プラスチックの代替品!?SDGsに貢献する革命的新素材「LIMEX」とは
ヴィーガン必見のエシカルな新素材、SDGsにも貢献するLIMEXについて徹底解説!紙やプラスチックの代替品となる革命的な新素材の魅力とは?海洋・マイクロプラスチック問題解決の貢献も期待されています。また、最近よく耳にするSDGsに関しても詳しくご紹介します。
8つのSDGとLIMEXの関わり
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LIMEXの主な目標
「⑫つくる責任 つかう責任」
石灰石を最大限に活用することで、他の希少な資源の使用量を削減。
石灰石を主成分とする LIMEXから、紙やプラスチックの代替商品を製造する点から、この目標に貢献します。
また、「リデュース」と「リサイクル」を可能にし、循環型経済(サーキュラーエコノミー)に貢献する数少ない素材でもあります。
紙代替による環境への貢献
「⑥安全な水とトイレを世界中に」
LIMEXは、その製造過程においてもほとんど水を必要とせず、水源を圧迫することはなく、従来の紙に比べ、ライフサイクルにおける水資源消費量を99%抑えることが可能です。
「⑬気候変動に具体的な対策を」
LIMEXは、その原材料調達や製造過程において発生する温室効果ガスが少なく、気候変動への影響を抑えることが可能です。
また、ライフサイクルアセスメント(LCA)という科学的分析手法を用いて、製品のライフサイクルにおける環境影響を算定し、素材開発に活用しています。
「⑮陸の豊かさも守ろう」
LIMEXの製造時には、原料として紙パルプを全く必要としないため、紙パルプの原料である樹木の伐採を回避することができます。
また、従来の紙に比べ、ライフサイクルにおける木資源使用量を99%抑えることが可能です。
プラスチック代替による環境への貢献
「⑬気候変動に具体的な対策を」
LIMEXの主原料である石灰石(炭酸カルシウム)は、通常の汎用プラスチックに比べ、原材料調達時と焼却時の温室効果ガス排出量を大きく削減することができます。
また、バイオマス由来樹脂を活用した、bioLIMEXであれば、焼却時の温室効果ガス排出量をさらに低減することができます。
「⑭海の豊かさを守ろう」
石灰石を主原料とするLIMEXによって従来のプラスチックを置き換え、海洋プラスチック問題の原因となっている石油由来樹脂の使用量を大幅に低減しています。
また、アップサイクルを推進し、使用後の回収インセンティブの向上を図っています。
加えて、生分解性LIMEXの開発を通じ、これまで使い捨て用途で使われてきたプラスチックの機能性を落とすことなく、競争力のある価格での代替素材の提供を目指しています。
LIMEX事業による社会への貢献
「⑧働きがいも経済成長も」
TBMは、2011年の東日本大震災で影響を受けた、宮城県白石市に最初の工場を立ち上げ、工場で働く従業員全員が地元在住で、地域に40以上の雇用を生み出しています。
また、2020年の竣工を控えている宮城県多賀城市の工場にも、同様に被災地支援への思いが込められています。
世界各地で調達が可能な石灰石を主原料とし、地産地消型のサプライチェーンを構築することで、これまで雇用機会の乏しかった地域にも働きがいのある仕事を創出することが可能です。
「⑨産業と技術革新の基盤をつくろう」
これまで産業化が進んでいなかった、水資源に乏しい地域や内陸部においても、LIMEXは製造可能です。
例えば、サウジアラビアでは、森林資源と水が不足しているために製紙産業が存在しませんでしたが、TBMは現地産の石灰石を用いて紙状の製品を生み出す「LIMEX」という新産業を生み出すことを目指しています。
また、TBMは強力な開発チームとともに、産業の発展に資するような発明を繰り返しています。
「⑰パートナーシップで目標を達成しよう」
日本では経済産業省などの政府機関からの補助金を受け、開発・生産設備を整備しています。
神奈川県や福井県鯖江市とも連携しながらアップサイクルの仕組みづくりを行っています。
国際的には、サウジアラビア産業クラスター帳等の政府機関、CSR Europe等の経済団体とも連携しています。
製品の環境負荷算定を東京大学沖研究室と共同実施するなど、大学との連携にも力を入れています。
国際NPOのCDPとは、パートナーシップを締結し、引き続き横断的な連携を模索しています。
(出典:TBM「SUSTAINABILITY」)
上記、「⑰パートナーシップで目標を達成しよう」に追記すると、株式会社TBMには、大日本印刷や伊藤忠商事、JR東日本スタートアップ、三洋化成工業など10社以上の大企業が出資しています。
また、建設業界では、前田建設工業とも協業しています。
このように、SDGsに貢献する事業を行う事で、大企業からの資金が調達しやすくなるメリットもあり、SDGsが注目される1つの要素となっています。
それでは、投資を受ける企業にとって、SDGsが大きな指標になっている理由を次にご紹介します。
SDGsに注目が集まっている理由とは?
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SDGsが注目される1つの理由として、2006年、当時の国連事務総長が金融業界に向け、責任投資原則(PRI)を提唱したことにあります。
ここで提唱されたのは、機関投資家(大規模な投資を行う企業・金融機関などの投資家)が投資をする際に、ESG(環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance))課題を反映させるという点です。
つまり、投資家は、企業への投資をする際に、その会社の財務情報だけをチェックするだけでは不足であり、「環境や社会への責任を果たしているか」を重視すべきだという事です。
日本では、2010年に世界最大級の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が(責任投資原則(PRI)に署名しています。
日本企業は機関投資家から、環境問題への取り組み、取り扱い商品の安全性、従業員の労働環境など、ESGの課題について適切な開示を求められるようになりました。
以上の経緯から、投資を受ける日本企業にとって、SDGsは大きな指標になっているのです。
LIMEXは世界中の投資家から注目を集めていますが、その理由は、上記機関投資家から求められている、環境問題への取り組み、取り扱い商品の安全性、従業員の労働環境など、ESGの課題にLIMEXが大きく貢献すると考えられているからです。
企業にとって、SDGsに取り組むことのメリットもご紹介します。
SDGsに取り組むことのメリット
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- 企業イメージの向上
SDGsの取り組みが消費者に知れ渡ることで、企業イメージの向上につながり、消費者は価格でなく、企業イメージだけで商品を選択する可能性が高まります。
また、企業イメージが良いことで、採用活動においても、優秀な人材が集まりやすくなります。
- 働きがいやモチベーションアップ
SDGs活動を進めることで、その企業で働く社員の働きがいやモチベーションアップにも繋がり、企業としての結束が強まる可能性もあります。
- 企業の生存競争に生き残る術となる
SDGsに取り組む企業が増えることで、取引先はSDGsに取り組む企業との取引を求めるようになり、SDGsに取り組むことが、企業の生存競争においての強みとなる可能性があります。
- 新事業へのチャンス
SDGsに取り組むことで、行政やNPO、異業種などこれまで関りのなかった機関や企業と繫がる可能性があります。
また、投資家は、現在SDGsに取り組む企業に出資する傾向にあるため、資金が調達しやすくなり、新事業へのチャンスにも繋がる可能性があります。
以上のように、SDGsに取り組む事での企業へのメリットも多く、現在、多くの企業がSDGsを意識した事業を展開しています。
もっとこの活動が広まり、そして実践する企業が増えることで、環境問題への意識が高まっていけば嬉しいですね。
まとめ
「LIMEX」は、SDGsに掲げられている「持続可能な開発」に貢献し、未来を見据えた研究を進め、広報活動を行っています。
今後、この日本発の新素材が、地球の環境問題解決の一つとなるよう、益々多くの企業や人々に受け入れられ、LIMEXの利用が拡大することに期待しています。