今更聞けない!地球に優しい、サーキュラーエコノミーとは?
異常気象や、資源の枯渇などを目前にし、持続可能な社会のために経済システムを変革する必要が迫られています。サーキュラーエコノミーについて、具体的な取り組みについて解説しています。
その一方で、現代型の経済システムは多くの問題を生み出しています。
今まさに直面しているのは気候変動でしょう。
各国で異常気象が発生したり、海面が上昇したりするなど、今後の予想がつきません。
そんな中、持続可能な社会のための新たな経済システムとして、資源の消費に頼らない「サーキュラー・エコノミー」への転換が期待されています。
今回、サーキュラーエコノミーとは何かや、具体的にどういった取り組みが行われているかを解説しました。
目次
サーキュラーエコノミーとは?
サーキュラーエコノミーとは、製品や素材の再利用などにより地球に負担をかけない経済システムです。
直訳して循環型経済とも呼ばれます。
端的に言えば、人類が永続的に繁栄することを目指す経済システムと言えるでしょう。
具体的には、製品を作るために行う資源の採掘や、廃棄物を最小限に抑えることによって、持続可能な社会を目指しています。
従来の「リニア型」経済システムの問題
従来型の経済システムは、「資源を採掘」→「製品を作る」→「捨てる」のサイクルであるリニア型経済でした。
リニア型の経済は、これまで多くの成功を収めましたが、大量生産・大量消費により環境に多くの負担がかかります。
将来的に資源は枯渇して経済の停滞を招き、さらに環境破壊によって生み出される重大な災害もありえます。
そういった事態にならないよう、地球にやさしいサーキュラーエコノミーへと転換する必要があるのです。
サーキュラーエコノミーは持続的な価値を生み出す
サーキュラーエコノミーは「資源を採掘」→「製品を作る」→「作り続ける」「使い続ける」をコンセプトにしています。
採掘や作るところまでは一緒ですが、使い終わったあとに作り続ける、使い続けることで本来廃棄されるものを経済的な価値のあるもの変えます。
サーキュラーエコノミーは、経済成長を生み出しながらも資源採掘や廃棄を減らし、持続的に価値を生み出すことが可能です。
サーキュラーエコノミーの3原則
サーキュラーエコノミーを推進している、「エレン・マッカーサー財団」は、サーキュラーエコノミー3原則を提唱しています。
- 廃棄物と汚染を設計する
- 製品や材料の再利用
- 自然のシステムを再生する
廃棄物と汚染を設計する
サーキュラーエコノミー第一の原則は、廃棄物と汚染の設計です。
製品を作り終えてからどう処理するかではなく、製造を計画する段階で廃棄物や汚染を削減できるような設計をするというものです。
廃棄を減らすためには、「熱可塑性プラスチック」や「植物由来のリサイクル材」を利用するなど、再利用できるような素材を使います。
汚染は、微生物によって分解される生分解プラスチックなどを使用して減少させることが可能です。
また、製造やリサイクルのプロセスやおいて地球に負荷がかからないようにすることも含まれています。
火力を使わず風力で発電したり、エネルギー大量に利用する処理工程を削減することもサーキュラーエコノミーの設計の一部です。
製品や材料の再利用
サーキュラーエコノミー第二の原則は、製品や材料を再利用することです。
使い切るのではなく、「使いまわす」というもので、サブスクリプションモデルや、中古販売をより効率化したイメージです。
再利用できるシステムはもちろん、頑強な作りにしたり、修理しやすくしたりして、商品の寿命を延ばすこともサーキュラーエコノミーへの取り組みの一種です。
自然のシステムを再生する
地球への負担を下げ、生態系の再生を促すこともサーキュラーエコノミーの原則です。
サーキュラーエコノミーの取り組みで有限な資源の利用を制限することによって、自然のバランスを取り戻し、自然のもつ回復力によって再生します。
持続可能な社会のために、製造と自然を調和させながら、これまで破壊してきた自然を再生していくということを求められています。