【イギリス】130以上の保育園がヴィーガン給食にアクセス可能に、広がる子どもの健康とヴィーガニズムへの関心
イギリスの保育園の給食業者ナーサリー・キッチンがヴィーガンフードブランドGosh! との提携を発表。これにより、イギリス国内130以上の保育園がヴィーガン給食にアクセス可能になります。提携の背景にある、イギリスでのヴィーガン給食動向についてご紹介します。
特に、北欧やイギリスをはじめとする欧米各地では、ヴィーガン給食が注目されています。
今回、イギリスでは保育園の給食業者ナーサリー・キッチンは、ヴィーガンフードブランドGosh! との提携を発表。
これにより、イギリス国内130以上の保育園がヴィーガン給食にアクセス可能になります。
イギリスでは、プラントベースフードには健康上の利点があることが広く知られていると言えるでしょう。
しかしながら、それでもヴィーガン給食の提供に多くの人々が賛成している訳ではありません。
2019年には、メニュー全てから動物性食品を取り除く決定をしたチェスターにある保育園に対し、賛否両論の声が上がり、論争の的となりました。
Nursery serving 100% vegan menu sparks outrage
そこで、今回の記事では、ナーサリー・キッチンの決定の背景にある、イギリスでのヴィーガン給食動向についてご紹介します。
これまでも、ハッピーキヌアでは、欧米のヴィーガン給食事情やキャンペーンなどについて取り上げてきました。ぜひ以下の関連記事もご覧ください。
イギリスの130以上の保育園で、子どもたちに栄養価の高い選択肢が提供される機会を創出したのは、保育園の給食業者であるナーサリー・キッチンとヴィーガンブランドのGosh! と提携。
ナーサリー・キッチンによれば、この提携は、幼児の栄養習慣が注目された結果としています。
ヴィーガン給食の提供に対する動きと政府の反応
First Steps Nutrition Trustの調査によれば、61%の子供が超加工食品からエネルギーを摂取しており、全国児童測定プログラムによれば、就学時に5分の1の児童が体重過多か肥満である可能性があるそうです。
このような研究結果も、より健康的で環境にもやさしいヴィーガン給食が注目され、需要が高まっている要因となっています。
2022年、政府に対しヴィーガン給食の提供を求める請願書が提出
これは2010年の平等法に基づき、菜食主義の児童や生徒が差別されてはならないとの主張に基づくものでした。
この主張に対し、政府は学校に合理的な選択をするように求めるだけの対応となりました。
そのため、学校は現在、ヴィーガン食の提供については独自に判断しています。
しかし、嘆願書では、「ヴィーガン食の選択を設けない学校は差別的であり、グレーゾーンを白黒はっきりさせる時期に来ている。ヴィーガンの選択肢はオプションであってはならない。」と綴られ、 26,000人以上の署名が集まりました。
この動きに対し、政府は「学校の食の方針を決めるのは、教頭と校長です。我々は、彼らが合理的に行動し、菜食主義を含む食事や文化的なニーズを満たす選択肢を提供するために、保護者と協力することを期待しています。 」と述べました。
ヴィーガンの食生活がもたらすの環境へのメリット
ヴィーガン食品を摂ることは、私たちの健康だけではなく、地球環境にとっても大きな利益をもたらします。
オックスフォード大学の研究によれば、プラントベースダイエットにシフトすることで、二酸化炭素排出量を約73%削減できることが示されています。
Veganism is ‘single biggest way’ to reduce our environmental impact, study finds
また、畜産業は動物福祉において多大なダメージを与えているだけでなく、世界の温室効果ガス排出の大きな原因であり、さらに森林破壊や生態系の破壊を引き起こしている要因の一つでもあります。
活動家たちだけではなく、世界中の研究者をはじめとする国際的な専門家たちは、気候変動との戦いにおいて、より持続可能なプラントベースの食事への移行が不可欠であると訴え続けています。
まとめ
ヴィーガン給食には未だ賛否両論の論争があり、「ヴィーガニズムの押し付けだ」と非難の声もあります。
一般的に、親しみのないことを受け入れるのには時間がかかるため、子どもの健康とヴィーガニズムの関係性の理解の広がりには時間を要するでしょう。非難の声ひとつひとつにも、耳を傾け、対話していく必要があるでしょう。
しかし、嘆願書にも書かれたように、様々な面から見ても、ヴィーガンの選択肢はオプションで済まされてもよいものではなくなっているのも事実です。
未来を生きる子どもたちの未来のために、大人たちが今、なるべく早いスピードで社会を変えていかなければなりません。
多様なバックグラウンドと考え方のある社会でもあり、プラントベース先進国でもあるイギリスにおいて、今回の企業提携はどのような変化を起こすのでしょうか。
今後も注目が集まります。
あわせて読みたい