今更聞けない、サーキュラーファッションとは? なぜサステナブルなのかを解説
サステナブルやエシカルなどに続き、ファッション業界で比較的新しく登場した「サーキュラーファッション」に関して、その定義や取り入れている企業をご紹介。
サーキュラーファッションの定義
ファッション、アパレル、繊維産業のグローバルな循環性と持続可能性の問題を専門とするコンサルティング会社、Green Strategy(グリーンストラテジー)の創設者兼オーナーであるAnna Brismar(アンナ・ブリスマー)氏は、サーキュラーファッションの定義を以下のように述べています。
「サーキュラーファッションとは、最も価値のある形で、できるだけ長く社会の中で責任を持って効果的に使われ、循環し、使用後は安全に生物圏に戻ることを意図してデザインされ、調達され、生産され、提供された服や靴、アクセサリーを指す。」
【サーキュラーファッションという概念の由来】
「サーキュラーファッション」という概念は、2014年春に2人の人物によって、ほぼ同時かつ独立して初めて作られ、使われました。
そのうちの1人は、上記でも登場した、Anna Brismar(アンナ・ブリスマー)氏です。
同氏は2014年6月、プロジェクトの初期のミーティングで、ストックホルム中心部で開催されるサステナブルなファッションイベント(CIRCULAR FASHION – SHOW & TALK 2014)を企画する際に、サーキュラーファッションという言葉を生み出しました。
CFST 2014のイベントは、サーキュラーファッションの概念をファッション業界に広める重要な触媒となり、まずスウェーデンで、やがてヨーロッパや世界のより多くの人々に広まっていきました。
もう1人は、ストックホルムにあるH&M(エイチ・アンド・エム)本社のサステナビリティ担当者であり、H&M(エイチ・アンド・エム)は、2014年春に初めてこの言葉を社内で使用しました。
2014年7月には、スウェーデン南部のゴットランド島で開催された「Almedalen week」の公開セミナーで、H&M(エイチ・アンド・エム)はこの言葉をスウェーデン語の形(「cirkulärt mode」)で初めて公式に発表しました。
つまり、2014年は、スウェーデンをはじめとするヨーロッパ諸国、そしておそらく他の国でも、サーキュラーエコノミーという概念が政治的な議題として強く取り上げられた年だったのです。
そのため、サーキュラーエコノミーとサステナブルファッションという2つの概念が、サーキュラーファッションとして融合するタイミングが来たと解釈できるでしょう。
(出典:Green Strategy「Origin and definition of circular fashion」)
サーキュラーファッションは、サーキュラーエコノミーと、サステナブルでエシカルなファッションとの交わりから生まれたものです。
この2つの分野の発展と進化は、異なる分野でしばらく並行して行われていました。
この新しいカテゴリーは、ファッション業界のサステナビリティへの道のりと発展に必要なものであり、ファストファッションに比べてはるかに長持ちする服への投資を約束するものです。