カーボンクレジット制度の内容と導入している有名企業4社をご紹介
カーボンオフセットを実施するにはクレジット制度を利用することがとても重要です。本日はクレジットの制度について、また、誰もが耳にしたことがある日本企業が、制度をどのように経済活動に活かしているのかを解説していきます。
J-クレジット制度について
クレジットとは、政府や企業が、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入や、省エネ性の高い商品の開発・導入、また、植林などによって、削減・吸収した温室効果ガスの量を、審査などに通し、数値化することで、市場で売買することが可能になったものです。
1トンのCO2が1単位として換算され、2021年には713万トンのCO2が国によって認証されています。
また、「J-クレジット制度」は、経済産業省、環境省、農林水産省によって運営されているカーボンクレジット制度の一つです。
活動によって温室効果ガスを排出する企業などは、この制度によって、認定されたクレジットを購入することができ、カーボンオフセットの実現に間接的に貢献することができるようになります。
つまり、クレジット創出者は、J-クレジットを売却することで、利益を生み出すことができ、企業などのクレジット購入者にとっても、森林保全活動や他の企業の省エネ活動を後押しできるため、社会問題に対する目標の早期達成や、企業評価の向上へとつなげることができるのです。
例えば、その地域の企業が、地元の自治体などが発行したクレジットを購入することを「クレジットの地産地消」といい、自治体は、売却益を地域経済の活性化に活用することで、結果的に、安心して暮らせる街づくりを推進していくことができます。
従来の財政状況などでは、環境問題への取り組みを実施することが難しかった企業なども、クレジットを購入することで、気軽に活動に参加でき、さらに企業イメージ UPにもつながるため、とても良い循環になりますよね。
(出典: クレジットとは?|カーボンオフセットフォーラム, J-クレジット制度|J-クレジット制度とは温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度です。)
日本企業の取り組み
クレジットを購入して、カーボンオフセットに貢献できると聞いても、一般消費者にとっては、なかなか身近に感じるのは難しいかもしれません。
しかし、企業の取り組みを通じて、消費者がカーボンオフセットに貢献できる機会はどんどん増えてきています。
本日はその中でも、有名な企業を紹介いたします。
日本航空(JAL)
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海を渡る旅行や仕事での出張の際、その他、国内の数百キロの移動などには、飛行機を利用することが多いと思いますが、化石燃料を燃やして動く乗り物からは、大量のCO2が排出されてしまいます。
日本の航空業界でも特に有名な「JALグループ」はカーボンクレジット制度を導入している大手企業の一つ。
持続可能な発展に向けて、企業や団体のカーボンオフセットに関する活動をサポートするBlue.Green(ブルードットグリーン)の協働のもと、JALの公式ホームページでは、乗った距離間で排出されるCO2を計算することができます。
そして、排出の見込み量をもとに、乗客はそれぞれの気候保護プロジェクトから、興味がある活動を選び、寄付という形で貢献することができるのです。
JALグループが提供する気候保護プロジェクトは、以下4つです。
①熊本県小国町の間伐推進プロジェクト
②インドネシアのリンバラヤ生物多様性保護区における森林破壊防止プロジェクト
③北海道4町連携による間伐促進型森林づくり事業
④アフリカにおける水インフラ投資による衛生環境の改善事業
例えば、東京からニューヨークまで、エコノミークラスでJALの飛行機を利用したと仮定します。
片道約13時間のフライトによって排出される一人あたりのCO2の量は、約1.63トンです。
そして、②インドネシアの森林破壊防止プロジェクトを支援したい場合、CO2排出量1トンあたり950円の寄付ができるため、1.63トンに換算して1548円分カーボンオフセットができるということになります。
他にも、JALグループは、バイオジェット燃料の開発促進や、航空業界以外のカーボンクレジットの購入など、企業全体でカーボンオフセットに積極的に取り組んでいます。
飛行機を頻繁に利用する方は、JALのクレジット制度を利用して、カーボンオフセットにチャレンジしてみてはいかかでしょうか?
(出典: サステナビリティ SDGs ESG|JAL企業サイト)