野菜・果物を多く摂るほど死亡率低下?プラントベースで身体だけでなく心の健康も

野菜・果物を多く摂るほど死亡率低下?プラントベースで身体だけでなく心の健康も

野菜と果物の摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低下!精神面にも良い影響を与えるという、ヴィーガンとしては嬉しい研究論文をわかりやすくご紹介します。

ハッピーキヌア編集部
2021年02月16日
野菜・果物を多く摂るほど死亡率低下?プラントベースで身体だけでなく心の健康も

野菜・果物を摂ることでの身体面への影響

野菜・果物を摂ることで死亡率が低下する

イギリスの医学誌であるBMJ(British Medical Journal)に掲載された論文によると、果物や野菜の摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低下し、特に心血管死が有意に抑制されることが分かりました。

 

この調査研究では、野菜と果物の摂取量と全死因死亡、心血管死、がん死の関連を検討するために、複数の臨床研究のデータを収集・統合し、統計的方法を用いたメタ解析を行いました。

16の前向きコホート研究(結果に関連付けられるであろう要因から特定の疾病発生までを時間の流れに沿って追跡する手法)に登録された、833,234人の参加者が対象となりました。

4.6~26年の追跡期間中に、833,234人の参加者中、56,423人の死亡(心血管疾患から11,512人、がんから16,817人)がありました。

 

野菜と果物の摂取量が多いほど、全ての疾患原因による死亡リスクの低下と有意に関連していました。

野菜と果物の摂取が1日に1食分増加するごとに、全死因死亡リスクが平均5%ずつ低下しましたが、異質性が有意に高かったようです。

1日に5食程度の果物、および野菜を摂取しても、その後の全死因死亡率のリスクはさらに低下しなかった事から、1日5食が数値的な境界線と考えられました。

 

心血管死亡率については明確な関連性がありましたが、果物および野菜のより高い摂取はがん死亡率のリスクと明確には関連していませんでした。

 

このメタ解析は、果物と野菜の消費量の増加が、全死因死亡率、特に心血管死亡率のリスク低下と関連していることを示すさらなる証拠を提供しています。

(出典:BMJ「Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies」

 

病気予防や健康的な食生活として、野菜と果物を多く摂取する事は以前から推奨されていますが、今回のように摂取量に基づいて検証したメタ解析はこれまで行われていなかったようです。

今回の結果から、身体の健康のために、野菜と果物の摂取量を増やすということは、根拠のあることだと分かりました。

 

上記の研究では、野菜と果物のより高い摂取はがん死亡率のリスクと明確には関連しなかったようですが、野菜と果物には、がんを予防する可能性はあるようです。

そこで、その点に関してもご紹介します。

 

野菜や果物にはがんを予防する可能性がある

Cancer Councilによると、果物や野菜には、がんを予防する可能性があるとされています。

 

果物や野菜は、腸や食道、胃のがんから身を守ることができ、果物は肺がんを予防する可能性があります。

果物と野菜は、健康的なバランスのとれた食生活に欠かせないものであり、繊維質・ビタミン・ミネラルを豊富に含んでいます。

また、果物や野菜には抗酸化物質などの天然の保護物質が含まれており、がんの原因となる物質(発がん物質)やがん細胞を破壊することが可能です。

 

果物や野菜はエネルギーが低く、繊維質が多いため、満腹感を得やすく、食べる量が減る可能性がある点から、健康的な体重を維持するのに最も有用であると考えられます。

太りすぎと肥満 は、腸・食道・腎臓・肝臓・膵臓・胆嚢・子宮内膜(子宮内膜)・卵巣・閉経後の乳房・前立腺(進行)など、いくつかのタイプのがんへの危険因子とされます。

(出典:Cancer Council 「Fruit and vegetables」

 

肥満はがんのリスク要因の1つですが、果物や野菜などのプラントベースの食事を摂るヴィーガンはBMIの低いことが多く、がんへのリスクも低くなると考えられるようです。

 

野菜と果物を摂ることでの身体への良い影響がお分かり頂けたところで、精神面にも良い影響を与えることが分かった研究結果を次にご紹介します。

 

野菜・果物を摂ることでの精神面への影響

野菜と果物を摂取することが、精神面も健康にするという研究もありますので、いくつかご紹介します。

 

野菜と果物の摂取量を増やすと幸福度と生活満足度が高まる

アメリカの公衆衛生専門誌、American Journal of Public Health (ajph)に掲載された論文によると、野菜と果物の摂取量を増やした人々は、食生活を変えなかった人々よりも幸福度と生活満足度が高かったという報告があります。

 

イギリスのウォーリック大学とオーストラリアのクイーンズランド大学の研究により、野菜と果物の消費量の増加後に、幸福感の改善が起こるかどうかが調査されました。

オーストラリアの世帯・所得・労働動態調査において、2007年、2009年、2013年にランダムに選ばれた12,385人のオーストラリア人成人の食生活日記を縦断的に調査しました。

調査対象者の収入や個人的な状況の変化に応じて、幸福と生活満足度の偶発的な変化への影響は調整されました。

健康的な食生活が、がんや心臓病のリスクを低減させる以上の効能を知るために、調査対象者は、野菜と果物の摂取量を2年間日記に記録するよう指示され、研究チームは定期的に調査対象者たちの精神状態や幸福度を測定しました。

 

その結果、果物と野菜の摂取量の変化が、その後の幸福と人生の満足度の変化を予測することを見だしました。

ほとんど果物と野菜を食べない状態から、1日あたり8食分の果物と野菜を摂るように変えた人は、失業から就労に移行したときの心理的利益と同程度の生活満足度が増しました。幸福の改善は24ヶ月以内に起こりました。

 

研究者の一人である、アンドリュー・オズワルド教授は次のように述べています。

「果物や野菜を食べることは、身体の健康を向上させるよりもはるかに早く幸福感を高めることが可能なようです。

健康的な食品を食べるという人々のモチベーションは、がん予防などの身体的健康上の利益が数十年後に生じるという事実によって弱まっています。

しかし、果物や野菜の消費量の増加による幸福度の向上は、より即時的なものです。」

(出典:AmericanJournalofPublicHealth「Evolution of Well-Being and Happiness After Increases in Consumption of Fruit and Vegetables 」

(出典:American Association for the Advancement of Science (AAAS)「Fruit and veg give you the feel-good factor 」

 

研究者たちは、野菜と果物の摂取量が増えることで、なぜ精神的健康の向上をもたらすのか、この分野ではさらなる研究が必要だと主張しています。

また、楽観主義と血液中のカロテノイドとの関係を示唆する抗酸化物質(野菜・果物に含まれる)に関する現在ある研究と、今回の研究を結びつけることが最終的には可能かもしれないと考えているようです。

 

そこで、「血中カロテノイド濃度と楽観性を研究した結果」も次にご紹介します。

 

血中カロテノイド濃度が高いほど将来に対して楽観的である

アメリカの心身医学会の機関誌PSYCHOSOMATIC MEDICINE に掲載された、ハーバード公衆衛生大学院の研究によれば、「血中カロテノイド濃度が高いほど将来に対して楽観的である」という研究結果が報告されています。

緑黄色野菜や果物などを摂り、カロテノイド濃度が高い食事をする事と、楽観性についての関係性について述べられています。

 

この研究は、25~74歳までのアメリカ人982人の男女を対象に行われ、楽観的な度合いを測定するテストと、血液サンプルから血中抗酸化成分の濃度を測定し考察されました。

 

その結果、楽観性が増加するほど、血液中のカロテノイド濃度が上昇し、楽観的な傾向にあるグループは、一般的なグループより13%も血中カロテノイド濃度が高いということが分かりました

 

(出典:PSYCHOSOMATIC MEDICINE「Association Between Optimism and Serum Antioxidants in the Midlife in the United States Study」

 

野菜や果物を多く摂取することで、カロテノイドなど抗酸化成分の摂取につながり、楽観性を高めるという研究結果です。

しかし、このカロテノイドは、どのような野菜や果物に含まれるのでしょうか?

そこで、カロテノイドについて次のページでご紹介します。

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