マクロビとヴィーガンの違いとは?食生活の観点から、わかりやすく解説
マクロビとヴィーガンには食べる物の違いはありますが、食べ方の原則に共通点もあるため両者が混同されやすいのかもしれません。詳しく解説します。
「ヴィーガンは植物性の食品しか食べないけれど、マクロビはどうなの?」という疑問に、マクロビとヴィーガンの食生活を比較しながら解説します。
また、マクロビとヴィーガンの料理を写真で見て、実際にどんな食事をしているのかを具体的にイメージしてみます。
マクロビとヴィーガンは食べる物や食べ方が違う
マクロビは「マクロビオティック」の略で、英語やフランス語で「大きい・長い(マクロ)」「生命(ビオ)」「方法(ティック)」といい、桜沢如一(さくらざわゆきかず)が1930年代以降に提唱した、「長寿法」です。正しい生活と食事を実践することで健康を維持し、体質を改善することを目的としています。
ヴィーガンは、1944年にイギリスでヴィーガン協会が設立されたときに、ドナルド・ワトソン氏が命名したのが始まりといわれています。「動物を搾取しない」「動物を殺さない」という動物福祉の精神から始まったライフスタイルのことです。
マクロビとヴィーガンはそれぞれ成り立ちが異なりますが、食事についてはどのように違うのでしょうか。
マクロビには食事に関する原則がいくつかあります。そのうちの主なものを3つご紹介しましょう。
- 身土不二(しんどふじ)の原則
人間の体と人間が暮らす土地は一体であるとし、自分が暮らす土地で作られた作物を食べる。
- 穀菜食中心の原則
無農薬・自然農法の穀物や野菜を中心とした食事をする。
- 一物全体(いちぶつぜんたい)の原則
野菜は、根、茎、葉などの全体をできるだけ食べる。白米より玄米、小麦粉は全粒粉を使用。魚類では大きな魚より小魚を食べ、また、精製した白砂糖は避ける。
一方、ヴィーガンは、動物福祉から始まったライフスタイルのため、肉や魚、卵や乳製品、はちみつなどの動物性の食品を摂りません。
マクロビとヴィーガンの食べるものをまとめると以下のようになります。マクロビでは、上で挙げたような原則で定められた食品以外は、個人の自由選択です。そのため、△は「あまり食べない」「個人の自由選択」、×は「食べない」を表しています。
肉 | 魚 | 卵 | 乳 | はちみつ | |
マクロビ | △ | △ | △ | △ | △ |
ヴィーガン | × | × | × | × | × |
動物性の食品に関しては、マクロビは穀菜食中心の原則があるため、あまり食べない、もしくは個人の自由選択となっており、ヴィーガンは動物福祉の考えなどからまったく食べません。
マクロビとヴィーガンでは食べる食材が異なるため、食生活ももちろん違います。とはいえ、マクロビは肉や魚などの動物性をあまり食べないことから、ヴィーガンに近い食事になると言えるでしょう。
それでは、実際にマクロビとヴィーガンの食事はどのように違うのでしょうか。次に写真を見ながら解説していきます。
マクロビとヴィーガンの違いについては、こちらの記事もご覧ください。
ヴィーガンやベジタリアンとマクロビの違い、関係は?詳細を徹底解説します
マクロビは動物性も時には食べ、玄米を積極的に摂る
マクロビは、身土不二、穀菜食中心、一物全体の原則の原則があることを見てきましたが、その中の一つ、玄米や全粒粉を使うのが大きな特徴です。ここでは、マクロビらしい料理をピックアップしてご紹介します。
マクロビのごはん
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日本の伝統的な料理を中心に考えられた朝食。体にも優しそうですね。無農薬の玄米や、卵を食べるマクロビならではの料理「卵焼き」が登場します。
*メニュー*
- 無農薬玄米
- かつお梅干し
- 味噌汁
- プチトマトの塩昆布ごま油和え
- 卵焼き
- 焼きスナップエンドウ
※参照:katsumi.k789さん
味噌汁の油揚げやニンジン、おかずのトマトやスナップエンドウなど、穀菜食中心で野菜たっぷりのごはんです。
マクロビの菜の花パスタ
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野菜だけで作ったパスタ。菜の花やたけのこを加えて、そのときの旬の食材を使います。
*主な食材*
- 全粒粉スパゲッティ
- 竹の子
- 菜の花
※参照:ohsawa_japan_recipeさん
全粒粉スパゲティで、穀物をまるごと食べる一物全体の原則を満たしています。また、野菜とパスタで、穀菜食中心の食事になりますね。マクロビだけでなく、ヴィーガン食としても活用できます。