家具やファッションの接着剤はヴィーガンじゃない?見落としがちな接着剤について解説
環境・健康に良くないものや動物由来の素材が使われていたりと、なにかと見落としがちな接着剤について解説。ヴィーガンの家具やファッションアイテムを選ぶ際のポイントまで、詳しくご紹介します。
接着剤の形態による分類
1. 水性系接着剤
- ユリア樹脂系接着剤
尿素(ユリア)とホルマリンを主原料とする接着剤。耐熱性、耐水性、耐溶剤性に優れ合板などの接着や家具・木工用として木材の接着に使用されています。以前は、ホルムアルデヒドがシックハウス症候群の原因といわれていましたが、現在は飛散しないように化学処理されているので問題はありません。 - メラミン樹脂系接着剤
メラミンとホルマリンを主原料とし使用方法はユリア樹脂系接着剤とほぼ同じ木材に使われます。常温硬化が難しいので加熱接着するのが特徴です。ユリア樹脂系接着剤と比較すると耐水性や耐熱性・耐老化性に優れています。 - フェノール樹脂系接着剤
フェノールとホルマリンを主原料とする接着剤です。常温接着用と加熱接着用があり、使用時には充填剤、増量剤(小麦粉、炭酸カルシウム等)、水を混合して使います。合板や単板積層材、パーティクルボード、一般木工、等の木材に使用。 - レゾルシノール樹脂系接着剤
レゾルシノールとホルマリンを主原料とする接着剤で、フェノールに比べ硬化速度が速く、常温硬化が可能です。構造用集成材や木造船舶などの耐水性・耐久性が強く求められる材料に使われています。 - 水性高分子-イソシアネート系接着剤
水溶性樹脂、合成樹脂エマルジョン、無機充填剤等を成分とした主剤にイソシアネート化合物(MDI系)またはそのプレポリマーを主成分とした「架橋剤」とを組み合わせて使用。イソシアネート化合物は多くの工業製品に使われていますが、揮発性の液体で不快な刺激性の臭気があり催涙性があります。構造用集成材、耐力パネル、家具、一般木工(イスやテーブルなど)に使われています。
- 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤
溶媒を蒸発するだけで接着可能なので使いやすいタイプです。分解による老化性が少ないですが、耐熱性、耐水性、耐溶剤性不足するため工夫がされています。
2. 化学反応系接着剤
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- エポキシ樹脂系接着剤
エポキシ樹脂と呼ばれる液状の樹脂を、ポリアミン類と呼ばれる硬化剤を常温域で化学反応させることで硬化させます。ガラス・タイル・プラスチックを接着するときに使用。エキシポ樹脂系接着剤のレジン(合成樹脂)を扱う場合は、品質の良い物を選びましょう。長時間の使用を避け、喚起が良い場所で使います。人によってアレルギー反応が出る場合があります。
- ウレタン樹脂系接着剤
ポリイソシアネートとポリオールの付加反応(ウレタン化反応)を利用して接着する反応型接着剤です。タイル・プラスチックなどに使われます。 - 変成シリコーン系接着剤
シーリング材として実績のある変成シリコーンが主成分で、水分と反応する反応硬化タイプの接着剤です。金属・タイル・プラスチックに使用。 - 瞬間接着剤
シアノアクリレートと呼ばれる有機化合物を主成分とする接着剤です。接着面の水分に化学反応し一瞬で硬化します。
プラスチック・ゴム・金属・木材に使用できますが接着剤がしみ込みやすい素材は硬化しないケースがあります。
化学反応系接着剤は、厚生労働省が定めた有機溶剤中毒予防規則の基準を満たしていても、匂いやアレルギー、涙目になったり等できれば避けたいところです。
使用するときには喚起に気をつかい短時間ですませるようにしましょう。
3. 溶剤系接着剤
● クロロプレンゴム系接着剤 クロロプレンゴムを主成分として溶剤に溶解した接着剤です。木材・金属・プラスチックやコンタクト接着(木工、パネル、金属等多様)に使用されます。
揮発性有機化合物が入っている物があり揮発することで有毒性がありますが、販売されている物は基準をクリアしています。適切に使用すれば問題ありません。
また、クロロ=CL=塩素が含まれていると、接着剤そのものを直接燃やすことはありませんが、家具などに使われて処分をするときに焼却するとダイオキシンが発生する場合があります。
4. ホットメルト系接着剤
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● ホルメット系接着剤 主に段ボール・化粧箱・紙・布・木・プラスチックの接着に使われ、滑り止めなどにも使われています。
木工や手芸などで使うグルーガンのグルースティックというとわかりやすいでしょう。主成分はエチレン酢酸ビニル系・ポリウレタン系・アクリル系他多種類あります。