パラベンやサルフェートとは?ヴィーガンスキンケア・シャンプーで避ける成分について解説

パラベンやサルフェートとは?ヴィーガンスキンケア・シャンプーで避ける成分について解説

パラベンやサルフェートって何?避けるべき理由や健康への影響を徹底解説。また、ヴィーガンシャンプーやスキンケア、それらを使用するメリットに関してもご紹介。

ハッピーキヌア編集部
2021年03月21日
パラベンやサルフェートとは?ヴィーガンスキンケア・シャンプーで避ける成分について解説

ヴィーガンシャンプーで避けられる成分とは?

ここでは、ヴィーガンシャンプーで避けられる化学成分の一部である、パラベンサルフェートに関して詳しくご紹介します。

 

パラベン

 

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パラベンとは、無色、または白色の結晶性粉末の石油成分の一種です。

1920年代以降、化粧品やボディケア製品の人工防腐剤として広く使用されている化学物質群であり、正式名称は「パラオキシ安息香酸エステル」と言います。

 

化粧品には生分解可能な成分が含まれているため、有害な細菌やカビの繁殖を防ぎ、その増殖を抑えて製品の保存期間を延ばすために、これらの化学物質が添加されています。

 

【パラベンの種類】

化粧品は通常、異なるタイプのパラベンの混合物を含んでいます。

最も一般的に使用されているのは、以下の6種類です。

  • メチルパラベン
  • エチルパラベン
  • プロピルパラベン
  • イソプロピルパラベン
  • ブチルパラベン
  • イソブチルパラベン

いわゆる短鎖パラベンであるメチルパラベンとエチルパラベンは組み合わせて使用されるのが一般的ですが、ブチルパラベンは単独で使用されることが多いです。

長鎖パラベンのプロピルパラベンおよびブチルパラベンは、より強いエストロゲン活性と関連しており、分岐した構造は、エストロゲン活性を高めるだけでなく、感作性も高めることが示されています。

 

【なぜパラベンは避けたほうが良いの?】

パラベンは、体内のホルモンを乱し、生殖能力や生殖器官に悪影響を与え、出産の結果に影響を与え、がんのリスクを高めることが科学的研究で示唆されています

また、皮膚の炎症を引き起こす可能性もあります。さらに、研究では、人口統計学に関係なく、米国の成人から採取したほぼすべての尿サンプルからパラベンが検出されています。

 

内分泌撹乱能力と、男女の生殖への害が文書化されており、生涯にわたって繰り返し暴露される可能性があることを考えると、長鎖パラベン(イソブチル、ブチル、イソプロピル、プロピルパラベン)は、パーソナルケア製品や化粧品に使用すべきではないことは明らかであり、これらの化学物質を使用しない製品を作ることは可能です。

 

ここまでに述べた、健康への影響を以下に詳しくご紹介します。

 

健康への影響】

内分泌撹乱と生殖障害

パラベンは、体内でエストロゲンというホルモンに似た働きをし、男女の生殖システムの機能、生殖能力の発達、不妊症、出産の結果に影響を与えるホルモンシステムの正常な機能を乱す可能性があります。

また、パラベンはホルモンの産生を妨げる可能性があります。

国連環境計画では、プロピルパラベンやブチルパラベンを含むパラベンを、内分泌かく乱化学物質または潜在的な内分泌かく乱化学物質としてグループ化しています(U.N. Environment 2017)。

また、デンマーク内分泌撹乱物質センターは、ブチルパラベンとイソブチルパラベンを内分泌撹乱物質として特定しています。

 

ヒトを対象とした研究では、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の研究により、生殖能力の低下が尿中のプロピルパラベンと関連していることを発見しました。

別のヒトを対象とした日本の研究では、月経周期の長さの減少が示すように、ブチルパラベンと尿中パラベン総量を受胎可能性の低下と関連づけています。

 

また、アメリカの研究では、母親の尿中のブチルパラベンレベルと臍帯血中のレベルは、早産の確率の増加と出生体重の減少と関連していました。

 

内分泌撹乱とがん

科学者は、環境中のエストロゲンへの曝露とがん、特に女性の乳がんのリスクにどのように寄与するかについて懸念しています。

アメリカの研究では、プロピルパラベンは、乳がん細胞を含む遺伝子の発現を変化させ、日本の研究では、乳がん細胞の増殖を加速させる可能性があることが分かりました。

 

カリフォルニア大学バークレー校の研究では、以前は有害とは考えられていなかった低用量のブチルパラベンが、他の細胞受容体と連携してがん遺伝子にスイッチを入れる働きをし、乳がん細胞の増殖を増加させることがわかりました。

 

皮膚への刺激

皮膚はパラベンを含む製品に感作されることがあり、その結果、刺激性が生じる事があります(Cosmetics Ingredient Review. 2006)。

また、感作性の強さは、パラベンの側鎖の長さに関係していることが示されています。

 

【環境への影響】

海洋科学の研究によると、低レベルのブチルパラベンはサンゴを死滅させる可能性があることから、生態学的な害にもつながっています。

また、フランスのナンシー水文研究所の研究では、パラベンは表層水、魚、堆積物から検出されています。

アメリカ研究では、パラベンを塩素化した水道水と組み合わせると、多くの塩素化パラベンの副生成物が形成される可能性があるとされています。

これらの副生成物の毒性についてはほとんど知られておらず、より持続性が高い可能性があるようです。

(出典:EWG「WHAT ARE PARABENS, AND WHY DON’T THEY BELONG IN COSMETICS?」

 

体内に入る量は微量であるため「急性毒性」を示す可能性は少ないですが、パラベンなどの合成保存料を長期間摂取することで、体に影響を及ぼすリスクは高くなると考えられます。

また、環境にまで影響を及ぼしている点からも、パラベンは避けるべき成分と言えるでしょう。

 

サルフェート

 

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サルフェートとは、シャンプーの洗浄剤や発泡剤として使用される「硫酸系化合物」の事で、具体的には硫酸塩を指します。

 

硫酸塩は、界面活性剤と呼ばれる化学物質の一種で、シャンプーの効果に重要な役割を果たしています。

界面活性剤は、入っている液体の表面張力を下げることで、液体が水と混ざりやすくなり、良い泡に仕上がるようになります。

 

シャンプーの成分として、「ラウリル硫酸Na」・「ラウレス硫酸Na」とパッケージやボトルに表示してあるため、見たことのある方も多いと思います。

 

  • ラウリル硫酸Na
    →この硫酸塩は、良い泡立ちを作りますが、頭皮に残されると毛根を傷つける可能性があります。
  • ラウレス硫酸Na
    →この硫酸塩は、頭皮の皮脂や水と結合する化学反応を介して作用する、非常に強力な洗剤です。

シャンプーを洗い流すとき、硫酸塩はそれらと一緒にすべての油と残留物を取り除きますが、 クレンジング中に、髪を傷つけたり、もろくしたり、縮れを増やしたりすることもあります。

泡立ちの良いクレンザー、歯磨き粉、シャンプーなど、多くの家庭用製品には硫酸塩が含まれています。

シャンプーなどの製品に水を混ぜると泡立ちがよくなるのは硫酸塩のおかげです。

クレンジング製品やシャンプーに硫酸塩が含まれていることを懸念する人もいますが、通常の量で正しく使用していれば、硫酸塩は一般的に安全です。

 

しかし、人によっては、特定の製品に対してより敏感な場合があり、硫酸塩を避けた方が良い場合もあります

 

【なぜサルフェートは避けた方が良いの?】

シャンプーにサルフェートを使用する事には、いくつかのデメリットがあります。

まず、サルフェートは洗浄効果が強よすぎる傾向にあります。

サルフェートは、シャンプーが髪の毛から油分や汚れを取り除くのを助けますが、髪の健康を保つためには、髪が本来持っている水分や油分を少しでも保持しておく必要があります。

そのため、サルフェートは髪の水分を奪いすぎてしまい、髪の毛を乾燥させ、不健康な状態にしてしまいます

また、頭皮を乾燥させ、炎症を起こしやすくすることもあります

 

ただし、乾燥の可能性はありますが、サルフェートを使用しても健康へのリスクはほとんどありません。

Environmental Health Insightsのレビューでは、ラウリル硫酸ナトリウムの毒性の可能性を調べました。

研究者は、硫酸塩に対する否定的な世間の見方の多くは、人々が科学的なレビューをどのように解釈してきたかに起因している可能性があると指摘しています。

サルフェートに関してよく言われる事の1つは、サルフェートががんを引き起こすというものです。

しかし、この主張を支持するような、サルフェートが健康に害を及ぼすという科学的な証拠はありません

 

ラウリル硫酸ナトリウムを誤飲する事で、目や皮膚の炎症、および一般的な毒性などのいくつかの小さなリスクを伴う可能性はあります。

ただし、ほとんどの人は、サルフェートを使用する事での副作用はほとんど無いはずです。

 

【サルフェートを避けるべき人は?】

ほとんどの場合、サルフェートによる悪い影響はありませんが、以下のような人はサルフェートを含まないシャンプーを選ぶ事をおすすめします。

 

敏感肌や肌荒れの方

頭皮が敏感な方や髪の毛が敏感な方は、サルフェートによる乾燥作用が強い場合があります。湿疹や乾癬などの皮膚疾患をお持ちの方で、サルフェートを含むシャンプーを使用している方は、使用後に頭皮のかゆみや赤み、パサつきを感じることがあります。

このような人は、サルフェートを含まないシャンプーの使用を検討してみましょう。

 

乾燥した縮れ毛の人

自然乾燥した髪、巻き毛、縮れ毛の方は、サルフェートの使用を避けた方が良いでしょう。

サルフェートは、天然の油分や水分を奪うことで摩擦が大きくなり、髪の乾燥や縮れを助長する可能性があります。

 

髪を染めている人や化学的に変化した髪の人

髪をカラーリングしたり、定期的に縮毛矯正やカールをしたりしている人は、髪にダメージを与える可能性があるので、サルフェートは避けた方が良いかもしれません。

髪のストレスや乾燥を防ぐ方法を見つけることで、髪を健康に保つことができます。

また、サルフェートを含むシャンプーは、染めた髪の色をより早く剥がしてしまう可能性があります。

(出典:MEDICAL NEWS TODAY「Are sulfates in shampoo dangerous?」

 

サルフェートは有害とはされませんが、洗浄効果が強よすぎる可能性があり、髪の水分を奪いすぎてしまい、髪の毛や頭皮を乾燥させ、不健康な状態にしてしまいます。

そのため、サルフェートフリーであることは、髪にとって優しいシャンプーとなります。

 

その他にも避けたほうが良いシャンプー成分もあるため、次にご紹介します。

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