「グリーンウォッシュ」とは?注意しなければならない理由を解説
上辺だけの環境活動を指す「グリーンウォッシュ」。ヨーロッパでは法規制がされるほどの問題となっているグリーンウォッシュを正しく理解し、消費者としてできることを始めましょう。
私たちがグリーンウォッシュに注意しなければならない理由
では、私たちにとって、グリーンウォッシュには、どんな問題点があるでしょうか。
消費者側の問題点
- 消費者が無自覚のうちに、環境破壊に加担してしまう
- SDGsを進める足かせとなりかねない
- 何を選べばいいのか混乱する
まず、グリーンウォッシュにより、消費者が最も困るのは、知らず知らずのうちに、環境破壊に手を貸してしまうことです。
私たちは、企業の広告、商品パッケージを見て、その製品が「環境にやさしい」と信じて購入します。
それが実は、なんの根拠もないとしたら・・・。
さらには、逆に、環境汚染につながる製品だったとしたら・・・。
エコやサステナブルなど、環境に配慮したものは、原材料からこだわっていることが多いです。
さらに、トレーサビリティもきちんと管理され、必然的に原価が上がってしまうことも、少なくありません。
グリーンウォッシュ製品は、そこに漬け込み、割高な価格で販売します。
そうなると、消費者は、不当な利益を得ることに貢献してしまうことにもなってしまいます。
企業側の問題点
- 企業イメージの低下、付随して売り上げも低下
- 投資を得られない
- 国内だけでなく、世界的にも問題視される企業と認定される
グリーンウォッシュの例で挙げたことは、すべて、企業側の、利益や利権に関わる都合によるものです。
しかし、それは一時的なものであり、実情が明らかになれば、評判や信用を、大きく損ねてしまいます。
一度失った信用を取り戻そうにも、たやすいことではありません。
実際に、グリーンウォッシュだと指摘されると、その会社のほかの製品までもが、イメージを落としてしまいます。
そうなった場合、目論んでいた売り上げや利益は、当然下落してしまいます。
また、投資家は、ESG(環境、社会、企業統治)について、念入りに調査し、投資分析を行うのが常識となっています。
SDGs達成のためにも、会社を成長させるためにも、グリーンウォッシュに関しての疑惑、訴訟などはもってのほかです。
worldbank.orgのデータによると、2019年、世界63カ国における国内上場企業の合計数は、30856であったとされています。
これだけの競争相手と渡り合うためには、フェアで、正直であり続ける以外に、方法はありません。
世界におけるグリーンウォッシュの対策、政策
世界では、グリーンウォッシュを止めるために、どんなことをしているでしょうか。
前項でも2021年、EC(欧州委員会)では、ウェブサイトにおけるグリーンウォッシュの実態調査を実施しました。
それを受け、イギリス、オランダでも、政府が独自に調査を行いました。
EUは、2021年3月に、「持続可能な情報開示規制(SFDR:EU Regulation on Sustainability related Disclosures in the Financial services sector)」の導入をスタートさせました。
ESGの観点で、金融商品の特性やその情報を開示し、評価を受けることを、運用会社に義務付けました。
このように、グリーンウォッシュをなくすための行動は、ヨーロッパ諸国が世界を牽引しています。
ヴィーガンカルチャーや、サステナブルな取り組みなども、先進的なヨーロッパらしいですね。
では、各国の取り組みとして、主なものを見てみましょう。