B Corporation(Bコーポレーション)とは? 取得している日本企業もご紹介
SDGs(持続可能な開発目標)とも共通点があり、サステナブル な優良企業の認証となるB Corporation(Bコーポレーション)が注目されてきています。
そこで今回は、このB Corporation(Bコーポレーション)に関して徹底解説。その厳しい審査過程やどのような企業が取得しているかなどをご紹介します。
Bインパクトアセスメントの流れ
【情報開示に関する質問】
情報開示質問書は、B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)で回答する最後の一連の質問となります。
B Corporation(Bコーポレーション)認証は、主に企業のプラスの影響を評価することに基づいていますが、重大なマイナスの影響も、情報開示質問書、バックグラウンドチェック、および公的な苦情処理プロセスを通じて考慮されます。
ただし、開示質問書への回答は、評価における企業の数値スコアには影響しません。
しかし、B Labが、情報開示質問書や、企業とその上級管理者のバックグラウンドチェックで、1つ以上の項目が重要であると判断した場合、さらなる透明性が必要となる可能性があり、企業は追加的な情報開示を行うよう通知されます。
場合によっては、認証の取得または維持のために特定の救済措置を講じることが求められ、まれに認証が拒否または取り消されることがあります。
【スコア検証・書類作成・評価の見直し】
B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)と情報開示に関する質問が完了しましたら「Submit for Review」 をクリックします。
認証審査のためにB Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)を提出する際には、1回限りの150米ドルの提出料(返金不可)を支払う必要があります。
この後、企業は最初の評価を受け、企業のビジネスの特性に基づいて最適な認証プロセスを決定されます。
【評価レビューを予約し、初期文書を提出する】
提出した書類と企業のビジネスに関するいくつかの詳細情報を確認するため、B Lab から連絡が入ります。
その際、B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)をレビューする時間を予約することができます。
アセスメントの提出からレビューまでの待ち時間は、ボリューム、また、選択したアセスメントの回答を検証するための補足資料を提示する必要があるかなどによりも異なります。
企業は、検証をサポートするために、企業運営に関連する通常6~15の選択された質問に対して、情報および文書を提供します。
これらの文書は、アセスメントレビューが行われる前に提供する必要があり、それが出来ていない場合、最初の要求が提供されるまで連絡を入れる事を延期する場合があります。
【アセスメントレビューの完了】
必要に応じて、アセスメントレビューコールは通常 60 ~90 分かかります。
これは、企業とB Lab スタッフが、不明瞭な質問や回答を確認し、自己評価が企業固有の状況と影響を可能な限り正確に捉えているかどうかを調整するための時間です。
通常、このコールにおいてスコアの調整が行われます。
【追加書類の提出】
審査終了後、企業のビジネスモデルに焦点を当てた書類審査を行います。
通常、1~6件の回答が追加書類として提出されることになります。この時点で、B Labは最初のレビューに基づいて明確な文書を求める権利を有します。
レビューコールの後、多少のやりとりがありますが、書類に関する未解決の問題を解決するためには、平均して1~3週間の追加期間が必要となります。
【バックグラウンドチェック】
認証取得を目指す企業は、B Labのスタッフによるバックグラウンドチェックを受けることになります。
バックグラウンドチェックでは、公文書、ニュースソース、検索エンジンを用いて、企業名、ブランド名、経営者・創業者などの関連情報を調査します。
バックグラウンドチェックの結果は、情報開示に関する質問で選択された項目と同じ審査プロセスを経ることになります。
検証プロセスを経て、企業のスコアが80点以上であれば、パフォーマンス要件を満たしていることになります。
【契約書への署名と年会費の支払い】
認証を取得するには、B Corporation(Bコーポレーション)相互依存宣言に署名し、BCorporation(Bコーポレーション)契約書に署名して、年間認証料を支払う必要があります。
料金は地域によって異なります。
ラテンアメリカ、東アフリカ、ヨーロッパ、英国、オーストラリア、ニュージーランドの企業以外で登録され、米国またはカナダに所在しない企業の場合は、こちらから料金表をダウンロードし確認してください。
法的要件を満たす
B Corporation(Bコーポレーション)認証を取得するためには、企業の定款文書(会社の基本的な規則が記載された文書)をB Corporation(Bコーポレーション)の理念に沿うように変更しなければなりません。
この変更は、会社の構造、設立された国や州によって違いはありますが、例えは、定款文書の中に、株主・経営者・従業員・顧客・取引先などの利益を配慮することを盛り込む必要があります。
企業構造や定款の変更には時間がかかることを考慮し、B Labでは、従業員10名以上の中堅・大企業を対象に、認証完了後に法的要件を満たすための猶予期間を設けており、その期間は企業構造や所在地によって異なります。
法的要件に関する詳細は、こちらをご覧ください。
認証の更新
B Corporation(Bコーポレーション)認証を維持するためには、3年ごとに評価の更新が必要となります。
更新時にはB Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)で200点満点中80点以上のスコアを取得した上で、追加資料を提出する必要があります。
このプロセスにより、B Corporation(Bコーポレーション)認証となった企業は、事業の成長や変化があっても、*ステークホルダーに対して高いレベルのインパクトを与え続けることができます。
*ステークホルダー・・・組織が行う活動によって影響を受ける利害関係者を指し、株主・従業員・顧客・協力会社などが該当する。
また、B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)は3年ごとに更新されます。再認証を受けることで、企業は最新の基準に照らして改善目標を設定し、時系列でパフォーマンスを評価することができます。
公開された透明性
すべてのB Corporation(Bコーポレーション)認証のB Impact Report(Bインパクトレポート)をbcorporation.netで公開しています。
ただし、B Impact Report(Bインパクトレポート)は、B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)における企業のスコアをカテゴリー別にまとめたもので、質問レベルの情報は含まれていません。
「透明性」に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
最近よく聞く、トランスパレンシー(透明性)とは?
(出典:Certified B Corporation「Certification Requirements」)
以上のように大変厳しい審査を通過する必要があるB Corporation(Bコーポレーション)認証。
海外、そして日本ではどのような企業が取得しているのかを次にご紹介します。