【南アフリカ】70%の国民が反対、動物の絶滅を加速させる残虐なスポーツ「トロフィーハンティング」とは?
動物の頭部や皮を飾ることを目的に行われる狩猟「トロフィーハンティング」の盛んな南アフリカ共和国での調査結果を参考にしながら、実態と今後の展望について解説します。
近年、トロフィーハンティングが盛んに行われている南アフリカ共和国でも、動物の絶滅を加速させかねない行為だとして反対の声が高まっているようです。
この記事では、「トロフィーハンティング」の実態と南アフリカ共和国における動きについて、詳しく解説します。
トロフィーハンティングとは?
「トロフィーハンティング」とは、一体どんな狩猟方式なのでしょうか?
生活のための狩猟とは異なり、動物の頭部や皮を持ち帰ることを目的としているのが、トロフィーハンティングです。
ハンターたちは動物の頭を剝製にしたり、毛皮を装飾品にしたりして、狩りの成功した証、すなわち「トロフィー」を作ります。
また、南アフリカ共和国では、トロフィーハンティングの一種としてキャンド・ハンティングも行われているようです。
この場合、繁殖施設で育てられた動物をハンターや業者に販売し、柵に囲まれた私有地内に放つことで狩猟の対象とします。
ハンターにとって、キャンド・ハンティングは狩猟の難易度を下げつつ、確実にトロフィーを得られる手法といえるでしょう。
トロフィーハンティングの実態
トロフィーハンティングの市場
トロフィーハンティングの主要な市場はアフリカであり、公式に認可している国は24か国にのぼっています。
もちろん、国立公園や動物保護区での狩猟は禁止されています。
しかし、トロフィーハンティングは特定の国・地域で認められているほか、私有地で行われるケースもあり、違法行為にはあたりません。
そのため、たとえ絶滅危惧種であってもトロフィーハンティングの犠牲になっているのが現状です。
またトロフィーハンティングでは、滞在中の宿泊費やガイドを雇う人件費、動物にかかる税金などを合わせると、高額の費用がかかります。
必然的に、トロフィーハンティングに参加できるハンターは富裕層に絞られるでしょう。
さらに、アフリカにやってくるハンターの多くが、かつて植民地支配していた旧宗主国の出身者であることも特徴です。