健康的な体づくりに欠かせない、脂質の役割とおすすめヴィーガン食材
【管理栄養士監修】脂質はヴィーガン食生活では実は不足しやすく、健康的な体づくりのためにも欠かせない栄養素です。
ヴィーガンを実践する人は、動物性食材を食べず、植物性食材のみを食べる食生活を送っています。
一般的に、動物性食材にはたんぱく質だけでなく脂質も豊富に含まれています。
そのため、ヴィーガンやベジタリアンを実践する人は従来の食事方法と比べて脂質の摂取量も減ってしまいがちになります。
一方で、炭水化物やたんぱく質が1gあたり4kcalであるのに対し、脂質は1gあたり9kcalなため、「太る」イメージがあることから敬遠されがちな栄養素でもあります。
ですが、脂質は、体にとって重要な役割を担っており、1日の中で総エネルギーの20〜25%は摂取して欲しい栄養素です。
そこで今回は、脂質の働きとおすすめのヴィーガン食材について解説します。
目次
脂質の働き
細胞膜の構成成分
私たちの体を構成しているのは細胞であり、その細胞の周りを囲む細胞膜の構成成分は脂質です。
食事からの脂質の摂取量が減ってしまうと、健康的な細胞の合成ができずに働きが維持できず、体調不良や不調を招く原因になります。
脂溶性ビタミンの吸収率を高める
脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、Kの4種類であり、油と一緒に体内に入ることで吸収率が高まり、その効能を発揮します。
そのため、脂溶性ビタミンを豊富に含む食材は植物油と一緒に炒めて調理するなどの工夫をすることで、効率よく栄養素を吸収することができます。
⇒調理方法を工夫して栄養素を最大限に取り入れる方法とは?【ヴィーガンで健康的な食生活】
ホルモンの材料
私たちの体の調整役として大切なホルモン分泌にも、脂質が関わっています。
特に、性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)は「ステロイドホルモン」と呼ばれ、その構成成分は脂質です。
毎日良質で一定量の脂質を摂ることで、これら性ホルモンの分泌バランスを整えることができます。
特に女性の場合は、脂質の摂取が正常な月経周期のためにも重要です
美肌作り
脂質の構成成分である脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に大別されます。
このうち、植物性食材には不飽和脂肪酸が多く含まれており、不飽和脂肪酸の中でもオメガ3脂肪酸は悪玉コレステロールを低下させる働きがあります。
悪玉コレステロールは体内での炎症の原因になる物質でもあり、肌荒れを改善・予防するためにも体内の悪玉コレステロール値を下げる必要があります。
不飽和脂肪酸を豊富に摂取することで、悪玉コレステロールが低下し、美肌効果も期待できます。
⇒【医師監修】ヴィーガンでも美肌を維持するには?!おすすめの食生活
良質な脂質を含むおすすめのヴィーガン食材
上記のように、不飽和脂肪酸を多く含む食材を選ぶことで、健康的な体づくりを食事面で促すことができます。さっそくおすすめの食材をご紹介します。
アボカド
「森のバター」とも呼ばれるほど、良質な脂質を豊富に含むアボカドには、一個あたり20g程度の不飽和脂肪酸が含まれています。
また、食物繊維が豊富で低糖質であり、腸内環境を整えるおすすめの腸活食材です。
ただし、一個あたりのカロリーも高いため、一度に一個でなく半分にする、あるいはサラダにトッピングするなど食べる量を調節しましょう。
ナッツ類
アーモンドやクルミ、カシューナッツといったナッツ類には、不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
また、ナッツの種類にもよりますが、脂質だけでなくビタミン類やミネラルも豊富で、間食におすすめの食材です。
⇒調理しても美味しい!オーガニックナッツを使ったヴィーガンおかずレシピ7選
▼おすすめのナッツ
えごま油
植物性油の中でも高いオメガ3脂肪酸含有量を誇るえごま油もおすすめです。
最近だとスーパーにも並ぶことが増え、手に取りやすくなったのではないでしょうか?
注意して欲しいのが、えごま油は不飽和脂肪酸が多いために酸化されやすく、加熱せずに使うもしくは早めに使い切ることをお勧めします。
▼おすすめのえごま油
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まとめ | 良質な脂質でヘルシーな体を作ろう
三大栄養素のうちの一つである脂質は、
- 細胞膜の構成成分
- 脂溶性ビタミンの吸収率を高める
- ホルモンの材料
- 美肌作り
など、私たちの体にとって重要な役割を担っています。
しかしながら、ヴィーガン食では意識的に食べないと脂質が不足しやすいため、積極的に取り入れましょう。
また、今回ご紹介したえごま油の他にも、オリーブオイルやアマニ油といった植物性の油は、一般に健康に良いとされる不飽和脂肪酸を豊富に含んでいるので、普段の料理にぜひ活用してください。