【台湾】100人以上の選挙候補者が「ミートフリースクール」支持を公約
台湾 では、地方市長・議員選挙の際に100人を超えるの選挙候補者が「ミートフリースクール」を支持すると公約に署名しました。菜食への方針が政治に影響を与えはじめている台湾の現状をお伝えします。
選挙直前に行われたキャンペーンとして、ミートフリーマンデーを推進する台湾の団体は、「私は喜んでベジフレンドリーな候補者になり、ミートフリースクールを支持します」と表明する公約を打ち出し、候補者署名を募ったと述べています。
この公約は、候補者に対し、台湾国内の学校において健康的なプラントベースフードを使った食事へのアクセスを改善することを支持し、促進するよう呼びかけるために打ち出されました。
ミートフリーマンデー台湾は、100人以上の政治家候補者に対し、台湾の学校でのミートフリーデーを支持するよう求めたこのベジフレンドリー公約に署名してもらうことに成功したと公表しています。
その結果として、48名のベジフレンドリーな候補者が選出されました。
同団体は「この公約が単なるスローガンになることなく、政策として学校の子供たちに本当の利益をもたらすことができる」と期待感を示しています。
ベジフレンドリー候補者たちの素早い反応
キャンペーンの主催者によると、候補者たちは多忙なスケジュールにもかかわらず、ミートフリーマンデー台湾による呼びかけへの反応は早く、わずか5日間で100人以上の候補者が公約に署名したそうです。
「ミートフリーマンデー台湾」の主催者であるChang Yu-chuan氏は、14人の県知事(候補者総数95人のうち14%)と101人の市議会議員候補(候補者総数1636人のうち6%)が公約に参加したと述べています。
当選した候補者の政党議席数を比較すると、菜食主義の市長は13.6%、菜食主義の議員は5.3%を占めています。
その結果、ミートフリーマンデーによると、選挙で選ばれたベジフレンドリーな議員の数は、台湾の第3党に匹敵する規模になったそうです。
プラントベースの食事に関する議員の考え方やスタンスが、少なからず今回の投票結果に影響を及ぼしていることを表しています。
子供の発育にとって欠かせない植物性の食事
成長期の子供や学校に通学する若者たちにとって、ミートフリースクールとしての取り組みは、週に一度、健康的な野菜を中心としたプラントベースの食事にアクセスできることを意味します。
台湾では、すでに何年も前から学校でのミートフリーマンデーが実施されています。
しかし、主催者によれば、この措置はあくまで自主的なガイドラインであり、強い支持は得られず、参加する学校も少なかったといいます。
そういった状態の対応策として、台湾の生命保険協会は、学校給食の予算増額とプラントベース料理のトレーニングコースの提供という2つの具体策を進めてきました。
これらの具体策は、給食事業者が、子どもたちが喜ぶおいしい食事を作り、食べ残しを減らせるようにするための施策です。
プラントベースの食事の重要性を支持する政治家が増えることで、こういった流れに支持が集まり、まだミートフリーを取り入れていない学校での実施も期待されています。
行政と連携することの重要性
ミートフリーマンデー台湾によると、全国の学校のうち、台中市と台南市が最も実施状況が良いとのことです。
これらの地域では、学校給食の規則が地方レベルで改正されており、地方自治体の関与の重要性が浮き彫りになっているとしています。
ミートフリーマンデー台湾は、活動に関して以下のように述べています。
「高品質でおいしい野菜中心の給食は、健康増進、政府の財政支出の削減、地球環境保護に貢献することができます。
そして、この公約が単なるスローガンにならず、学童たちに真の利益をもたらすために、地方議会が学校給食調達の実態を理解し、困難を解消することが非常に必要なのです。」
まとめ
台湾では「台湾素食」という菜食文化があり、人口の14%ほどが台湾素食のライフスタイルを実践しているなど、健康や宗教的理由など様々な理由で菜食文化が身近に根付いています。
歴史のある台湾素食ですが、近年では欧米のヴィーガニズム、ベジタリアンの潮流と共に、より環境保護や動物愛護の意味を帯びて、より多くの人々が素食を実践するようになっています。
国民の声を代表する政治家の役割としても、「ベジ」へのスタンスが意識され始めている台湾の政治。
ミートフリーマンデーのような団体の取り組みが、候補者の公約を可視化し、若者の政治参加を促すことにも繋がっているでしょう。
地理的にもとても近い台湾の影響で、日本でもプラントベース給食への議論がより活発になっていくかもしれません。
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