ヴィーガンがパームオイル・パーム油を避ける理由|代替品も紹介
ヴィーガンは植物性であるパームオイルを避ける?その理由を詳しく解説。代替品はあるのか?その点もご紹介します。
パームオイルの代替品
食品以外としてのパームオイルの代替品
食品ではないものに関して、パームオイルを使用しているものは多いです。
身近なものでは、シャンプーや歯磨き粉、洗剤などがあり、全てを避けることはかなり難しくなるかもしれません。
もちろん、注意さえすれば、特定の業者などから購入することも可能な場合もありますが、お値段的に高くなり、決して経済的とはいえません。
そこで、例えば食器洗剤には重曹を使用したり、洗濯には過炭酸ナトリウムなどを使うことで、お財布と環境、共に優しい代替品になります。
「環境に優しい代替品」の効用を簡単に紹介します。
- 重曹
アルカリ性の重曹は、酸性汚れである油汚れやカビなどを落とすのに役立ちますし、消臭効果もあります。 - 過炭酸ナトリウム
過炭酸ナトリウムの大きな特徴として、「酸素の力で汚れを分解する」点があります。
水に溶かすと酸素の泡を出し、その泡の効果で衣服についた汚れを浮かし落とします。
- クエン酸
クエン酸と酢は同じ酸性で、水垢やトイレの黄ばみなどのアルカリ性の汚れを中和して落とします。
効果的には酢と同じですが、酢はニオイがあるので、気になる人はクエン酸を使い、フローリングなどに使用する場合は、揮発性のある酢の方が床を傷めにくい利点もあるのでおすすめします。 - セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは重曹と同じアルカリ性であり、酸性汚れを中和します。
ただし、重曹よりもアルカリ性が強いため、セスキ炭酸ソーダの方がより汚れを分解しやすくなります。
さらに、レモンの皮の白い部分でシンクをゴシゴシこすると、クエン酸効果で汚れを分解、水垢も落ち、香りも良いのでおすすめです!
食品としてのパームオイルの代替品
パームオイルは単位面積当たりの生産量が最も多いため、もし全ての人がパームオイルから他の植物油に替えることにした場合、代替オイルのための生産地面積の確保が、大変になると考えられます。
また、原材料としてパームオイルは幅広く使用されていため、パームオイルを完全に排除することは困難なのが現状です。
それに加えて、パーム油に替わる植物油を生産しようとすると、コストが上がったり、さらなる環境破壊がもたらされる可能性もあります。
「パームオイルの需要を抑制する目的で、部分的に代替したとしても、代替油脂となる大豆油や菜種油などの栽培がより持続可能である保証はありません。
現に南米では大豆プランテーション開発において同様の問題を抱えており、持続可能な大豆の認証制度(RTRS)が設立されています。」
(出典:WWF「代替油にも問題が?」)
そのため、「オイル自体の消費をできる限り抑える」・「RSPO認定のパームオイルを選ぶ」、という様に意識を変えていくことが重要になってきます。
「RSPO認定のパームオイル」って何?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、「RSPO認定のパームオイル」の概要を紹介します。
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RSPOとは、Roundtable on Sustainable Palm Oilの略で、「持続可能なパームオイルのための円卓会議」と訳されます。
2004年、パームオイルの現状に危機感を覚えた世界自然保護基金(WWF)と主に英国の企業がRSPOを発足させ、持続可能な方法で生産されたパーム油の認証を促進してきました。
その目的は、世界的に信頼される認証基準の策定とステークホルダー(利害関係者)の参加を通じ、持続可能なパームオイルの生産と利用を促進することにあります。
RSPOでは、以下、2種類の認証制度が設けられています。
「RSPOでは各工程の認証制度として、生産段階で「原則と基準(P&C)」に則って持続可能な生産がおこなわれていることの認証(P&C認証)
認証パームオイルが、サプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売までの全体の一連の流れのこと)の全段階を通じ、間違いなく受け渡されるシステムが確立されていることの認証(SC認証)」
(出典:RSPO「1.生産と流通、2つの認証」)
この認証を取得した企業は、認証パームオイルを原料として利用した商品に、「RSPOマーク」を使用することができます。
日本においても、石けんやシャンプー、洗剤などの製品でRSPOマークのついた商品が販売されています。
この認証基準にはまだ課題もあるようですが、こうした意識改革が進むことで、着実にその流れは変わっていると言えます。