【インド】食品安全基準局がヴィーガン食品のロゴと規格を発表
ヴィーガン人口の増加と消費者のニーズに伴い、インドの食品安全基準局(FSSAI)はヴィーガン食品の定義、付随する規制、そして、「ヴィーガン」として表示・販売できる製品を企業が識別できるようにするためのロゴを発表しました。その詳細についてご紹介します。
また、FSSAIは、すべてのヴィーガン食品に政府公認のロゴをつけることを義務付けました。
インドにおけるヴィーガンの定義
FSSAIの新しい規則は、インド国内でヴィーガンの人気が高まりに伴い、企業がヴィーガンと表示できるものを特定することで、消費者がヴィーガン製品を選び易くすることを目的としています。
FSSAIは当初、2021年9月にヴィーガン食品に関する規制案を提示し、その後、一般からの意見を募集した上で、最終的にヴィーガンの定義を定めました。
新しい定義では、ヴィーガンフードを動物に由来しない品目として具体的に特定しています。
「ヴィーガン食品とは、動物由来の製品ではなく、製造・加工のどの段階においても、動物由来の添加物、香料、酵素および担体、または加工助剤を含む原材料が使用されていない食品または食品原材料を指す。 」
とFSSAIはその定義で述べています。
また、注目すべきポイントは、FSSAIはヴィーガンの定義に動物実験を含んでいることです。
「ヴィーガンと呼ばれる食品は、規制当局から提供されない限り、安全性評価を含むいかなる目的でも動物実験を行ってはならない」
とFSSAIは付け加えています。
新しい定義と規制により、FSSAIの要件を満たさない限り、全ての企業や個人は、ヴィーガン食品として製造、包装、販売、販売の申し出、マーケティング、その他の流通、輸入を行うことができなくなりました。
ヴィーガンフードの製造
ヴィーガン食品に使用する包装材は、包装規制の規定に従う必要があります。
加えて、FSSAIは製造に関して下記の項目をヴィーガン食品の販売者に義務付けています。
・ヴィーガン食品の販売者は、非ヴィーガン食品と区別できる方法で保管・陳列しなければならない。
・ヴィーガン食品のパッケージには、消費者がビーガン製品であることを識別できるように、FSSAIが指定するロゴを表示する必要がある。
・ヴィーガン食品の製造において、非ヴィーガン製品や食材と同じ製造ラインを共有する場合は、ヴィーガン製品の製造を開始する前に、FSSAIのGood Manufacturing Policies(グッドマニファクチュアリングポリシーズ)に準拠した徹底した洗浄などの措置を行うこと。
その他には、製造業者および食品事業者は、製造、加工、流通のすべての段階において、非ヴィーガン物質の意図しない混入を避けるよう、グッドマニファクチュアリングポリシーズに適合した注意事項が設計されていることを確認する必要があると規定しています。
また、食品事業者は、食品、食品原料、製品のヴィーガンであることの完全性を維持するため、FSSAIが指定するその他の要件を遵守し、商品の生産から販売までを明確にする必要があるとしています。
そして、ヴィーガン食品の輸入に関しては、FSSAIは、輸出国の公認当局がFSSAIが許容する形式で発行した証明書がなければ、ヴィーガン製品を輸入することはできないと規定しています。
まとめ
今回の記事では、インドの国を挙げたヴィーガンに関する規格の制定についてご紹介しました。
日本でもヴィーガンコスメやスキンケア、食品といった「ヴィーガン」と名前の付く様々な製品が販売されるようになってきて嬉しい反面、「これって本当にヴィーガンなの?」と思うような製品も結構目に止まるようになってきたのではないでしょうか。
ヴィーガンという言葉の知名度は短い期間で急上昇したものの、「ヴィーガニズム」という主義についてはまだ理解が広がっていないのが日本の現状です。
インドでは、企業にとっても消費者にとっても「ヴィーガンとは何か」をわかり易く定めることで、そういった曖昧さをなくそうとしている動きを見ることができます。
企業がヴィーガンと表記して良いものはどういうものなのか、そもそもヴィーガンとは何かを理解して商品を作るためにも、消費者が安心して商品を選べるようになるためにも、明確な規則を国や団体で定めることはとても大切な取り組みですね。
加速するアジアのヴィーガンの認知と市場の拡大。
インドに続いて、ヴィーガンに関する規格を明確に定める国は登場するのでしょうか。
ハッピーキヌア では、今後も注目のトピックや国内外のヴィーガンに関する最新情報をお届けしていきます。
参考記事
WITH GROWTH IN VEGANISM, INDIA RELEASES ITS FIRST LOGO AND STANDARDS FOR VEGAN FOOD PRODUCTS
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