【SDGs徹底解説】エシカルとサステナブルの違いとは?用語の解説、さらに使い分けも解説
最近よく聞く「エシカル」と「サステナブル」という言葉について解説します。エシカルは、エシカル消費に代表されるように、今の社会にとって良い取り組みを表します。一方サステナブルは、将来世代にとって良い状態を保つものを表します。今と将来という視点の違いはありますが、現代では将来世代を考えることも大切な視点だと考えられています。
前者は「エシカル消費」といった言葉が、後者は「サステナブルな生活」といった言葉が広く使われています。
この「エシカル」と「サステナブル」という言葉を、なんとなく使っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「エシカル」と「サステナブル」の違いについて解説していきます。
エシカルとは?
エシカルはethical(倫理的な)という英単語から来ています。
日本エシカル協会では、エシカルについて、以下のように定義しています。
「法的な縛りはないけれども、多くの人たちが正しいと思うことで、人間が本来持つ良心から発生した社会的な規範」
定義の内容は少し難しいですが、簡単に言ってしまえば「社会にとって良いこと」を表します。
こう考えると倫理は道徳とも似ていて、たとえば「困っている人がいたら助けましょう」というようなことも倫理的と言えます。
また、倫理というのは、その時代の社会が置かれている状態に左右されるので、「今」の時代にとって良いものとも言えます。
これを踏まえ、冒頭に挙げた「エシカル消費」を例に、エシカルという言葉について詳しくみていきましょう。
エシカル消費は端的に言えば「今の社会にとって良い」消費ということになります。
今の社会で良いと考えられる消費は、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- 環境に配慮した商品を購入すること。
- 違法労働によって作られた商品を買わないこと。
- 地元で作られた商品を買うこと。
グローバル化が進んだ現代の商品やサービスは、様々な国との関係の中で作られているため、社会や環境に対する負担が目に見えづらくなっています。
エシカル消費は、これらの負担を可視化し、積極的に「社会に良い」商品を選ぶことと言えるでしょう。
参照元:環境省_平成30年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第3章第2節 持続可能な消費行動への転換
サステナブルとは?
サステナブルは、sustainable(持続可能な)という英単語から来ています。
持続可能なという言葉は、SDGs(持続可能な開発目標)にも使われている言葉で、以下のように定義されています。
「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させる」
参照元:持続可能な開発(Sustainable Development)|外務省
つまり、将来の世代に不利益がないようにすることが「サステナブル」ということです。
サステナブルを考える際に一番わかりやすい例は、動植物の乱獲が挙げられるでしょう。
たとえばかつて日本で、どこにでもいた鳥であるトキは、装飾用や食用として乱獲されたことで絶滅してしまいました。
過去の乱獲によって、今の時代にトキを見ることができなくなってしまったことは、サステナブルではないといえます。
また、サステナブルについて、もっと大きなスケールで進行していることが、地球温暖化に代表される気候変動問題です。
気候変動に対処しないままでいると、海氷が溶けて海面上昇が起こり、2100年までに数億人が住む場所を失うという研究者の発表もあります。
今の私たちの生活を、将来世代につなげていくこと、それが「サステナブル」なことというわけです。