ヴィーガンと環境問題|畜産業が地球温暖化に与える影響はどれくらい?
畜産業による地球温暖化をはじめとする気候変動への影響を詳しくご紹介。SDGsの目標の1つにもある「気候変動に具体的な対策を」にヴィーガンであることで貢献できる理由や地球温暖化以外で畜産業が影響している環境問題についてもご紹介します。
他の専門家の意見
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国連は、気候変動の最悪の影響に立ち向かうためには、世界的に植物性食品へのシフトが不可欠であると考えています。
世界的に見ても、畜産業は世界中の交通システムを合わせた数よりも多くの温室効果ガスを排出しています。
オックスフォード大学の研究では、肉食者はベジタリアンの約2倍、ヴィーガンの約2.5倍の温室効果ガスを1日に排出していることが明らかになっています。
研究者らは、お肉を1日3.5オンス(約99g)以上食べる人の食生活は、1日あたり15.8ポンド(約7㎏)の二酸化炭素相当量(CO2e)を排出していることを発見しました。
また、肉食者の食事による温室効果ガスの排出量は、ベジタリアンよりも50~54%高く、ヴィーガンよりも99~102%高いことが示されました。
全体として、動物性食品の生産は、ヴィーガンの生産よりも有意に大きな温室効果ガスの排出を引き起こすと結論付けています。
世界中の他の多くの科学者も同じ結論に達しており、カリフォルニア州のロマ・リンダ大学の研究者は、ヴィーガンは肉食者よりも温室効果ガスの発生量が41.7%少なく、二酸化炭素排出量が最も小さいことを発見しました。
スウェーデンのチャルマーズ工科大学の科学者たちが、気候変動に対抗する方法を計算したところ、輸送やエネルギー使用による温室効果ガスの排出量を削減するだけでは、気候変動を抑制するには十分ではないことがわかりました。
この研究の主任科学者であるフレドリック・ヘデヌス博士は、「肉や乳製品の消費量を減らすことが、農業による気候汚染を安全なレベルまで下げるためのカギとなる 」と述べています。
同様に、イギリスの海外開発研究所のイルミ・グラノフ氏は、石炭や自動車のことを問題とするよりも、「気候変動に対処するための最も早い方法は、人々が食べる肉の量を劇的に減らすことだ」と政府関係者に促しています。
国連は、食用動物を飼育することは、「地域的なものから地球規模のものまで、あらゆる規模で、最も深刻な環境問題に貢献している上位2~3位の1つである 」としています。
気候変動に歯止めをかけるために、私たち個人ができる最も強力なステップは、肉、卵、乳製品を食べるのをやめることなのです。
(出典:PETA「Fight Climate Change by Going Vegan」)
一見関係ないように感じた方も多い、「ヴィーガンと地球温暖化による気候変動の関係」ですが、畜産業による地球温暖化を考えた時、お肉や卵、乳製品の摂取をやめることは大変意義のあることだと言えるでしょう。
実際、これらの環境問題への関心から、ヴィーガンを実践している人たちも増えていますが、今後さらに増えていくことに期待したいですね。
急にヴィーガンになるのは難しいですが、週に1回だけ、月曜日はお肉を食べないようにするのはいかがでしょうか?気軽に実践できる「ミートフリーマンデー」の記事も参考にしてくださいね。
ミートフリーマンデーとは?気軽にヴィーガン・ベジタリアンを始めてみよう
お肉をプラントベースに置き換える際に役立つレシピも参考にしてください。
お肉を植物性食品に置き換えよう!ストレスなく痩せられるプラントベースレシピ9選
続いて、家畜による気候変動に加え、「飼料生産」との関係も述べられている論文もご紹介します。