドチキンの味」がする、と自信を持っています。
今後は顧客の反応次第で、さらなる試験提供や全国展開などを決めるとのことです。
その他の植物性代替肉を使ったファストフード
欧米では、他にもいくつかの大手ファストフード店が植物性代替肉を使ったメニューを取り入れ始めていて、注目を集めています。
メキシコ料理チェーンの「デル・タコ」では、ビヨンド・ミートを使った「ビヨンド・タコ」を販売して、売上を伸ばしました。
They say 2 is better than 1! When it comes to #BeyondTacos, made with @BeyondMeat on #MeatlessMonday, we have to agree. 🌮🌮 Buy 1 Beyond Taco or Beyond Avocado Taco, Get 1 FREE in the Del Taco App. 📸: @veggiegirleatsworld pic.twitter.com/4vg4mSNRvU
— Del Taco Restaurants (@DelTaco) August 12, 2019
その他、ハンバーガーチェーンでは、既に植物性代替肉のメニューを提供しているところもあります。
バーガーキングでは、代替肉のハンバーガー「インポッシブル・ワッパー」の販売を全米で開始しています。
また、マクドナルドは、一部でヴィーガンハンバーガー(McVegan)を販売しており、スウェーデンやフィンランドなどでは、既に定番となっているそうです。
日本のヴィーガンミート動向
日本でも、同じように植物性代替肉のメニュー開発が進められています。
2020年5月21日、モスバーガーは「グリーンバーガー」の販売を始めました。モスのグリーンバーガーは動物性の食材を使わないだけではなく、五葷(ごくん)と呼ばれる5種類の野菜(ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ネギ、タマネギ)も使っていません。「オリエンタルヴィーガン」と呼ばれる人は、これらの匂いが強く精力がつく植物も避けているためです。これは、アジアの企業らしい配慮とも言えるでしょう。
モスバーガーの「グリーンバーガー」については、こちらの記事もご覧ください!

また、オランダ発のベジタリアン向け食品販売会社、ベジタリアンブッチャージャパンは、2020年9月2日より、「ゴーストレストラン/The Vegetarian Butcher Delivery池袋店」をオープンしました。
(引用元:PR TIMES|日本初!プラントベースドミート専門の「ゴーストレストラン」が9月2日OPEN!メインのハンバーガーは植物性由来のプラントベースドミート!?)
ゴーストレストランとは、ニューヨーク発祥のビジネスモデルで、間借りしたキッチンで調理を行い、UberEatsなどのデリバリーサービスを通して注文を受け、配達するという仕組みです。現在は、池袋、新宿、中野など都内12箇所に拠点があり、3㎞範囲内で配達してくれます。サービスが利用可能なエリアについては、下記のリンクからご確認ください。
The Vegetarian Butcher Delivery
まとめ
今回ご紹介したように、国内外の大手ファストフードチェーンなどでは、ヴィーガンやベジタリアン、フレキシタリアンのための植物性代替肉メニューの開発を進めています。
健康のため、環境のため、動物愛護のため、とヴィーガンになりたいと思う理由はさまざまですが、いきなりヴィーガンのライフスタイルに切り替えるというのは難しいものです。
まずは食生活を変える一歩目として、気軽に食べられる「ヴィーガンミート」のフライドチキンやハンバーガーを試してみてはいかがでしょう?
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